8. 出発
アパートの外階段をおりて敷地の中ぎりぎりにナカトは立ち、
「えーと、それじゃあ、俺とシノは今からそこに立って……」
と、ナカトはアパートの敷地の外を指差した。
「魔物が襲ってくるのを迎え撃ちます。この中は安全なんだけど、結構グロい事になると思うので、注意してください」
「わかった」
ナカトの言葉にレンコが頷く。
「シノ、それじゃ行こうか」
「はい」
ナカトとレンコは同時に外へ踏み出し、左右を見回す。
「いませんね」
「そうだな。でも、さっきの感じだと、すぐに来るだろう」
「はい……来ました!」
シノが交差点側の少し離れた地面を指差す。
その場所は徐々に黒い染みが拡がっていき、やがて、
「なんだ、こいつは?」
地面からドリル状になった角を持つ、
「黒ヤギ?」
全身が黒く短い毛で覆われた黒ヤギのような生き物が顔を出した。
「お手紙食べない……でね! 縮炎」
シノが、地面から身体が半分くらい浮かび上がってきた黒ヤギに魔法を打ち込む。
「あ、右側!」
その瞬間、アパートの敷地内からマリの叫び越えが響いた。
シノの動きを見ていたナカトが慌てて後ろを振り返ると、ナカト達に向かって猛スピードで駆けて来る牛の姿が見えた。その距離、10メートル。
「いつの間に!」
ナカトが魔法をイメージしようとして間に合わず、慌てて木刀を構える。背後にシノがいるために、自分だけ逃げる事が出来ない。
(いけるか!?)
角を突き立てて突進してくる牛に対し、上段から真っ直ぐ木刀を振り下ろす。切っ先の部分が、牛の角と角の間に入り、そのまま吸い込まれるように牛を両断した。
二つに分断された牛の身体は突進してきた勢いのまま、道の両側のブロック塀にぶつる。その瞬間、牛の身体は、まるで元から液体だったかのように、飛び散った。ブロック塀には、バケツで墨汁をぶちまけたかのような状態となったジェル状の黒い物質が、だらっと地面に流れ落ちている。
やがてブロック塀にはシミひとつ残さず、ついさっきまで牛だったモノは、全て地面に吸い込まれ消えてしまった。
「シノ!」
振り返ると、シノが倒した黒ヤギも魔法で倒され、地面に吸い込まれていく所だった。
「ナカトさん、大丈夫です」
「こっちも……危なかったけど、大丈夫だ」
とりあえず、戦闘が1回終わったので、二人はアパートの敷地内に戻り、
「今みたいな感じで、魔法を使えば倒せます……マリさんが叫んでくれなければ、ちょっと危なかったんですが……ありがとうございます」
そう言って、マリに向かってナカトは頭を下げた。
「い、いえ……魔法で……倒せるんですね……」
マリは自分の手のひらをみつめ、何かを考えているようだった。
だが、レンコは納得がいかなったようで、
「や、やっぱり駄目よ。マリ、私達はアパートで救助を待ちましょう」
そう言って、マリの肩を抱き寄せ部屋へ戻ろうとした。
それを見てナカトは慌てて引き止める。
「救助は……救助は多分、来ないと思います」
「なんで? なんで分かるの?」
「なんで……? なんでと言われると説明が難しいのですが……」
ナカトとしては、可能な限り、彼女たちに自分の職業が勇者となっている事を伏せておきたかった。今後どうなるか解らない上、世界で自分だけが唯一の勇者だとすると、どう考えても面倒な事しかない。
「僕が朝、外に出てから2時間くらいは経過していますが、いまだに警官すら駆けつけていません。この辺りだけの問題であれば、ヘリくらいは飛んできそうなものですが……静かなものです」
念のため、空を見上げヘリコプターが飛んでいない事を確認したナカトは、更に言葉を続ける。
「道路にあった電柱が全て無くなり、線が切れている事が解る電話や電気だけでなく、地面の下のガス管、水道管で繋がっているはずのガス、水道すら出ない……こんな異常な事態に面しているのに、普通の災害のように、すぐにでも救助が来ると考えるのは、事態を楽観視しすぎでしょう」
ナカトの言葉にシノが、首を何度も縦に振り、後押ししていた。
「ちなみに、皆さんの食料と水はどの程度持ちますか?」
「1日……くらいなら……でも、お肉は火を通さないと食べれないし……」
「私も、自分の分でそのくらい。それに、ビールはあるけど、飲み水が無いわ」
ナカトの質問にレンコとマリが答える。
「そうですか。ちなみに僕はビールと簡単なつまみ程度しかありません。シノは?」
「私?」
一瞬答えにつまったシノだったが、少し考えてから、
「私も多分……1日分くらい……かな?」
そう答えた。
「結局、食料事情を考えたら、調達するために外に出るしか無いですし、だったら体力がある今のうちの方がいい」
ナカトはそう言って、今度はマリをじっと見つめ、
「マリさんは魔法が使えます。これは僕を信じてもらうしか無いのですが……出来れば、早いうちに練習して欲しいんです」
「わ、わかりました。頑張ってみま「駄目!」」
マリの声にレンコが被せるように、そう叫んだ。
「マリは危ない事をしちゃ駄目! また……また、あの時みたいに……お姉ちゃんは……」
「お連さん……大丈夫だって。私は大丈夫だから……」
また激しく反応をしたレンコに、マリが背中をさすりながら、優しく諭す。
(ナカトさん……レンコさん、何か様子が……)
(何か事情があるんだよ。そっとしておいた方がいい)
そうこうしているうちに、レンコは少し落ち着いたのか、
「だってマリ。先生は、あなたの事が心配で……」
「だから、大丈夫だって。お蓮さんの心配しているような事にはならないよう、注意するからさ」
「そう……そうね。大丈夫……なのよね」
「うん。そうだよ。大丈夫だから……ね、ナ、ナ、ナカトさん」
マリがどもりながらも、ナカトの名前を呼び、同意を求める。
「へっ? あ、ああ、大丈夫です。とりあえずシノと二人でここまでは無事にやってます」
二人の世界を作っていたマリに急に呼ばれたので、ナカトは一瞬焦りながらも返事をした。
「ナカトさんは主人公だから大丈夫。きっと私達ハーレムメンバーを助けてくれるよ」
「だから、ハーレムメンバーってなんなの!」
その言葉にレンコが切れるが、
「私も……ハーレムの……一員なんですね。……とりあえず、頑張ってみます」
「マリ!」
「い、いや、あのハーレムというのはシノが勝手に言っているだけで……そもそも、俺もシノとはさっき知り合ったばかりで、ハーレムとか無いから」
「がーん」
シノが口を開けて固まる。
「と、とりあえず魔法の練習をしてみよう。シノ、交差点の方面を警戒。マリさんは、僕と一緒に、あっち側を警戒。一度、魔法が使えるか試してみましょう」
「わかりました!」
「……はい」
マリは両手を小さく胸元で組み合わせ、何かを決意したように頷き、その両手を軽く打ち合わせ、前を向いた。
「あ、私は?」
その様子に慌ててレンコが一歩前に出る。
「レンコさんは……レンコさんって格闘技か何かをやってましたか?」
「格闘技? いえ、経験はないわ。体育教師なので、身体は動かすのは得意だけど、学生時代は陸上短距離たったし……」
「そうですか……一応、魔物が現れたら殴るか、蹴るかしてみてください」
「殴る? 蹴る?」
「はい……笑わないでくださいね」
「はぁ」
「レンコさんは……格闘家のようです」
そう告げた瞬間、レンコの目が更に疑わしそうにナカトを見るようになった。
「格闘家……ですか」
「はい」
「本気で言っているんですよね?」
「はい……すみません」
(俺のせいじゃないし!)
「わかりました……とりあえず、やってみます」
***
交差点方面をシノとレンコ、反対側、住宅街の奥へ向かう方面をナカトとマリが警戒する事になった。
「ナカ……トさん、魔法ってどうやって出せばいいんですか?」
マリが一生懸命、手のひらをグーパーしながら、ナカトに聞いてきた。
「ああ……えーと、水で攻撃するようなイメージを頭に浮かべて、水って言ってみて」
「はい……水……すみません、出ません」
「あれ?」
ナカトは首を傾げた。
(魔力があるし、スキルもあるから出るはずなんだけど……キーワードが違うのかな?)
「マリさん、手をこう……」
そう言いながらナカトが軽くマリの手に触れた瞬間、
『勇者のパーティに魔法使いが参加しました』
というメッセージが来た。
(あれ? ステータスは確認したけど、まだパーティに参加していなかった?)
どうやら、ナカトが対象者に触れる事で仲間と認められるらしい。思い返せば、レンコが仲間になった際も、暴れて郵便受けに当たっているのを取り押さえた時だった。なんとなく、世界の仕組みを理解し始めたナカトであったが、
「あ、あなた! 何でマリの手を握ってるの!」
背後からレンコの怒鳴り声に我に返る。
「え? あ、ああ、ごめん」
ナカトはマリの手を掴みっぱなしだった事に改めて気がついた。
「……いえ」
マリは顔を真赤にして下を向いてしまった。
そして、その状態で正面に向け、手を伸ばし、
「水」
そう呟いた。
その瞬間、伸ばした腕の10メートル先に水の固まりが生じ、地面に音を立てて落ちた。
「あ……出来た」
音にびっくりしてマリは前を向き、自分が起こした魔法による現象に驚いた。
「出来たね。よかった」
「……はい」
「マリ……本当に魔法が?」
「うん」
「レンコさん! 来ました!」
マリとレンコが見つめたったその時、交差点方面から1匹の猿が現れた。
「わ、わかった」
「ナカトさん! どうすれば?」
シノがナカトの指示を求める。
「1匹なら、レンコさんが殴るか蹴るかして!」
「え、マジで?」
「危なかったらシノが援護!」
「はい! レンコさん、覚悟を決めて!」
「覚悟って、そんな……わ、わ、来た! 来た! きゃー!!」
そう叫びながらレンコは思い切り猿に蹴りを入れた。
***
「こっちも来たぞ!」
「……は、はい」
レンコに指示をしているうちに、ナカトが警戒している方からも猿が2匹現れた。
「さっきの魔法だと水を掛けるだけになって、倒せないと思うから……もう少し、相手を倒せそうなすイメージで」
「は、はい」
猿がナカト達へ向かって走り始めた。
「え、ええと。水」
マリがそう唱えると両側の塀から細い水が何本も吹き出し、
「あ、やり過ぎました」
走ってきた猿をスライスしてしまった。
どうやら高圧の水で猿をスライスしたようだ。どういう仕組なのか、両側のブロック塀には傷が全く付いてない。
「うまくいったから問題無い」
「……はい。でも生き物を殺すみたいで、気持ち良いものでは無いですね」
「大丈夫。ほら、ああやって地面に染み込んじゃうんだ。あれは俺達の知っている生物じゃない」
「そうですね。まるでゲームみたいです」
自分の戦果に満足したのか、マリは頬を紅潮させ自分の手を見つめている。
「こっちもうまくいきました」
「ああ、横目で見てた」
先程、シノとレンコを襲ってきた猿は、レンコの蹴り一発で10メートルほど吹き飛び壁の染みとなっていた。
「レンコさん、言った通り格闘家だったでしょ」
「格闘家……悪くないわ」
レンコも納得したみたいだった。
***
その後、同じ場所で何度か戦闘を重ね、レンコとマリもレベルアップをした。
「どう? 強くなった気がする?」
「そうね。慣れただけかもしれないけど、今みたいな感じだったら、いくらでも行ける気がするわ」
「……私も、大丈夫です。まだまだいけます」
ナカトは自分の分も含めて、全員のステータスを改めて確認した。
『
名前:ナカト・タワ
レベル:3→8
職業:勇者
体力: 12→22
魔力:3→3/13
力: 13→31
速さ:6→11
魔法:2→7
守り:7→12
スキル:対人ステータス鑑定(Lv.1)、刀術(Lv.4→Lv.5)、初級雷撃(Lv.1→Lv.2)
』
『
名前:オクエ・シノ
レベル:5→8
職業:魔法使い
体力:13→15
魔力:40→29/56
力:8→10
速さ: 5→6
魔法: 43→61
守り: 4→4
スキル:初級炎撃(Lv.5)、初級空間圧縮(Lv.5)、初級腐食(Lv.5)、初級縮炎(Lv.3)
称号:勇者の護り人
』
『
名前:ハスコ・カワキタ→レンコ・カワキタ
レベル:1→3
職業:格闘家
体力:11→15
魔力:0
力:13→21
速さ: 12→16
魔法: 0
守り: 11→13
スキル:防御術(Lv.4)、格闘術(拳)(Lv.2)、格闘術(肘)(Lv.1)、格闘術(蹴)(Lv.4)、格闘術(膝)(Lv.1)、格闘術(頭)(Lv.1)、格闘術(関節)(Lv.1)、自然治癒(Lv.1)
称号:導師の卵
』
『
名前:マリ・クライ
レベル:1→3
職業:魔法使い
体力:5→9
魔力:9→6/15
力:2→4
速さ: 2→4
魔法: 11→17
守り: 3→4
スキル:初級水撃魔法(Lv.1)、初級土撃魔法(Lv.1)
』
(シノは成長幅が大きいな……もう、完全に俺より強いんじゃないか。……マリさんはシノさんと比べちゃうと、少し見劣りするな。同じ職業なのに。この差はなんなんだろう。レンコさんは名前が変わっているし……ん? 自然治癒なんていうスキルを覚えているお?)
『新しい魔法を認識しました。キーワードは次の通りです』
『初級水魔法:水』
『初級土魔法:土』
『特殊スキルを認識しました』
『自然治癒:出血性の傷の回復を行う』
(なんだ、自然治癒って特殊スキルっていう位置付けなのか?)
ナカトの元に全員のステータスを確認した事が起因しているのか、いくつかの情報がメッセージで届いた。
「マリさん」
「はい」
「もうひとつ、初級土魔法というのが使えるって教えたと思うんだけど……」
「はい……さきほど、土ってやってはみたのですが……」
「ああ、ごめん。キーワードはツチクレだった。次、やってみてくれるかな?」
「キーワードですか?」
「あ、呪文ね。呪文」
「はぁ」
そう言いつつ、マリは手を伸ばして、
「土」
と、唱えた。
マリの数メートル先の地面が盛り上がり、土の山が出来る。
「……できましたね」
「そうだね」
「ただ……土でどう倒せばいいのか……」
「うーん……埋めるのかな……そのうち、思いついたら使ってみるでいいか」
「はい……そうですね」
ナカトは、レンコの方を向いて、
「レンコさんには、自然治癒という力が身についたみたいです」
「身についた? だいたい、なんであなたにそんな事が解るの?」
「えーと……」
(そういえば、ステータス鑑定の話しをしていなかった)
ナカトは少し思案するも、職業に関する事でも無いため、言っても問題は無いだろうと、
「僕の能力の一つで、そういう事が解るんです」
「魔法みたいなもの?」
「そうですね。魔法みたいなものです」
「ふうん……」
先程から、レンコ以外は魔法が使えているため、なんとか、こんな適当な説明でも、レンコは納得したようだった。
「それで、自然治癒というのは、どういう力になるの?」
「出血性の傷が治るみたい……です」
「そう……それって、動物が本来持っている自然治癒とは違うものなんだろうか?」
「さぁ……?」
ナカトもメッセージ以上の情報は知らない。
レンコの質問に首を傾げるしかなかった。
「そうか……あ!」
レンコはそう言うと、太ももに貼り付けてあった大きなガーゼを剥がす。
「……治ってる」
レンコには、飼い犬に咬まれたといっていた傷があったはずなのだが、ガーゼが貼ってあった場所は、傷一つ無い健康そうな太ももが見えているだけだ。
「どのくらいの傷だったんです?」
ナカトも近づき、かがみ込んで、ガーゼが貼ってあった場所をじっくり見る。
「ジュリアの牙の形がはっきりと解る傷が何箇所もあったはず……な……の」
「どうしました?」
「ば、馬鹿! 近づきすぎ!」
「え、ああ。ごめん」
ナカトはそう言って立ち上がる。
傷跡が少しでも残っていないか、間近でじっくり観察をしていたのだが、よく考えると女性の股間付近に顔を寄せている変態野郎のようになっていた。
「大丈夫、気にしないで」
「私が気にする!」
レンコが真っ赤になって抗議をするが、ナカトは一旦それを放置。右手に巻かれたタオルを見せながら、
「僕の右手の傷も直せますかね?」
そうレンコに聞いた。
若い女性の股間に顔を近づけていたはずなのに、何の反応もみせないナカトに、レンコはため息を一つ付き、
「……どうやって?」
と、ナカトに聞き返す。
(スキルだからキーワードがあれば発動するのかな……特殊スキルってどういう……またか……)
ナカト宛にメッセージが届く。
『特殊スキルとは、本人の意識とは関係なく常時起動されるスキルになります。魔力の消費も無いため、大変オトクな能力になっております』
「はぁ?」
メッセージのトーンが突然、セールス口調な文章に変わっていたため、思わずナカトは声を出してしまった。
「なんだ、その言い方は! 失礼な!」
だが、それを自分への言葉だと勘違いしたレンコが怒りだしてしまった。
「あ、違う! 違う。そっちじゃない」
「そっちじゃない?」
「ああ……ちょっと説明が難しいんだけど、さっきの能力が解るという俺の力で確認したら、自然治癒は、ずっと動いている力みたいなので……」
「どういう事よ!?」
まだ怒りが収まっていないのか、レンコの口調が洗い。
「どういう事だろう? 俺も解らないし、とりあず、呪文を唱えてっていう訳じゃないようなので……一旦、様子見で」
「……そう」
納得がいっていないようだったが、首を傾げ真剣に考えようとしていたナカトの様子に、レンコもさすがに引き下がった。
その時、ナカトの背後からTシャツの裾をシノが引っ張っり始めた。
「何?」
ナカトは振り返り、シノに尋ねる。
「二人が仲良さそうで……ずるい」
「「はぁ?」」
シノの頬が、すねたように膨らんでいる。
マリは少しニヤニヤしながら、
「確かに」
「ちょっと、マリ! 何を言っているの」
「シノ? 今は、そういう場合じゃないんだが……」
顔を真赤にして反応するレンコとは対照的に、ナカトは冷静にシノに答える。
「とりあえず、全員の使える能力が解ってきた。魔法は撃てる回数に限界があるので、長期戦は難しいが、とりあえずこの先のスーパーまで行って、当面の食料調達を目指さないか?」
ナカトはそう言って、皆の顔を見る。
「そうね。明るいうちに行っておきたいわ」
「……わかりました」
「行きましょう、ナカトさん。私がついていれば大丈夫。後から出てきたキャラになんか負けませんよ」
「そ、そうか。……それじゃ、行くか」
「おー! ……って、ほら! マリもレンコも!」
「呼び捨て?」
「……やらなきゃ駄目ですか?」
なぜかノリノリなシノに促され、渋々とレンコとマリも手を挙げる。
「「おー」」
ナカトは呆れたようにため息をついてから、交差点方面へ足を進めた。
感想お待ちしております!
ステータスは後日まとめて見直すかもしれません。
ステータスは、パーティメンバーの中での力の差くらいで考えていただけると幸いです。