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明かし時…最終話リグレット・エンド・ヒストリー5

 トケイは乱暴に拳や蹴りを栄次にぶつける。栄次は刀を構えたまま、反射的に避け始めた。目で追えないほどの速さの攻撃に栄次は反射的に避けるしかなかった。


 トケイは電子数字を纏わせながら太ももについていたウィングで空を飛行し栄次に攻撃を仕掛けている。栄次は反撃はせずにただひたすら避けた。

 そんな様子を遠くでナオとムスビは見ていた。


 「栄次のやつ、あんなのと渡り合えるのかよ。」

 ムスビがナオを若干庇いながら小さくつぶやいた。


 「……彼は武神ではないはずですが……いままでの戦の経験が彼の反射能力を高めたようですね……。戦……。」

 ナオは何か引っかかるのかそこから口を閉ざした。


 「どうしたの?ナオさん。」

 「……。そういえば……栄次とアヤさんの歴史を覗いたことがありません……。彼らは時神ですからもしかすると隠された歴史を持っているかもしれません。」

 ナオは反射的に顔を歪めた。理由はわからない。

 奥底で消去されたはずの記憶が関係するのかもしれない。


 「一度見て……」

 「その必要はない。」

 ナオが茫然と立つアヤに目を向けていた時、ふと足元からセカイの声が聞こえた。


 「セカイさん?」


 「あなたはわかっていない。知らないとならない真実と知らない方がいい真実。あなたは今のままでいい。知らない真実は知らないままがあなたのため。必ずしも知っていた方がいいわけではない。」

 セカイはナオを諭すように無機質に告げた。しかし、ナオがそれで納得するわけがなかった。


 「それでも私は真実を知りたいのです。それはあなたにとやかく言われる筋合いはないですよ。」

 ナオはセカイの言葉を半ば無視し、手から素早く時神の巻物を取り出した。


 「……私は……あなたが壊れない事を願っている……。」

 セカイは忠告だけはしたが止めようとはしなかった。止める権限はないと言っているようだった。


 ナオは言われもない嫌悪感をいだきつつ時神の歴史が記されている巻物を手から出現させた。

 「ナオさん……顔色が悪いぞ。止めた方が……。」

 「問題ありません。真実は絶対に表に出ないといけないのですよ。」

 ムスビの制止も振り切りナオは巻物をトケイと戦っている栄次に向かって投げた。


 いつものように目の前が真っ白に染まった。


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