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(仮)異世界放浪記~勇者?魔王?なにそれ?おいしいの?~  作者: ai-emu
【第3章】イズモとトモエとアスカの事情
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【03-11】転生召喚された勇者2人の活動報告(その2)

さて、勇者として召喚された俺だが、職業刻印板ジョブカードを作った際の職業は『初心者ビギナー』だった。これはたぶん、転生したことが大きく影響しているはずだが、この世界でははじめは全員『初心者ビギナー』なので、深く考えるのはやめにしている。文献を漁ってみても、歴代勇者(記録にあるものだけ)も、全員が『初心者ビギナー』からの出発だった。

なので、職業をランクアップしていき、いつかは本当の『勇者』の職を得たいと思っている。

そして、職業『勇者』に至るまでの方法は、過去の勇者たちによって確立されているので、それに倣っていきたいと思っている。


しかし、俺はまだ城を出るつもりはない。というか、いまだに騎士団長はおろか、各部隊長クラスにすらすら勝てないのだ。このままでは、城の外に出ても詰んでしまっている状態である。

せめて、俺は騎士団長に肉薄するまでは、騎士団の中で揉まれたいと思っている。そう思えたのは、相方であるイナバが、すでにこの国の魔術師団長をいい勝負をしているからだ。

相棒であるイナバは、魔術騎士団のメンツに何とか勝てるまで成長している。

で、一番の問題は、俺とイナバは、生物を殺した事がないという事だ。

通過儀礼として、何時かはやらないといけないんだろうが、その時にどんな反応が出るのかが、今のところ目下の心配事である。

勇者として、この世界で生きていくのならば、この生物を殺す事(通過儀礼)は、嫌でも受けないといけない既成事実の1つでもある。


二人の元クラスメイトを、どん底になるまでイジメていたのは黒歴史の1つ(いい思い出)だ。

あの時は権力を使って、街中の人間を総動員したっけな。2人の過程をめちゃくちゃにしてみたり、奴隷のように扱ってみたり・・・・。

その時でも殺すところまではやらなかった。殺す1歩手前まではやっていたかもしれないが。

最後には自殺してしまい、あのような結果(社会的制裁を受ける)になってしまったが・・・・。

2人が自殺した時(あの映像を視た時)、2人が包丁を両手に握りしめ、それぞれの心臓に突き刺したあの瞬間の事は、今でもはっきりと覚えている。


まだまだ時間がある問題なので、今は置いておくとして。


調べたところによると、勇者の職を得るには最短でも5年くらいかかり、複数の条件を満たさないといけないみたいだ。

その条件というのが、

(1)召喚した国家の王族と姻戚関係になる事

(2)世界を旅し、様々な国家・人種と交流をする事

(3)交流した人脈の中から、魔王戦を共に闘う仲間を見つける事

(4)パーティメンバーは10人までとし、それぞれの生まれの国籍および職業が違う事(仮のパーティメンバーならばこの限りではない)

(5)世界中に散らばるすべての聖地を巡礼し、祀られている神から加護を授かる事

(6)10大ダンジョンの隠しダンジョンを攻略し、聖武器・聖武具をすべて揃える事

というものだ。


(1)の条件については、ティリアを嫁に迎えた事ですでに満たしているが、ほかの条件についてはこれからである。


(2)と(3)の条件については、そもそも世界中を旅する予定がある俺たちにとっては、当たり前の事だと思っている。


これと付随して(4)の条件が少し厳しい。この条件があるため、ここクランダル神皇王国で仲間を募る事ができないのだ。

現在決まっている枠は、この3つ。

①俺事剣士(将来的には勇者)

②魔法使い事イナバ(将来的には賢者まで上げる予定らしい)

③姫巫女の職を持つティリア、つまり支援職(魔法での支援)

で、最低限、①斥候役②回復役③飛び道具役④楯役⑤荷物持ち(物資補給)は必要になる。残りはその都度考えよう。


(5)の聖地巡礼だが。

そもそも、今この世界にどれだけの聖地があるのかも解っていない。聖地の情報については、有名な場所だけでも10か所を超えている。その10か所は、すべて何処かの国の王都だとかにある聖地だ。当然だが、人里離れた秘境の奥地にも聖地はあると見ておいたほうがいい。そういった場所の情報は、ほとんどないのが現状だ。旅の途中にでも、噂を集めていかないといけないなと、今から3人で悩んでいる。


(6)異世界で有名なダンジョン攻略である。

10大ダンジョンとは、階層数が100層を超えているダンジョンの事であり、当然だが世界中に散らばっている。その中の1つはなんと海中に出入り口があり、大潮の日しかその出入り口が姿を見せないというものだ。実はこのダンジョンは、ここクランダル神皇王国の辺境の海岸にあるので、俺たちの修行の最終確認地として攻略するつもりでいる。この時は、仮のパーティを組む予定だ。


さらに3か月が過ぎ去った。


まだまだ騎士団長には一度も勝ててはいないが、隊長格には半々の確率で勝てるようになってきた今日この頃。通常の兵なら半年足らずでこうはならないらしいのだが、これも勇者補正か何かがかかっているのだろう。俺の成長が、群を見張るものがあるらしい。


修行を続ける事さらに1ヶ月。


騎士団長から及第点をもらった俺は、2人と連れて冒険者ギルドの登録した。

ちなみに卒業試験は、騎士団監修の元盗賊団のアジトを襲撃して殲滅するというもの。つまり、人殺し(通過儀礼)を行うという内容だった。もちろん、イナバとティリアも参加している。これから全世界を巡る旅をする以上、避けては通れない問題だからだ。

1回目の人殺し(卒業試験)は、何も出来ずに不合格となる。3人ともいざ対峙すると、手足が震えてしまってその場から動くことも出来なかったのだ。騎士団の皆さんにアシストしてもらいながら、盗賊さんの胸に剣を突き刺した感触は今でも忘れる事ができない。地球であの2人をあそこまでイジメていたのに、この手で人の命を狩り取る恐怖を味わったのは、これが初めてかもしれない。

2回目は、心を無にして命の狩り取りを、何かの作業のように淡々とこなしていった。心を護るためにこのようなことを行ったのだが、何かが足りないといわれて3人ともに不合格をもらう。

3回目になって、その足りない何かを見出した結果、何とか及第点をもらった形だ。


閑話休題。


ダンジョンまでの道程は約1ヶ月。

依頼を受けながら進むので、倍以上の時間がかかるだろうと踏んでいる。この間に、何とか『C+』までランクを上げたいなと思っている。

ちなみに現在の3人のランクは、

S・A+・A・A-・B+・B・B-・C+・C・C-・D+・D・D-・Eの14階級に別れている中の『D+』ランクだ。ダンジョンへと潜るには、最低でも『C』以上ないと許可が下りないという話である。

そのため、冒険者となった俺たちは、指導をしてくれているAランクパーティの皆さんに引っ付いて、クランダル神皇王国の辺境の海岸にあるダンジョンへと向かいながら道中の依頼をこなして行っている。もちろん、現在組んでいるパーティの中では、俺たちは下っ端なので、荷物持ちを狩って出ている。これも体力作りの一環だと思えばいいだろう。この国には、魔法の袋と呼ばれる荷物運び専用の魔道具はない。それは、高ランクパーティでも同じで、皆必死に探しているのだがないモノを強請っても仕方がない。海を渡った大陸にはあるらしいのだが。


ここクランダル神皇王国は、北半球にあるノースアトランシア大陸の東の端っこに寄り添うようにある弓状列島の島嶼国だ。まるで日本みたいな位置取りの国家であるが、国土を構成している島々の位置取りも日本とほぼ変わらない。国土面積は日本の5倍以上はあるみたいだが(正確な地図がないので推測である)。

王都セント・アトゥムニクスは、日本でいうところの京都のあたりにある都市で、町の形状は昔の平安京のような条里制の町割りをしている。

で、現在俺たち一行が向かっているダンジョンは、王都から南に進んだ海岸地帯、日本でいうところの潮岬のあたりにある。


「そういえばお前たち、位置固定型転移門ポータルゲートには1つ大きな裏技がある。これは覚えておいたほうがいい裏技だぞ。」

「どんな裏技ですか?キミマロさん?」

現在、王都セント・アトゥムニクスから、1つ目の護衛依頼(護衛依頼は『B-』以上にならないと受ける事ができないが、このパーティのメンバーという体裁なので受ける事ができる)の最中だ。キミマロさんは、このパーティのリーダーをしている人だ。

位置固定型転移門ポータルゲートは、魔力登録をするから一度その場所までいかないといけない事は知っているよな?」

「はい。そのルールがあるため、ゲートの登録がなかなか進んでいないんですよね。」

「ああ、だから、より遠くのゲートまで行くには、そこまで行かないといけないから時間がかかる。だがな。今から教える裏技を使えば、結構簡単に遠くのゲートを登録する事ができる。」


キミマロさんから教えてもらった裏技。


それは『ランダム転移』と呼ばれているものだ。

いろいろと条件はあるが、(この国ではマイナーだが)大陸ではメジャーな存在でもある。

ランダム転移を行うには、次のような条件がある。

(1)直径約5m程の地面に描かれている複雑な魔法陣の中央で、転移する双方が密着している状態である事。密着していないと別の場所に転移される。

(2)転移後は、最低24時間以上の間を開けないと別の場所に転移できない(通常転移の場合は12時間となる)。

(3)転移先は、この世界にあるすべての位置固定型転移門ポータルゲートからランダムに選ばれるので、何処に転移するのかは全く解らない。つまり、狙った場所に転移する確率は極めてゼロに等しい。


こんな条件はあるが、とても便利な方法でもある。

この方法は100年ほど前に発見された方法であり、大陸にある国家では、国外追放処分になった者が選択できる刑罰の1つとなっている(この時、国内に転移た場合は、元いた場所に戻らなければ問題にはならないらしい)。つい10年ほど前、何処かの国の内乱で、このランダム転移を使って、数万人の国民がその国家から逃げ出したのは結構有名な話でもあるが、クランダル神皇王国にはあまり詳しくは伝わっていない。


この方法を聞いた俺たちは、ダンジョンを攻略したあとは、ランダム転移を使って世界のどこかに転移する話で落ち着いた。

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