【03-10】転生召喚された勇者2人の活動報告(その1)
俺とイナバが異世界エジャプルスに召喚?いや、転生してから約6ヶ月が経った。
俺とイナバは、まだ今の生活にはあまり慣れていない今日この頃だ。
俺とイナバを異世界エジャプルスに召喚したのは、クランダル神皇王国第4王女、ティリアネーゼ=アークネスト=クランダルという人物だ。どうもこの世界のどこかで魔王が出現したため、勇者として俺たちが召喚されたという話である。
所謂巷で有名な『勇者召喚』に、見事俺とイナバが選ばれたわけだが・・・・・。
俺たちがこの世界に来てから少し・・・・、というか大きく変化した部分がある。
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=身分証明証=
【名前】コウスケ=ハリマ
【性別】男【年齢】18歳【種族】混血人族(転生異人+鬼人族)
【生年月日】グレコニア歴1,015年6月10日
【現在の身分】平民【職業】初心者
【加護】
生命神の加護
【魔力属性】
光・地
【発行日】グレコニア歴1,033年6月10日
【発行番号】5540-55-31221
【発行者】クランダル神皇王国転職神殿セント・アトゥムニクス本神殿
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=身分証明証=
【名前】イナバ=ナガト
【性別】女【年齢】18歳【種族】混血人族(転生異人+妖狐族)
【生年月日】グレコニア歴1,015年6月10日
【現在の身分】平民【職業】初心者
【加護】
生命神の加護
【魔力属性】
風・水・火
【発行日】グレコニア歴1,033年6月10日
【発行番号】5540-55-31222
【発行者】クランダル神皇王国転職神殿セント・アトゥムニクス本神殿
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これがこの世界に来た時、能力を確認するために作った『職業刻印板』と呼ばれる身分証だ。この職業刻印板は、記念となるモノなので2人とも大事に保管してあるのだが・・・・。
いろいろと突っ込みたい部分はあるが、・・・・今は置いておこう。
そして、現在(昨日改めて発行をしてもらったモノ)はこうなっている。
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=身分証明証=
【名前】コウスケ=アークネスト=クランダル(既婚者)
【性別】男【年齢】18歳【種族】混血人族(転生異人+鬼人族)
【生年月日】グレコニア歴1,015年6月10日
【現在の身分】名誉公爵【職業】剣士
【加護】
生命神の加護
【魔力属性】
光・地
【発行日】グレコニア歴1,034年1月10日
【発行番号】5540-55-31221―1
【発行者】クランダル神皇王国転職神殿セント・アトゥムニクス本神殿
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=身分証明証=
【名前】イナバ=アークネスト=クランダル(既婚者)
【性別】女【年齢】18歳【種族】混血人族(転生異人+妖狐族)
【生年月日】グレコニア歴1,015年6月10日
【現在の身分】名誉公爵【職業】魔法使い
【加護】
生命神の加護
【魔力属性】
風・水・火
【発行日】グレコニア歴1,034年1月10日
【発行番号】5540-55-31222―1
【発行者】クランダル神皇王国転職神殿セント・アトゥムニクス本神殿
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まずは、俺とイナバの名前が変わった。
これは、この国の第4王女、ティリアネーゼ=アークネスト=クランダル様と結婚をした事により、『名誉公爵』の爵位を賜った結果だ。一応俺が、『アークネスト=クランダル公爵家』に婿入りした形になっており、イナバは第2夫人という立場になっている。
最初にこの職業刻印板を見た時、俺は『光属性来た!!』と喜んだ。だって、勇者と言ったら光でしょ?空間属性がないのは痛かったが、それでも光属性である。
しかし、大きな落とし穴が存在していたのだ。
それは、俺には体質が原因で、魔法の使用はほとんどできない。ほとんどといっているのは、攻撃魔法が使用できないからである。生活に密着した系統である『生活魔法』の使用は問題なくできているのだ。
ただ、この考えが”間違い”だったと知るのは、ずいぶん後のことになるのだが・・・・・。
まさか、この世界には、『詠唱魔法』・『精霊魔法』・『科学魔法』・『生活魔法』の4つの魔法形態があったとは、この時ティリアも含めたこの国の人たちすら知らなかったのだ。このことを知っているのは『賢者』の職に就いている中のほんの一握り者たちのみであったことも。
閑話休題。
ティリア(ティリアネーゼ第4王女の事)の話によると、この世界にいるすべての生命体(異世界人含む)は、すべからず自然界の存在する魔素の影響下にある。
体内に入り込んだ魔素は、一部はそのモノの遺伝子に刻まれた魔力属性に変化し、体内を循環する。変換しなかった魔素は、呼吸とともに体内から排出される。
よってこの世界での魔力とは、『呼吸によって取り込まれた魔素が、体内に吸収され蓄えられ、属性に変換された総量(吸収されなかった魔素は、呼吸とともに体外へ排出される)』となる。
そのため、本来ならばすべての種族が、何らかの魔法を使用する事が可能となるが、実際には一部のモノたちしか使用する事が出来ない。
それは、魔素から魔力属性へと変換する効率が個体毎にバラバラであるためである。これは、先天的な身体的特徴なため、訓練によって引き上げる事はできないのが現状である。
との事だ。
つまり、俺はその一部に入らないその他大勢という事になる。ティリアの話によると、この国で十全に魔法が使える(攻撃魔法が使用できる者)のは国民全体の1割前後であり、王侯貴族の中で魔法が使用できる者はいないという話だ。
まあ、俺たちの中では、イナバが魔法を使えるみたいなので、何とかなりそうだが・・・・。
魔法の事は、体質の問題ならば仕方がない。頑張って、剣の道を突き進もうと思っている。
し・か・し。
勇者と言ったら、チートなスキル満載がデフォルトなんじゃないのかな?と、俺は思うのだけど。
間違っていないよね、この考え。
それなのに。
俺たちには、そのチートなスキルが一切存在していないのは何故なんだ?
ゲームでおなじみの鑑定能力はないし、スキルをポイントで購入する?というモノもない。当然、自分のステータスや他人のステータスを視れる能力もない。これについては、一部は職業刻印板で確認はできるが、ジョブを変更するにはそれに対応したスキルが必要ときている。当然、そのスキルは持っていないし、どんなスキルを持っているのかも解らない。
文献を調べていっても、一部のスキルしか、この世界に存在しているスキルが解っていないときている。
そうそう。
俺とイナバは、最初からこの世界の言葉自体は話せていた。しかし、文字を読み書きする事はできなかったのだ。転生したから話す事が可能だったみたいだが、これが召喚だったら話すことも出来なかったというのが、過去の文献から判明している。
文字の勉強は大変だったが、今ではある程度は読み書きできるようになった。
文字の読み書きについて、特に大変だったのがイナバの方だった。
イナバは、現在使われている文字のほかに、魔術文字と呼ばれる文字も勉強しないといけなかったからだ。この魔術文字は、魔術書に出てくる文字で、現在の文字とは全く違った形態をしている文字でもある。どことなく日本語と似てはいたが、日本語とは違ったものだった。
あとは・・・・・そうそう、魔法だ。魔法というか、魔力属性の方だな。
この世界に存在する魔法属性の種類は、最上位属性の創生・創造と、基本属性の蘇生・時空間・重力・光・闇・風・水・火・地・錬金の12属性となる。
時空間属性・・・・・やはり存在はしていたんだな。
属性自体存在しているという事は、世界中にいる誰かがこの属性を持っていることになるわけだ。
しかし、職業刻印板にも表記されていたが、俺の属性は『光・地』の2つだが、体質が原因で魔法の使用はほとんどできない。イナバは魔法をっ使う事ができるが、持っている属性は『風・水・火』の3つだ。ちなみに、ティリアの属性は『闇・風・水』の3つを持っており、『姫巫女』という職を持っているので支援魔法(闇・風・水の属性の支援魔法のみ)が得意との事だ。
また、ティリアに聞いたところによると、ここクランダル神皇王国の国民の中には、時空間属性を持っているモノは存在していないらしい。
なので、俺たちは、転移魔法や収納魔法といった便利な魔法を使う事ができない。ただし、ここ世界には、この2つの魔法に代わるものが存在している。
1つ目は、移動魔法に代わるモノだ。
この世界には、ゲームでおなじみの『位置固定型転移門』と呼ばれているモノが、世界中の主要都市や集落に設置されている。この位置固定型転移門は、ずいぶんと昔から存在しているものらしく、この世界では当たり前のように受け入れられている。現在、全世界にどれだけの位置固定型転移門が存在しているのかは、誰も確認したことがないため知らないし、全位置固定型転移門を登録したという強者は、長命種族を含めて一切存在していない。そもそも国家ですら、一部国土面積が少ない国家を除き、その支配する領域内にどれだけ位置固定型転移門が存在しているのかも把握できていないのだ。
この位置固定型転移門の使用にはいくつか条件があり、一番大きな条件が『魔力登録した位置固定型転移門同士しか相互に利用する事ができない』というものだ。つまり、魔力登録をするためには、一度設置されているポータルに足を運ばないといけないのだ。
まだまだたくさん利用条件があるが、今は割愛しておく。
そのため、俺たちの魔王討伐の旅の目的に、このポータルの魔力登録が加わっている。現在は、まだ力が足りないため護衛付きで、世話になっているここクランダル神皇王国にあるポータルの登録をしている最中である。とはいうものの、まだ王都にあるポータルと、周辺にあるポータルしか登録できていないが。
2つ目は、収納魔法である。
こちらについても、10年ほど前に代用品が登場している。しかし、この魔道具を作りだせる者はほとんどいない状態で、現在世界中で確認されている総量は約10,000個ほどらしい。また、誰が作っているのかも知られてなく、納品数や納品場所、納品時期もその都度異なるらしく、ほとんどは匿名でオークションに出品されているそうだ。
その中においても、その性能はピンキリらしく、俺が求めているモノは天文学的な金額がするそうだ。
そんな状態なため、オークションで出品された段階で、どんな性能のモノでも金貨単位で競り落とされているらしい。
この魔道具自体は、ここクランダル神皇王国には1つも存在していないのが現実である。現在、世界中に散らばる間諜などによって、情報及び可能ならば購入するように命じられているが、状況が状況なだけに、なかなかうまく事が進んでいないそうだ。
世界を旅するようになったら、俺もオークション会場には毎回行くように心がける事にしようと思っている。それまでは、重たい荷物を何とかして持ち運ばないといけないのだ。
できる事ならば、魔法が使用可能な時空間属性持ちを、パーティメンバーに加えたいとは思っているが、こればかりは相手がいる事なので、強権を発動させて取り込むことは不可能だろう。
強権発動をすれば、手痛い竹箆返しが待っている気がする。生前あの2人を、権力を駆使して街中の住民でイジメた時に、最後の最後に手痛い竹箆返しを受けてしまったのだ。
今回は、そんな最悪の竹箆返しは避けないといけないと思っている。




