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短歌(雑然2)

作者: quiet






人間をやたら嫌がるのは別に君を嫌いと言うためじゃない






もし俺が自販機だったら飲み物は自分で飲むし、金はくすねる






今日もまた些細な言葉で傷つけた舌に刺さった棘が抜けない






綺麗事吐いたら綺麗になれるかもだから「しかし」は使わないでおく






暖房のオーバーヒートに見る悪夢 昔の地球の酸素に似てる






遠くへとあなたが行ってしまうほど、世界はどんどん縮み、ふにゃふにゃ






前髪の分け目を気にしているうちに伸びた後ろが君の枕に






僕の目に無数の星が在るように、星も無限の僕を視ている






白い夢から叫んでも聴こえない地球も宇宙の一部だからさ






トロフィーを抱えた男に殴られる君はあんまり泣きそうじゃない






こんなもんじゃないこんなもんじゃあない何を隠そうこれより下です






二人とも背中を向けてしまったら字を書く人がいない 弱虫






光るドアにご注意ください明日生きる気力が湧いてくるまで






冬先の病気みたいに蒼い空 痛みの理由に一目見たくて






雲と雲の間のあわいちぎれ雲 ああいうの許せないんだよね






あの頃に戻りたいとか思うけど、わたしの顔のお前は誰だ







真っ黒な砂漠に見つけた砂粒が君ならきっと百年後も逢う






蟻の群れを踏みつぶしながら思う どうかみんなが死にませんように






唇に砂鉄を塗った君だけに揃いの真っ赤な磁石をあげる






「レッツゴー」をかける相手がいないから僕は僕に「ゴー」と言う クソが







フリーWi-Fiのあるとこまで行こうアイを制限されないように







世界一綺麗な君に雪が降るロジックエラーで神様も死ぬ







東京の雪の隙間に夢が降る今日ふとんから出なくていいや







青い蛞蝓のようにありもしない傷痕を這いずる光 罰






神様に綺麗と言ってほしかった一番ふつうのとこでいいから







カレンダーの未来の方に×つけて過去に○する 今は幸せ






言い訳を重ね続けて口癖が「生きてるからね」の無様な大人






人間の必須技能も身に付けず夢の見方も忘れてしまう







元気だとうっかり何かをしちゃうから風邪を引きたいぐうたら寝たい






ないている鳥にさらなる追い討ちをかけるわたしをなきやませてくれ






黒い歯を見つけた歯科医「もうきみはぼくに会わない方がいいかも」






真夜中の赤信号、誰もいない、交差する点、干からびた指






面白い夢の途中で「第二話へ」明日にしようと目覚めてそんな






あと一歩ぼくからきみに近づけば赤い糸から消えるメロディ






生きてるとだんだんだるくなってくる具体的には生きることとか






さようなら足うらあわせた恋人と蛹の入った黄色いスープ






未来色の赤ん坊が泣き叫び、僕らの明日を教えてくれる






お隣のカーブミラーが曇ったら無数の死体だ冬でよかった






メンタルがヘラヘラしてくる昼下がり白い私も死ねと言ってる






マズローの欲求説に従って、つまらない王様のパレード






君の屋根の川に銀河が流れてるあんなものすら越えられなくて






23歳の終わりのねがいごと「ある日突然すべて良くなれ」






そうやって天使みたいに描かないであなたに釣り合うくらいでいいの






アレルギーの薬を飲んですやすやと眠れる春は花のおかげね







永遠のように飛んでる蝶々もむかしはわたしのゆびをかんでた







「夢じゃないよね?」ほっぺつねっておきたわたしあたまがよくてばかだな







こわれゆくあなたでしたねこわれゆくわたしもいましたきみをみてたよ







ゆらめいているゆらめいているかけら愛されたいならゆらゆらのまま







午前零時零分零秒(刹那)鏡に映った昨日の私







毒林檎かじって眠り、王子、朝、明日を待ちたい くるしくないよ






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