【07‐02】最高権力者になった僕
1年で最後となる連休を、レベリングに費やした僕たち一行。
明けて、12月25日からは、いよいよ『新年祝賀の祭祀』のため、10日間連続で様々な神事を執り行うため、神殿に籠る事になります。
そのほとんどの神事の進行は、『アメンラウド大神殿ヴァンコック本神殿第9代世界神眷属聖女姫襲名式』に襲名し、名実ともにここヴァンコック本神殿の最高権力者の称号である『天聖』の1人となる僕をはじめとした『五聖』が取り仕切る事になります。
ちなみに『天聖』とは、それぞれの神殿内で最も権威のある称号となり、最高権力者でもあります。
この『新年祝賀の祭祀』から新たに設けられた、序列第1位を示す称号でもあり、襲名するには各神殿の主神として祀られている神の神託及び加護を賜っている必要があります。
なお、加護を賜っているかどうかの判断は、『職業刻印板』にある称号欄で確認できるので、大きな混乱なく、偽装もできない仕組みになっています。
新しい職業ツリーに移行するのは、新年に入った1月1日からだが、各職業の就任及び改名(神の定めたルールに従い、新規の職業名に自動的に改名される)事態は、すでに神託のあった翌日から実行されている。
ただし、今までの職業ツリーとは全く違うカテゴリーに同名の職業名が存在する事から、移行した日から1ヶ月ほどは結構混乱が各地で起こっていたが、年末に入った現在では混乱も収束傾向にあるみたいだ。
閑話休題。
『天聖』に就任する条件は、改定された職業ツリーで男子神官職すべての最高職となった『教皇』の職を持つ者と、女性神官職の最高職である『聖女姫』、あとは、その年の年神から神託を受けて就任する『宿御霊の神子』の3人となります。
そして『五聖』とは、序列第2位となる10人(それぞれ男女2名ずつ)を纏めた総称です。そのため『五聖』には、それぞれの神職系職業の最高職を修めた男女各1名が就き、それぞれの系統に属する職業を束ねていく事になります。
また『天聖』・『五聖』それぞれの位は、当代で1人のみ襲名できるものであり、指定された職業がいない場合はその席は空席となります。基本的に生涯職となり、健康上の理由と(犯罪行為に手を染めたなどの)一身上の都合以外での退任はできません。
つまり僕は、死ぬまでこの神殿の最高権力者であり続けるという事です。
この新たな序列制度により、これまでは一番下だった序列第8位だった僕が、いきなり神殿のトップに君臨してしまう事になりました。
これにより、いろいろと難色を示した人たちも多数いたようだが、『神々の名を関する者たちを、自らの僕とする気概があるのなら、今までの序列制度を維持してもいい』と神託が下りたらしく・・・・。
最初のうちは、そういった気概に溢れた者たちがたくさんいたようだが、時間が経つとともに『神々の上に立つ』という意味を理解した者たちによって、その意見は徐々に萎んでいき封殺される事になった。
そして現在では、そういった気概の溢れる人物たちはメシア教から離脱して、新たな宗教を立ち上げてしまった。信教の自由は保障されているので、どんな宗教に入信しようとも構わないのだが、不特定多数に迷惑になるような行動はやめてほしいものだと思う。
というのも、地球に存在する、某宗教団体の過激派組織みたいな事をやらかした有力貴族がいたそうで。
その結果、いくつかの国では、大規模な粛清があったそうだ。
持論を展開する行為は、いくらやっても構わないと思う。言論の自由も保証されている世界だ。自らが行った言動の結果をその身に受け入れていれば、何をやっても構わないと僕は思っている。
しかし、その結果を他人に擦りつけたりする事は、いくら寛容な僕だって許さない。某宗教団体の過激派組織のように、『神の名において』等といった理由で大量殺人を行ったり、僕を苛めていた元クラスメイト達のように、集団の1人として、自らの意見を持たずに行動する者たちも、話の大小の違いはあれ同じだと思っている。
また、そういった事をしでかす人物や、息のかかった人物が国政を担っていると、その国とっても周囲の国にとっても、禄でもない未来が待っているだけだからね。
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=序列第1位=
各神殿における最高権力者であり、最高位である天聖の称号を持つ。なお聖女姫に関しては、不在期間があるため、その際は『験聖』を務める聖女が兼任する事になる。
就任できる職業『天聖』:教皇(全男性神官職の特殊最高職)・聖女姫(全女性神官職の特殊最高職)・宿御霊の神子(年神に仕える『宿御霊の童子』の特殊派生職)
=序列第2位=
それぞれの神職系職業の最高職を修めた男女各1名が就き、それぞれの系統に属する職業を束ねる。官聖(神官系統の最高位)・験聖(修道院系統の最高位)・舞聖(神舞系統の最高位)・魔聖(聖魔術師系統の最高位)・護聖(聖騎士系統の最高位)の5つの称号をそれぞれ襲名した人物は持つ。複数いる場合は、その中でふさわしい人物が就任。
就任できる職業『官聖』:枢機卿・姫巫女
就任できる職業『験聖』:聖人・聖女
就任できる職業『舞聖』:雅楽師・神楽姫
就任できる職業『魔聖』:聖賢者
就任できる職業『護聖』:聖騎士
=序列第3位=
神職系職業の最高職(特殊最高職を除く)へとジョブチェンジした者が、この序列へと昇格する。
=序列第4位=
第2次派生職から第3次派生職へとジョブチェンジした者が、この序列へと昇格する。
=序列第5位=
第1次派生職から第2次派生職へとジョブチェンジした者が、この序列へと昇格する。この序列に連なる職業からは、本格的な専門分野の修業へと移行していく。
=序列第6位=
神官系初期職である『僧侶』から、第1次派生職へとジョブチェンジした者が、この序列へと昇格する。
=序列第7位=
『出家誓願の神事』を受けた者の中で、神官系初期職である『僧侶』へとジョブチェンジをした者がこの序列に繰り上がる事になる。ここからが、本格的な神職への修業の入り口となり、様々派生していくに第1次職へとジョブチェンジするための修業の場でもある。
=序列第8位=
『出家誓願の神事』を受けずに、神殿内で暮らしている者たち。または、職業ツリー上において神殿関連職に就いていないが、出家をして神殿身分(『出家誓願の神事』を受けているかどうかは問わない)を持っている者たち。この場合は、元の身分が王侯貴族であっても、神殿身分上は序列第7位とし、元の権力や権益の一切を排斥する。
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この10日間で執り行われる、『新年祝賀の祭祀』関連の神事(簡単な内容込み)は次の通り。
また、関連神事ではないが、僕が正式に『アメンラウド大神殿ヴァンコック本神殿第9代世界神眷属聖女姫』に襲名する式典と関連行事(簡単な内容込み)も、この神事に合わせて同時に執り行われる事になっている。
12月25日
午前~午後 神殿内各地『大祓いの儀』・『迎飾設置の神事』
神事と名はついているが、所謂大掃除と新年に向けてのか雑付けを行う行事。
夕方 大聖堂『修練作務事納めの神事』
修練作務と呼ばれる、我ら神官すべての修行の一環でもある各種奉仕業務を、今年度は滞りなく終了した事を神に報告する神事。
夜 聖女神殿大広間『奉年修技』
名前は立派だが、所詮は神官のみで行われる大忘年会の事。
12月26日
午前 大聖堂『修道専技の神事』
第1次職が神官・修道士・修道女となる職業の神官すべてが参加する行事で、この1年間に培った技術を神前に奉納する行事。
午後 大聖堂『神楽専技の神事』
第1次職が禰宜・巫女となる職業の神官すべてが参加する行事で、この1年間に培った技術を神前に奉納する行事。
午前~午後 神殿外大広場『武闘専技の神事』
第1次職が魔術師・修験者となる職業の神官すべてが参加する行事で、この1年間に培った技術を神前に奉納する行事。疑似戦闘を行うため、神殿の外で行われる神事の1つ。
12月27日
午前 大聖堂『出家誓願の神事』
出家をした新しく神殿に帰依する者たちを迎える神事。何か特殊な事情を抱えていない限り、王侯貴族の関係者が出家する際も、この日に限定される。
従欲・従順・従教・従護・慈愛の5つの制約を神に誓う事により、祝福を受けて聖衣となった修道服の袖を通す神事。
正午 大聖堂『宿御霊の神子襲名式』
宿御霊の童子の中から、年神の選定(神託)により選ばれる宿御霊の神子となるための神事。
午後 大聖堂『聖衣及び序列更改の神事』
神殿に務めているすべての神官が、それぞれの序列(職業)に応じて定められた聖衣(修道服)を賜り、新調する神事。
12月28日
午前 大聖堂『子歴宝珠の神事』
昨年度誕生したすべての子供に対し、無事1年間成長した事を祝福する神事。
午後 大聖堂『還暦宝珠の神事』
今年還暦(60歳)を迎え、隠居生活を始める者たちに対し、祝福を与える神事。
12月29日
午前 大聖堂~王都内年神神殿『年神送りの神事』
本年度の年神に対し、平穏を感謝してヴァンコック本神殿から本宮である年神神殿へとお帰りいただく神事。
午後 王都内年神神殿~大聖堂『年神迎えの神事』
来年度の年神に対し、平穏を祈願して本宮である年神神殿からヴァンコック本神殿へと迎えるための神事。
日没後 大聖堂『厄祓の神事』
厄災を祓い清め、封じてきた聖衣(修道服)を聖火にくべて浄化・無に帰す神事。
12月30日
午前 大聖堂『アメンラウド大神殿ヴァンコック本神殿第9代世界神眷属聖女姫襲名式』
僕が正式に聖女姫に就任するための式典。この式典後は、名実ともに聖女姫としての暮らしが始まる事になる。
昼 聖女神殿大広間『聖女姫襲名記念披露宴』
式典終了後に開かれる披露宴で、ダンスなしの立食パーティとなる。
日没後~翌日の出 大聖堂『晦日宿直の神事』
毎月末日は、日付が変わるまでの時間帯、神の守護が弱まって厄災が起こりやすくなる。それを防ぐ目的で、夜通し光を魔術で作り出して昼間のように活動を行う。
そのため、『新年祝賀の祭祀』関連の神事ではなく、毎月行われる定期神事の一環でもある。
深夜~翌早朝 大聖堂『年越祝儀の神事』
日付が変わる前後1時間の時間帯に行われる年越し神事。『新年祝賀の祭祀』関連の神事の中で一番重要な神事となる。
1月1日
日の出前後 大聖堂『御来初迎の神事』
初荷の出を祝い、1年間の安寧を祈願する神事。
午前~午後 大聖堂『新年祝賀の神事』
所謂初詣。某有名寺院が行う護摩焚きを、1日6回行う神事がメインとなる。なおこの神事は、3日間連続して行われる。
日没後 大聖堂『説法事始』
神の言葉を綴った神託聖書を使った説法を行う神事。10日に一度行われているものだが、本年度からは年明けの1日(聖女姫が担当する日)、10日(宿御霊の神子が担当する日)、20日(教皇が担当する日)と担当日が指定されている。なお、この日に新たな神託が下される事が多い。
日没後 聖女神殿大広間『年賀祝宴』
各国ににあるアメンラウド大神殿で順繰りで行われる各神殿最高職が一堂に集まって行われる祝宴。今年はわがヴァンコック本神殿で行われる事になっている。
1月2日
午前~午後 大聖堂『新年祝賀の神事』
日没後 王宮内『年賀御参賀』
新年の謁見及び王宮主催の年賀パーティ。王家からの招待状が届いた者は、強制参加が義務付けれれている、王の威厳を示すパーティでもある。
神殿以外の主催パーティでは、僕(トモエちゃん・アスカ君)が初めて参加する公式行事でもある。当然ながら、ダンスも行われる貴族様のセレブパーティである。
1月3日
午前~午後 大聖堂『新年祝賀の神事』
日没後 聖女神殿大広間『祝年披露宴』
この日のパーティは、僕がパーティ主催者となっておもてなしをする日でもある。したがって、パーティの参加者やパーティ形式といったことは、すべて僕の一存で決まってしまう。そのため、初開催となる今回に限り、特別な意味合いを持っているパーティでもある。
1月4日
午前~午後 神殿~王都~神殿『清祓巡行の神事』
街を1日かけて王都中を練り歩く神事。毎月4日・14日・24日に行われれる定期神事の1つ。
聖衣となる(神事用の)修道服を身に纏った『天聖』の3人をメインとした行列が練り歩く事により、王都中に満ちた穢れを祓い清めていく。
1月5日
午前 大聖堂『修練作務事初めの神事』
修練作務と呼ばれる、我ら神官すべての修行の一環でもある各種奉仕業務を、きゅより開始すると神に報告する神事。
午前~午後 神殿内各所『迎飾置換の神事』
正月用の飾りつけから、普段の飾りつけへと変更していく神事。これにより、新年祝賀の神事関連の行事はすべて終了する。




