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チーム1 First・eagle

第一回文化祭戦争…後に第一次文化祭戦争と改名された戦争の後、彼らには使命が残されていた。それは、龍我が言ったように「自衛」すること。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「…。」

無表情で銃を構え、引き金を引く俺たちのリーダー遠藤雪乃。…ん?引き金を、引く?

「おっっまえ!!また作戦聞く前に撃ちやがったな!!」

「…奏多が言うの遅いんじゃね。」

こいつは!!また!!魔術師の俺が!!作戦を!!たてて!!いる!!間に!!

「まあまあ、ユキちゃんが話聞かないのなんていつものことでしょ?奏多くんが怒ってても仕方ないよ!」

すぐに七瀬から通信機を通してフォローが入る。

「どうどうだぞ、女の子に大声で怒鳴っちゃダメだぞ〜。」

「茜さすがぁ。」

「え、えっと、作戦の、続きを…」

琴音の言葉で俺、伊阪奏多はハッとした。

「悪い。今はふざけてる場合じゃなかったな。とりあえず、雪乃が1人やったからあと4人。まず七瀬はいつも通り俺たち遠距離をガードしつつ、茜と琴音をサポート。琴音、そろそろくると思うから覚悟決めろ。琴音が覚醒したらすぐに茜は敵の左側にある槍をやれ。琴音はそのまま右側にいる魔術師。」

「了解!」

「は、はぃぃ!」

「任せろ!」

前線に立つ3人から作戦理解の返事がくる。さて、琴音の覚醒まであと3秒ってとこか。

「…あは。あはは。あははははは!!!!血!!素敵な血!貴方も見せて!さあ!!はやく!!!今すぐに!!きゃーーー!!」

琴音のアビリティ…のようなもの。それは、血を見ると一気に凶暴化する。豹変と言っても過言ではない。

「ほら、女の子があんまりよそ見しちゃダメだぞ?悪い男に捕まるぞ〜。…俺みたいな。」

茜は女たらし。というか女に甘い。けど、琴音が豹変したら連鎖的にこいつも容赦がなくなる。それまでの手加減が嘘みたいに。こいつらは間違いなく、俺たちのチーム最強タッグだ。

「よいっしょっ!」

七瀬は盾。タンクとしての役割を全うしている。お陰でこの半年、一度も俺たち遠距離はダメージを受けたことがない。こいつの何よりの特徴はガッツがあることだろう。女にも関わらずどんなに重い攻撃も全て受け止める。と、突然通信機から悲鳴と怒りに震える声が届いた。

「…ひぃ!私、自分の血を見る趣味はないの!貴方、許さない。許さない許さない許さない許さない許さない許さない許さない!!!!」

「落ち着け、それ以上やったら…!」

「ダメ、カナちゃん、コトちゃん壊れちゃう!」

俺たちの最大の弱点。それはどっかの室長のように単独行動に向かないことでもなければ体力がないことではない。俺たちは、仲間の暴走を止められない。

「はぁ、はぁ、はぁ…次は、次はああああ!!!!!」

普段大人しい琴音。こいつが血を見たときに見せる悪魔のような一面を、俺たちは戦争が終わるまで元に戻してやることはできない。琴音は体力が極端に少ない。個人としてみたら最大の弱点。それ故に戦争が終わると同時にいつも昏睡状態に陥ってしまう。そしていつも苦しそうな吐息だけが俺たちの胸に残る。

「ほら、ほら!まだ終わりじゃないでしょ!?何寝てるの!?」

刀を振り回す彼女に、手がつけられない。七瀬が一度、暴走した琴音を止めようとしたことがある。すると琴音はあろうことか七瀬を攻撃したのだ。そして七瀬は殺され、俺たちはその戦争に敗北した。壁を失えば、俺たちに砦は残されない。それを分かって俺たちは誰も手が出せない。

「おい、琴音!大丈夫だ!琴音、もう終わるから!琴音!」

信用しているはずの茜の声にも耳を貸さない。

「…琴音、動かないで。」

刹那、雪乃が静かに引き金を引いた。

「うぅ…!」

するとぱったり、琴音は膝から崩れ落ちた。

「戦争終了。あんたら怪我は?」

「…ない、よ。」

「同じく…でも、雪乃今…」

「い、今何したんだ?」

今まで喋らず銃を見ていたと思われた俺らのリーダー。一体、何をしていたのか。

「そんなの、麻酔銃に弾切り替えてたに決まってるじゃん。こっちもそれなりの対策は考えてる。」

そうだ、こういうやつなのだ。俺たちのリーダーは。俺の作戦を聞いてなくても、全てを理解しやってのける女。

「茜、琴音を運んで。七瀬は室長に報告。奏多は次の作戦でも考えといて。」

「…お前、聞いてねえじゃん!!」

ああ、俺たちのチームFirst・eagleのリーダーは最高にかっこいい。名の通り、いい目をもっている。こんな学校史に残りもしない小さな戦争にさえ全力で戦うイかれたやつら。これだから俺は、このチームが大好きだ。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

秋田 七瀬

性別 女

名簿番号 1番

武器 盾

特徴 完全にサポート防御。ずば抜けて防御範囲が広い。普段から温厚で親しみやすい人柄は、戦闘時にも緊張をほぐす意味で役立っている。


伊阪 奏多

前話参照


遠藤 雪乃

性別 女

名簿番号 3番

武器 ライフル(遠距離)

特徴 目が悪く、基本スコープを見ない。感覚で撃ってる天才型。クールで静かな仕事人。人の話は8割聞いていない。やるときはやる女。


神崎 琴音

性別 女

名簿番号 4番

武器 剣

特徴 大人しそうな見た目で実際大人しい。ただし血を見ると豹変。いきなりクレイジーサイコパスになる。それは血が拭われるまで続く。戦闘終了後は体力がなくてすぐに眠ってしまう。


北川 茜

性別 男

名簿番号 5番

武器 銃(二丁)

特徴 声が大きく、とにかく暑い。それ故女性陣に引かれることもしばしば。レディーファースト精神を(天然で)忘れないため、敵女子の前だと引きがち。敵女子への反撃の狼煙は琴音の豹変である。

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