変わり時…2向こうの世界8
マナとプラズマはツクヨミ神に見守られながらクリーム色の世界へ足を踏み出した。
プラズマはここが霊的空間だからか今まで通り普通に歩いている。
クリーム色の空間はやがて先程のように真黒な空間へと変わった。
またも闇の中を歩く不安感がマナとプラズマを襲った。
「またあの子の病室に着いたらなんて顔しようか……。」
プラズマはそれが不安だったようだ。
「今度は刺激しないようにちゃんと話そう。」
マナも緊張感をもって一歩一歩を進んだ。しばらくすると、再び電子数字が流れ始めた。
「まただ……。」
「やっぱり病室か?」
二人の顔が強張った刹那、口から泡が漏れた。
「……!?」
よくわからない浮遊感がその後すぐに来た。それと息苦しさもプラスされている。
……ここは水の中!
上を見上げると月が水面ごしに見えた。
先程、飛び込んだ時と同じ感覚だ。
慌てて水面を目指して泳ぐ。息が詰まりそうになった時、ようやく水面上に顔を出すことができた。
「……ぶはっ!」
となりでプラズマも大きく息を吸い込んでいた。
「あれ……?ここは?」
マナは辺りを見回して驚いた。先程の神社ではなく、全然関係のない場所に来ていた。
辺りは森で囲まれており、目の前に大きな和風のお屋敷が堂々と立っていた。
まるで江戸時代か何かに戻ったようだ。
「……ここは……違う!」
プラズマは辺りを見回し叫んだ。
マナはプラズマの声にビクッと肩を震わせた。
「な、なに?いきなり……。」
「ここは未来だ。俺が住んでいた世界の未来だ。」
「え?未来ってどう見ても……。」
プラズマの鋭い視線にマナはそこから言葉をつぐんだ。
「まずいな。ここは俺が住むはずの屋敷だ。」
「ええっ!?」
プラズマの発言にマナは飛び上がる勢いで驚いた。
「未来で見たんだ。こっちの未来は獣と交わる術を手に入れた人間が退化をしながら生きているんだ。俺は人間に見えるが神だから動物や人間と交わることができない。おまけにずっと生きているもんでこの辺の豪族になった。俺は純血様と呼ばれていた。何物とも交わっていない純血の人間だと思われていたからだ。それで俺は……ここで兎耳の少女に出会う。」
「……。」
マナは驚きすぎて声が出なかった。こちらの世界は向こうとは違い本当によくわからない世界だった。
だいたい動物と交わる技術がわからない。どうやっているのかもどういう仕組みなのかもわからない。
「ダメだ……この時間軸は……。」
プラズマがそうつぶやいた時、「侵入者!」と叫ぶ声と銃声が聞こえた。目の前の門で牛のツノが生えている人間のような人とライオンの鬣みたいなものが生えている人間のような人が走っていた。二人とも二足歩行で目標を追っている。
そしてその門番を潜り抜けて門の辺りを茶髪の少女と黒髪の少年が走り抜けていた。
「あっ!アヤさん!?」
マナは茶髪の少女に目を向けて水を飲み込む勢いで驚いた。
茶髪の少女はこちらの世界であった時神現代神アヤであった。隣の黒髪の少年は誰だかわからない。
「まずい!こっちに来る!ここには俺がいる!俺は俺に会ったら俺が消滅してしまう!」
プラズマはわけのわからない事をもがきながら叫び、マナを引っ張り再び水の中へと潜った。
「がぽぽっ!」
マナは突然にプラズマが引っ張ったので思い切り水を飲み、そのまま失神した。




