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(仮)異世界放浪記~勇者?魔王?なにそれ?おいしいの?~  作者: ai-emu
【第7章】年末年始のブラックな・・・・・
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【07‐07】生命宝珠の神事と国王様の戴冠式

12月28日。


僕の初めて?の愛弟子となるシスターアリスとシスターカトリシア。トモエちゃんの愛弟子のシスターアンドリカを、愛弟子制度によって聖女神殿に迎えた翌日。今日は午前と午後に、内容的には似たり寄ったりだが、対象年齢が違う2つの神事が執り行われる。

今日という日は、出産と子宝、天命と天寿を司る生命神『タウレクエス』の生誕日とされており、『子歴宝珠の神事』と『還暦宝珠の神事』を行う日でもある。そのため今日1日をかけて、産まれてきた子供の成長と誕生に感謝すると同時に、次の世代に引き継いだご老体に社会を支えてきた事に対し感謝を捧げる日とされている。

なおこの2つの神事を併せて、特に『生命宝珠の神事』と呼ばれている。


さて、今日執り行われる2つの神事。

1つ目は、午前中に執り行われる『子歴宝珠の神事』という神事について。

この神事は、今年1年間(昨年の12月28日~今年の12月27日を1年としている)に誕生したすべての子供に対し、無事1年間成長した事を祝福する神事である。


『子歴宝珠の神事』とは、所謂日本でいう『こどもの日』・・・・・、つまり、『端午の節句』みたいな事をする。

だが、同じ子供の成長を祝う行事でも、ここエジャプルスでは少し事情が違うようで・・・・。

まず、子供のいる世帯では、出産と子宝の神『タウレクエス』の神像(エジプト神話に伝わる家庭と出産を司る女神『タウエレト』と同じ、河馬の頭、獅子の脚、鰐の背と尾をもつ人間の容姿をしている)を、家の中の上座の位置に据えて祀る。

たいていの家ではこの位置に祭壇が造ってあり、世界神様とその年の年神様とともに、子供のいる家庭では1年を通して祀られている。なおこの神像は、子供の成長を害する厄災から子供を護ってくれると信じられています。

そのため、子供の数だけ祀る事になり、1体1体管轄している神殿から下賜されるもので、今日『子宝珠の神事』の際に神殿に参拝した親子に下賜される仕組みになっている。

そして、年を追うごとに、子供の成長に感謝しながら子供の名を刺繍した帯を神像に巻き付けていき、成人する15歳になった年の暮れに、ヴァンコック本神殿に奉納される。

この奉納された神像は、子供が成長して成人を迎えた年の『年神送りの神事』の際に、聖火にくべて15年間に憑いた厄災を浄化する事になっている。


各神殿では、所轄する地区(ここヴァンコック本神殿では、王都全域)でこの1年間に産まれた赤ちゃんが一堂に集められ、神々から祝福を受ける日となっています。

ちなみに、この『新年祝賀の祭祀』の間に産まれた子は、その年の年神様の御霊の一部を受け継いだ神の子として、身分の貴賤の関係なく大切に育てられます。その際産まれた子は、『神子』と呼ばれ、母親は『聖母』と呼ばれています。

実際、この10日間に産まれた赤ちゃんには、その年の年神様の加護が与えられているため、たいていの場合は、産まれた瞬間に親子ともに神殿の一角(僕が住んでいる聖女神殿の部屋の1つが住処になる)を与えられており、そこで13年間暮らす事になる。ちなみに職業と身分でいえば、序列第3位の『宿御霊の童子』となる。

そしてこの宿御霊の童子の中から、その年の年神に仕える神子『宿御霊の神子』が選定される事になる。


2つ目は、午後に執り行われる『還暦宝珠の神事』という神事。

こちらの神事は、今年1年間(子歴宝珠の神事と同じ期間を1年としている)に還暦(60歳)を迎え、隠居生活を始める者たちに対し、健康長寿・天寿全うの祝福を与える神事である。

ちなみにこの還暦に年齢は、当然ながら種族によって異なっている。一番寿命に長い種族で6万歳、一番寿命が短い種族で15歳だったかな?

そしてこの世界では、身分の貴賤を問わず、還暦を迎えた年(60歳の誕生日から1年間)の年内中に、次の世代へすべての権力などを引き継いで、完全に引退する事が神託によって決まっている。なお、一部神託によって選定される神官職もこの規則に当てはまっているため、僕やトモエちゃんも、60歳(何か面白い称号があるので、寿命が純人族と同じとは限らないが)になると職業的にはともかく、神殿の身分としては次世代に引き継いで(神殿の経営からは)引退する事になる。

ちなみに引退した後は、元の身分に『名誉』という枕詞が付く事になる。


そして、今年の『還暦宝珠の神事』は、国王様が現役引退されて新国王にその位を譲った為、戴冠式もついでに兼ねている。


「ツゥアイライド王国第120代国王・クライトス=ツゥアイ=ライカスター5世及び、第1王妃・国母キャロル=ツゥアイ=アーチソン。及び、第2王妃シャルロット=ツゥアイ=アーチソン、第3王妃リタ=ツゥアイ=アーチソン前へ。」


聖女様専用の豪華な聖衣に身を包み、祭壇前に立つ僕の前に、教皇様から名を呼ばれた前国王夫妻が、豪華な盛装を身に纏って祭壇前まで歩いてくる。僕の傍らには聖女姫として仕事をする僕の助手として、愛弟子の2人・シスターアリスとシスターカトリシアが、助手として仕事をする際に与えられている少し豪華な修道服を着て立っている。この辺りは、僕の愛弟子になったため避けては通れない事柄になっている。

そう、今回の戴冠式、僕がその進行の一切を取り仕切っているのだ。

12月30日に行われる聖女姫襲名式を持って、正式に序列第1位『天聖』聖女姫の位に就く僕だが、実質的にはすでにこの位に就いており、与えられている仕事を行っている。国王の戴冠式も、僕に割り振られている仕事の1つというわけだ。


僕の前(神の御前)で跪く国王夫妻を前に、事前にアメンラウド神からもらった祝詞を読み上げた後に、現王専用の王冠と王妃専用のティアラをそれぞれの頭から外し、シスターアリスの持つ空のトレーに置く。その後、シスターカトリシアの持つトレーから、引退した国王夫妻が被る冠をそれぞれの頭にのせていく。


「王太子・リードレッド=ツゥアイ=アーチソン改め、ツゥアイライド王国第121代新国王・クライトス=ツゥアイ=ライカスター6世及び、王太子改め国母シャルロット=ツゥアイ=アーチソン前へ。」


前国王夫妻が僕の前から退出した後、新国王になる現王太子夫妻が呼ばれる。ちなみにこの国の王位継承権は、基本的に満30歳未満の王族の中から直系の長子優先で割り振られていく。

つまり、国王の子供が時代の王になる事は基本的に困難であり、たいていの場合、孫もしくはひ孫に王位継承権が与えられている。これは、各貴族家でも同じ事がいえる。

理由としては、時代の王政がなるべく長く続くようにという事だ。これは、国王の座が60歳定年であることも同義である。

地球の王政みたいに、生涯国王で弔詞が後を継ぐとなると、王位を継ぐのが50歳超えてからという話になってくるからね。


それはいいとして、新国王の=ツゥアイ=ライカスター6世様は御年20歳、前国王の王孫となる。国母シャルロット=ツゥアイ=アーチソン様は18歳、元シンガーハット王国の第1王女で、3年前にこの国に嫁いできたらしい。そして現在は2児の母、お腹の中には3人目がいるみたい。

そうそう。僕とトモエちゃんも、『従欲』・『従順』・『従教』・『従護』・『慈愛』からなる五か条の御請願を誓ったため、昨日からアスカ君からの子種注入を解禁しております。つまり”いつできても”おかしくない身でありんす。

現在5人の奥様のいるアスカ君ですが、毎晩の運動会は毎回ぶっちぎりの優勝ですからね。奥様5人は、日付が変わる前に撃沈しています。


閑話休題。


僕の前(神の御前)で跪く新国王夫妻を前に、こちらも事前にアメンラウド神からもらった祝詞を読み上げた。その後、現王専用の王冠と王妃専用のティアラをそれぞれの頭に被せます。

その後、シスターアリスの持つトレーから2つの聖杯を取り、新国王夫妻の手渡す僕。祭壇に供えてある聖酒(神殿で醸造されたお神酒と僕が創った聖水を1:1で割ったモノ)を新国王夫妻の持つ聖杯にくべていく。

国王夫妻は、くべられた聖酒を儀礼に則って飲み干していく。

新国王は、シスターカトリシアの持つトレーから聖杯を取って僕に手渡すと、聖杯に聖酒をくべていく。

僕もくべられた聖酒を儀礼に則って飲み干していく。

この儀式は、神の名代として立つ僕から、新国王夫妻へ神々の加護を与える儀式であり、次代の王政が末永く続くようにとの願いが込められている。


「ここに、ツゥアイライド王国第121代新国王・クライトス=ツゥアイ=ライカスター6世及び、国母シャルロット=ツゥアイ=アーチソンの王政を開始する儀式を終える。

本日この時刻をもって、新国王の元ツゥアイライド王国の新たな歴史を開始する事を、我『天聖・アメンラウド大神殿ヴァンコック本神殿第9代世界神眷属聖女姫・イズモ=アメン=セントセレシア』ので布告し、主神アメンラウド及び、我を加護する神々からの祝福を与える。」


これで、新国王様の戴冠式が終了。引き続き本年度の『還暦宝珠の神事』を開始していく僕。

今年に限って言えば、なんかいろいろと重なるな~と、場違いな事をついつい考えてしまうのだった。

実際、国公の戴冠式と、神殿トップである聖女姫襲名式が重なった年は、過去において(世界的に見ても)例のない事みたいだ。

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