第1話 入学式はどこで?
ここはヴェストルバーニア王国にある魔導技巧専門学校・・・・
若き男女が自身の知識や技術をより追求するための専門学校。
魔導機構であるフレームを着込む形で装着し自分の手足のように扱うフレームや
機械の体に魂を宿した生徒が通う学校である。
その学校へ・・・東の国から異国の者が入学するところから物語が始まる・・・・・・・・
「やっべ~入学式当日から遅刻かよ・・・・・地図もなければ人もナシ・・・コレはマズイ・・・・」
黒髪をかきながら少年は辺りをきょろきょろと見渡し人を探し始めた。
「ん~~今日もいい天気ね~こんな日は学校でお気に入りの魔導書でも読もうかしら~」
銀色の長い髪を揺らし背伸びをしながら独り言をぶつぶつ話しながら女生徒が歩いていた・・・・
「そこの人!今、学校とか言わなかったか?」
「え、何?ナンパ?やめてよ~私も遅刻しそうなんだから!」
「え?」
「ん?」
「あ~~ごめんごめん、ナンパじゃないから!俺も学校への道を探してたんだが人がいなくて君が学校へなんたら言ってたから道を尋ねようと思っただけなんだ。」
「アナタも魔導学校の生徒なのね!ならこっちよ!道、教えてあげる!」
「お~助かる!自己紹介がまだだったな、俺は鬼島誡童だヨロシク!」
「私はシエスタ・クロイツェン、機械女子よ!」
最後のワードに俺は少し顔を曇らせながらシエスタに道を案内してもらうことにした。
東の国と違い建物が洋風な作りで、フレームの部品などが売っている油っぽい店などもあった。
生まれ故郷とずいぶん違う光景を俺はきょろきょろと見ているとシエスタが話しかけてきた。
「カイドウ君はこの辺の人じゃないよね?何処から来たの?宇宙?」
「いきなりぶっ飛んでる質問だな・・・・俺は東の国から来たんだ、理由は今は教えられないが。」
「ふむふむ、あの何も残っていない国からね・・・・」
「何が言いたい、魔導戦争で滅びかけでも、あの国は生きている!」
「ご・・・ごめんなさい、そんなつもりじゃ・・・ただ、酷い事になっているって聞いてたから・・・・この辺での噂では灰の国とか・・・何もない国と言われてたから・・・・」
シエスタは俺が怒鳴ると酷く怯えながらココで東の国がどのような扱いをされているか話してくれた。
魔導戦争によるダメージで東の国は半壊・・・・
食料や部品などの供給率も30%下段・・・・
他国の貿易で何とか維持している虫の息の状態であると・・・・
俺はゆっくりと息を吸い冷静になってから口を開いた。
「ごめん、怒鳴って悪かった。」
「ううん・・・私、相手の事を考えずに話しちゃう癖があって・・・私の方こそ軽率な発言をしてごめんなさい。」
「もぅ大丈夫だ、だが・・・・俺の生まれ故郷がそんな言い方されていて黙ってもいられなくてな。」
「カイドウ君・・・・私は、もしそんな風に言われたら悲しくなって、多分・・激怒すると思うけど・・・・カイドウ君は強いんだね。」
「色々あったからな・・・・いい事も悪いことも・・・今は帝たちが統制してるから東の国は大丈夫だろう・・・・それより学校はまだか?」
「帝か・・・それなら安心だね!学校は・・・ホラ、見えてきたよ!あれが学校だよ。」
シエスタが指さす方向には大きな学校が見えてきた。
入学式の会場はコチラという案内の標識も見え・・・・
「シエスタ・・・・」
「何?まさか・・・告白!?」
「バカッ!走れ!遅刻するぞ!」
「な、なんですとぉ!?」
学校の時計を見ると時間は入学式開始の時間になっていることに気づき、
俺はシエスタの手を握ると入学式の会場へ走って行った・・・・・・・