変わり時…4狂う世界18
籠が大きく揺れた。みーくんはマナ達を攻撃し続け、鶴達は一羽を除いて攻撃に耐えていた。
「私が彼を弐の世界に飛ばす!狙いは私だから私が籠から飛び出して彼が迫ってきたら手を動かして弐に飛ばす。援護はプラズマさんと健さん、マイさん!」
「そんなにうまくいくか?」
プラズマが疑惑の目でマナを仰いだ。
「いかせる!」
「待ってください。それは無謀ですよ」
マナの即答に健が口を出した。
「じゃあどうするの?」
今も籠が前後左右に揺れ、鶴の悲鳴が聞こえる。マナ達をよそにマイは籠が揺れる度に先程から不気味に笑っていた。
「一回下に降りて戦った方がいいかと。これは逃げられない上に全滅する可能性があります」
「確かに……」
健の言葉にマナが考えているとやたらと元気な女の声が聞こえた。
何かを話している。
「ん?」
窓から身を乗り出して銃を撃っていたプラズマが目をすがめながら声をあげた。
マナは何事かとプラズマに目を向けた。
「プラズマさん?」
「太陽の姫が現れた……」
「太陽の……サキさん!?」
マナが慌ててプラズマの横から顔を出した。
隣にいつの間にか鶴が引いた新たな籠が出現しており、その籠の上にサキが仁王立ちをして立っていた。
「え?なんで?」
マナはサキをまじまじと見つめる。サキは霊的着物に太陽の王冠を被り、炎が舞う剣を構えていた。
サキの出現によりみーくんの動きが止まった。
「お前、なんでここに!?」
みーくんの戸惑いの声がハッキリマナ達にも届く。
「なんでってみーくんがワイズに縛られっぱなしだから心配してきたんじゃないかい。見てみりゃあ鶴を一羽怪我させて友達になったばかりのマナを傷つけようとしてる。みーくんの心に反すると思って止めに入ったのさ。みーくんは女に暴力ふりたくないんだろう?」
サキはのんきにもそう尋ねた。
「それとこれとは違うんだよ!俺は現人神を捕まえなきゃならない。サキ、頼むからここは大人しく……」
「そうはいかないよ!みーくんは以前、暴走したじゃないかい。あたしはあんたを止めるよ!」
「ちぃっ……」
サキの言葉にみーくんは明らかな動揺を見せていた。
「サキさん!」
マナはそっとサキを呼んだ。
「マナ、大丈夫かい?ここはあたしがなんとかするよ!早く逃げな!」
サキはマナににんまりと笑うと戸惑うみーくんに突っ込んで行った。
「ええ!?ど、どうしよ?サキさん大丈夫かな?アヤさんの電話の時に余計な事を気にかけさせちゃったかな……」
みーくん以上に目を丸くしたのはマナの方だ。さも当然のようにみーくんにぶつかっていったがサキは平気なのか?
「おい、マナ!今のうちに逃げるぞ!」
プラズマがマナに叫んだ。
「え!?サキさんは平気なの?」
マナが焦りながら尋ねるとマイが笑いながらつぶやいた。
「ククッ。あの小娘の神力を侮っているのか?めでたい頭だ」
「どういう……」
「行け!」
マナが続きを言う前にプラズマが鶴に進むように指示をした。鶴達は戸惑いながらも再び進み始めた。遠くで炎の唸り音と風の鋭い音が響き合っていた。




