【04-04】パーティメンバーの募集依頼
固有能力『習得技能スキル操作』を使って、『鑑定眼』・『脳内地図作成』・空間魔法の『転移』の下位互換スキル『目利き』・『踏破地図』・『視認転移』をアスカ君とトモエちゃんに付与した5日後。
それまで僕たち3人は、付与したスキルのレベル上げをしたり、この町の位置固定型転移門を登録したり、職業刻印板を作成しに転職神殿へと向かったりしていました。
ちなみに、作成した3人の職業刻印板はこうなっています。
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=身分証明証=
【名前】イズモ(既婚者)
【性別】女【年齢】15歳【種族】純人族(異世界転生者)
【生年月日】グレコニア歴1,018年4月1日
【現在の身分】神族【職業】聖女姫(序列第8位)
【加護】
世界神の加護・魔術神の加護・武術神の加護・快癒神の加護
技能神の加護・美術神の加護・生命神の加護
【魔力属性】
創生・創造・時空間・光
風・水・火・地
【発行日】グレコニア歴1,034年1月15日
【発行番号】1233-22-18872
【発行者】ツゥアイライド王国転職神殿メイルトル分神殿
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=身分証明証=
【名前】トモエ(既婚者)
【性別】女【年齢】15歳【種族】純人族(異世界転生者)
【生年月日】グレコニア歴1,018年12月20日
【現在の身分】平民【職業】魔法使い
【加護】
魔術神の加護・冥界神の加護・生命神の加護
【魔力属性】
時空間・風・水・火・地
【発行日】グレコニア歴1,034年1月15日
【発行番号】1233-22-18873
【発行者】ツゥアイライド王国転職神殿メイルトル分神殿
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=身分証明証=
【名前】アスカ(既婚者)
【性別】男【年齢】15歳【種族】狼人族(異世界転生者)
【生年月日】グレコニア歴1,018年12月20日
【現在の身分】平民【職業】拳闘士
【加護】
武術神の加護・冥界神の加護・生命神の加護
【魔力属性】
時空間・風・水
【発行日】グレコニア歴1,034年1月15日
【発行番号】1233-22-18874
【発行者】ツゥアイライド王国転職神殿メイルトル分神殿
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僕が視る事の出来るステータスと比べて情報が少ないが、これがこの世界の住民たちが知る事のできる”己のステータス”でもある。僕の鑑定が詳細すぎるだけだ。
さて、それはともかく、名前の後ろにしっかりと『既婚者』の文字がある。5年ほど前に作った職業刻印板にはなかった項目だ。どうも、結婚すると追加されるらしい。そういえば、ステータスを鑑定した時も、名前の後ろに『既婚者』としっかりと表示されていた。
なお、転職神官さんが使っていた習得技能名『職業刻印板作成(LV1)』と、『転職(LV1)』というスキルが複製・付与されました。どうも僕自身に使用されたスキルについては、自動的に複製・付与されるみたいです。
いい事なのか悪い事なのかは知りませんが・・・・。
まあ、スキルが増えていく事はいいことだと理解しておきましょう。
使いどころがないスキルも増えていきそうですが、自由に削除も出来るので別に構わないでしょう。そして、自動複製されるスキルは、『LV1』で付与されるみたいですね。
それはそうと、今僕たちがいる国家は、『ツゥアイライド王国』というらしい。そして、ここメイルトルは、一地方都市であって王都ではないらしい。
なので。
「アスカ君、トモエちゃん。この町は王都ではないみたいなので、この国の王都まで地上を旅してからシンガーハット王国に行きましょうか?」
僕がこう提案をすると、トモエちゃんが肯定の返事をしてきます。
「そうだね。せっかくだからツゥアイライド王国の王都は見学したいな。どうせ、目的があってないような旅だからね。この世界のことを知るには、寄り道大歓迎だよね!!」
王都方面のお仕事を探しに、早速冒険者ギルドに向かいます。
「なかなかないですね~~~。」
「そうだね。護衛依頼と、町周辺の討伐依頼ならたくさんあるけどね。」
「護衛依頼って、B-ランクじゃないといけられないよ。おれたちC-ランクだし・・・・。」
王都までのお使い依頼を探していたのだが、なかなか見つからないのが現状である。
この世界の基本は、位置固定型転移門で一発ジャンプだからね。ゲートの登録のための護衛依頼ならばたくさんあるのだが。そのため、盗賊さんたちは町の周辺での活動は多いが、町から離れた場所での活動はほとんどない。というか、護衛依頼を出している商人さんたちも、商品は後でポータルで運べるのでとっても身軽だ。そんなモノを待ち伏せするくらいなら、危険でも町周辺で活動したほうが見入りはいいだろう。
僕たちが最初にいたあの辺境地区では、そうではないらしいが。
一応、『宇宙の眼』には、すでに王都を捉えているので、転移を使えば跳ぶ事は可能だ。
「どうする?依頼を受けずに、王都まで跳んじゃう?僕なら可能だけど。それとも、少し裏技を使って護衛依頼を受ける?」
「ん~~~~。その裏技って、どんな感じなの?」
僕の裏技発言に、トモエちゃんがこう質問してくる。
「この世界にには、魔法が使える人材が足りないでしょ?」
「たしか、そんな話を前にイズモちゃんがしていたね。」
「そしてもう1つ。回復・治癒魔法が使える人材は、さらに少ないという現実が。
こんな理由から、冒険者パーティには、後衛職が弓だけという事が多い。これは、高ランクパーティにも、また騎士団なんかの軍隊にも言える事なんだけど。
ほら、依頼板の右端を視てごらん。」
僕は、依頼板の右端にある『パーティメンバー募集一覧』という場所を指さす。
そこには・・・・。
”戦闘魔法使い求む。属性は何でも可。・・・・連絡先:◯◯”
とか。
”神職の方(神殿に所属していない事)求む。・・・・連絡先:◯◯”
とか。
”水属性系の魔法が使いる方を募集しています。・・・・・連絡先:◯◯”
とかいったメンバー募集の張り紙がずらりと並んでいる。
募集しているパーティのランクも、上は『A+』から下は『D-』までとっても幅が広く、これだけ見ていると、どれだけ脳筋パーティがあるんだよとぼやきたくなってくる。
「・・・・本当に魔法使いって足らないんだね。」
「で、ここで問題です。
魔法使いや神職が足りない現状ですが、その2つとも所属している低ランクパーティがあります。そのパーティは、今現在王都に護衛依頼で行きたいらしいのですが、どうすれば護衛依頼を受ける事ができるでしょうか?
はい、アスカ君。答えをどうぞ。」
僕は、唯一の脳筋であるアスカ君に答えを振ってみる。
「はい!はい!こたえはここにいます!!」
元気にこう答えるアスカ君。見た目が幼女なため、とっても微笑ましく感じるのは、気のせいではないだろう。隣にいるトモエちゃんも、なんだがほっこりした顔を浮かべているのだから。
「正解。これも1つの提案だね。それとも、ここまで来たみたいに、魔導馬車で駆け抜けるのもいいね。」
そして僕は、3つ目の提案のついでに付け加える。
「魔導馬車の旅もいいんだけど、少し残金が心もとないから、何か依頼を受けたいな。何気に初めての依頼を、ここらへんで受けとかないとね。」
残金の心配から、依頼を受けてみようと提案するトモエちゃん。
あの時、盗賊さんからせしめたお金は、あまり残っていない。それでも1人頭、金貨換算で10枚くらいはあるが、依頼を受けなければ減っていくばかりだ。金銀財宝等はたくさん持っているが、現金がそれだけしかないのだ。
「そうだね、そろそろ成功報酬がほしいところだね。じゃあ、この中からパーティ募集を受けてみる?」
「それでいいんじゃない?人数が増えると分け前がそれだけ減るけど、背に腹は代えられないよね。」
総結論付けた僕たちは、たくさんある募集の中からどれにしようかと探し出す。募集メンバーに対して、”常駐”か”臨時”かが示されているが、僕たちの特異性を考えるに、”臨時”の募集がいいだろうと結論付ける。それと”常駐”だと、仮にウマが合わないメンバーがいると、楽しい旅路が楽しくなくなるのだ。
”臨時”ならば、その期間だけ我慢すればいいだけだしね。
さらに言うと、たぶんないだろうが、僕たちからいろいろと搾取していく連中だ。そういう連中は、あとでギルドにチクれば、調査の上制裁が加えられるのだが、それすら厭わない連中が中にはいると、シャーシャさんが話していたのを覚えている。
まあ、高ランクからの募集ならば、そこら辺は気にしないでもよさそうだが。
そんな僕たちを、遠巻きに見ている人たちがたくさんいる。
僕たちの今の服装は、メイド服を着たイヌ耳幼女(尻尾付)な男の娘。魔法使いの戦闘服を着こんだ、黒髪の女の子。修道服に身を包んだ回復・治癒の専門である銀髪の修道女。
メイド服はともかく、そんな僕らが、メンバー募集の張り紙を視ているのだ。どの張り紙をめくるのか、気が気ではないだろう。素知らぬ顔をしているが、僕たちをチラチラと見つめる体のいいお兄ちゃんやおっちゃんたち。それを苦笑しながらがみているのは、彼らのパーティメンバーらしき女性たち。
声をかけてこないのは、何かのルールでもあるのだろうか?
まあ、いいや。
「低ランクはちょっと危険だから、高ランクの募集から選ぼうよ。」
「それでいいと思うよ。やっぱりランクが低いと、いろいろな意味で危険だからね。ここは確実性を求めていこう。」
そんな事を僕とトモエちゃんが話していると、後ろで聞き耳を立てていた人たちの半数がなぜか項垂れていた。そんな様子を何気に見ていたのか、アスカ君が僕に聞いてくる。
「あの人たちは何で項垂れているのかな?」
「きっとロリコンだったんだよ。僕は背が低いし、アスカ君は幼女だしね。」
何でそうなったのか解っているので、適当な理由をでっちあげる僕。アスカ君の、本当の理由は解っているのか、僕の言葉を聞いて裏では黒い笑みを浮かべながら、表では屈託のない笑顔で彼らに微笑んだ。
「それはいいとして、これなんかどう?」
そんな会話をしながら僕は、『パーティメンバー募集一覧』のボードの上の方に貼ってある紙を引っぺがす。背伸びしても足りない場所に貼って悪化紙を、僕は浮遊の魔法を使って剥がした。それを見ていた後ろの皆さんは、少し驚愕した顔つきになっていたみたいだ。振り向かなくても、僕には視えるからね。
「ん~~~~。内容的にいいね、これ。この人たちは、私たちには足らないモノを持っているしね。」
「俺にも該当する物件だな。前で戦えるんならば、俺は何でもいいぞ。」
僕が引っぺがした紙を見ながら、2人はこんなことを話してくる。
「じゃあ、これで行きましょうか。」
僕たちは、引っぺがした紙を受付のお姉さんに手渡した。




