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(仮)異世界放浪記~勇者?魔王?なにそれ?おいしいの?~  作者: ai-emu
【第3章】イズモとトモエとアスカの事情
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【03-08】村の位置固定型転移門

旅に必要なあれこれを購入した僕たち3人は、最後にこの村にある位置固定型転移門ポータルゲートに向かった。


位置固定型転移門ポータルゲートがある場所は、村の南門から100mくらい離れた場所にある東屋だ。東屋は、1辺が10m程の正八角形をした建物で、柱以外は腰までの壁しかない建物である。東屋が建っている場所は、人口の池に囲まれた小島で、島に至るのは2本の橋しかないのが特徴である。

位置固定型転移門ポータルゲート自体は、直径約5m程の地面に描かれている複雑な魔法陣で、魔法陣の上に乗る荷物ならば、人間種以外ならば一緒に運ぶ事が可能である。ただし、特例事項として、(行き先のゲートを特定しない)ランダム転移をする場合、双方が密着している状態ならば同じ場所に転移する事ができる。

何故生命体の中で、人間種だけ一緒に運ぶ事ができないのかは、この世に登場して以来の謎とされている。現在に至るまで解明されていない、この世界の7不思議の1つでもある。


「あれが、位置固定型転移門ポータルゲートがある建物だよ。ゲームの中にあるポータルと同じように、一度魔力を登録しないと使えないんだ。魔力が登録されているポータルならば、何処のポータルでも使う事ができるんだけどね。」

「個人個人の魔力を登録しないといけないの?」

「そういう事。これは、貴族だろと王族だろうと特例は存在していない。世界中にあるポータルを利用したければ、現地まで一度赴いて魔力を登録しないといけないからね。

登録数が多ければ、それだけでも仕事が増えるからね。

冒険者の中で、一か所に留まっている人はほとんどいないね。

世界中を旅している人たちは、ポータルを見たらとりあえず登録しておくのがステータスなんだよ。」

「そうなんだ。」


そう2人に伝えながら僕は、ゲートへと向かう行列に並んでいる。もちろん、位置固定型転移門ポータルゲートの知識は、固有能力ギフト『世界の理』から引っ張り出してきている。

そんな会話をしながらゲート付近まで来ると、守衛に声をかけられた。

「ようこそホレストン村の位置固定型転移門ポータルゲートへ。転移される方は金貨1枚を、魔力登録される方は銀貨1枚を用意してください。」

僕たちが、守衛さんに銀貨1枚ずつ渡して、ゲート本体の魔法陣の上に乗る。魔法陣の中心付近まで足を進めると、体内から魔力が吸われる感じがした。

これで、登録できたらしい。


魔法陣から出ると、守衛さんがカードを1枚手渡してきた。

「このカードは何ですか?」

トモエちゃんが不思議そうな顔で守衛さんに聞く。

「このカードは、『転移場所登録カード』というカードです。

このカードに血液を1滴つけると、魔力登録した位置固定型転移門ポータルゲートの情報が一覧で表示される仕組みになっています。情報は、登録場所が増える度に自動更新していきます。登録した本人しか情報を表示する事はできませんので、悪用の心配はありません。

紛失した際は、新たに最寄りのゲートで発行してください。その際は、過去に登録したすべての情報が表示されます。」

カードをもらった僕は、早速情報を表示させる。


◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇

=転移場所登録カード=

【登録者】イズモ

位置固定型転移門ポータルゲート登録情報】

ハンデンブリク第2ゲート(登録日:グレコニア歴1,018年8月1日)

チョハンデス村ゲート(登録日:グレコニア歴1,018年8月12日)

モスクタンク第3ゲート(登録日:グレコニア歴1,018年8月20日)

ハーブルプレス第1ゲート(登録日:グレコニア歴1,018年8月21日)

ヨーデルブルクゲート(登録日:グレコニア歴1,018年8月28日)

ボンクラウト第2ゲート(登録日:グレコニア歴1,018年9月3日)

ハーネルタングゲート(登録日:グレコニア歴1,018年9月10日)

パスティクス第1ゲート(登録日:グレコニア歴1,018年9月15日)

ベンリング第2ゲート(登録日:グレコニア歴1,018年9月23日)

ブリングリンゲート(登録日:グレコニア歴1,018年9月27日)

トロンベイル第1ゲート(登録日:グレコニア歴1,018年10月10日)

カイマート村ゲート(登録日:グレコニア歴1,018年10月15日)

プレアトリク郊外ゲート(登録日:グレコニア歴1,033年6月9日)

天空の聖域ゲート(登録日:グレコニア歴1,033年6月9日)

ホレストン村ゲート(登録日:グレコニア歴1,034年1月12日)

◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇


あの時の逃避行の際、僕はあの国にあった位置固定型転移門ポータルゲートをいくつか通り抜けていたらしい。これだけたくさんのゲートが登録されている事から、特例事項『(行き先のゲートを特定しない)ランダム転移をする場合、双方が密着している状態ならば同じ場所に転移する事ができる』を再断言に利用していたのだろう。僕の義理の母親だった、『シスター・イザベラ』という人物は。

その証拠に、ここに出てくる街は、1本のルート上にある町ではなく、世界中の大陸に存在している町なのだ。ランダム転移をしない限りありえない。

モスクタンク・・・・、ゲルマニウム帝国の帝都に跳んだ時は、町に入った翌日にすぐ次の街に跳んでいる事(転移事故防止のため、位置固定型転移門ポータルゲートの使用は最低限、24時間以上開けないといけない事になっている)からすごく焦った事が伝わる。

ん??

ハーブルプレスって、シンガーハット王国の王都だよね。(アメンラウドさんの手紙に書いてあったんですが)この町には、確かイズミちゃんがいたはずだ。


そんな事を考えていると、隣からトモエちゃんが話しかけてきた。


「イズモちゃん、ちょっといい?」

「なんですか?」

「私って、ここが初めて登録場所だよね?」

「僕はともかく、お二人はここが初めてのゲート登録地ですね。それがどうしたのですか?」

「私のカードにね。知らない地名の入ったゲートが、たくさん登録されているんだ。この世界にの事は、何も知らないから何処にあるのかも解らないんだけどね。

不思議だよね・・・・・。」

「ちょっと見せてください。」

僕は、トモエちゃんの言葉に、『えっ!!』とした顔つきになり、すぐさま確認をする。


登録日こそ今日の日付だが、登録されている場所は僕のカードと同じ場所だ。アスカ君にも確認したら、トモエちゃんと同じ事が起こっていた。

こんなことが普通に起こるのだろうか?

周囲の冒険者の会話を盗み聞きしていても、

『お前は、たくさん登録地があっていいよな。』とか、

『パーティ組んでいるのに、同じ場所に跳べないなんてね。何とかしてほしいな。』とかいう会話が聞こえてくる。

つまり、通常のパーティでは、登録地の共有はあり得ないという事である。

ではどうして、僕たち3人にはあり得ない事が起こったのだろうか?

僕は、自分が持っている固有能力ギフトの中に、可能性がありそうなのを思い出した。


◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇

固有能力ギフト名】聖者の極み

【発動形態】常時発動型

【解説】

世界神からの加護を授かると、自動的に習得するギフト。

職業レベルやスキルレベルの、レベルアップがしやすくなる。

物理・魔法・精神の各攻撃力・防御力を、このギフトを持っていないモノに比べ、約2倍~3倍(熟練度や経験値により異なる)にはね上げる。

パーティ間の連携をよくするためのスキルを自動的に習得する。

その効果は、パーティメンバーにも及ぶ。

【上位互換した魔法系スキル】

念術・パーティリンク・必要経験値半減・経験値共有

◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇


このギフトの中に存在するスキル『パーティリンク』だ。このスキルを鑑定して、なぜこんな事が起こったのかの確信を得た。


◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇

習得技能スキル名】パーティリンク

【発動形態】条件付き常時発動型

【解説】

固有能力ギフト『聖者の極み』を持っていないと、たとえスキル単体で所持していたとしても、このスキルを利用する事はできない『条件付き発動型スキル』の1つでもある。

パーティメンバー個人が持つスキルの中で、常時発動型の習得技能スキル(一部常時発動型の固有能力ギフトも含む)を共有し、相互に利用する事ができる。また、そのスキルによって得られた情報も、共有して相互で利用する事ができる。

◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇=◇


「ってことは、この現象が起きたのは、イズモちゃん様々だという事だね!!」

この事実を報告した時の、トモエちゃんの一言だ。僕もそう思う事を代弁してくれた。もちろん、周囲に人がいない宿屋の部屋の中での会話である。ほかの人に聞かれたらパニック間違いなしの展開だからだ。特に、位置固定型転移門ポータルゲート付近やギルド会館の中のでは、絶対にばれたくない者の1つでもある。


トモエちゃんもアスカ君も、僕と同じポータルを利用できる事で、これからの旅が断然楽になったことだけは確かだ。逃避行の際(あの時)シスター・イザベラ(義理の母親)が方法がなかったとはいえランダム転移で世界中に転移してくれたおかげで、この3人ならばどの大陸にも行く事ができる。その先からは街道を利用するしかないが、全世界放浪生活をしようとしている僕たちにしてみれば、これはこれでうれしい誤算でもある。


「とりあえず、位置固定型転移門ポータルゲートに登録されている場所ならばどこにでも行けるけど、何処に行きたい?それに合わせて、ギルドで配達依頼で儲けようかと思っているんだけど?」

僕がこう2人に聞くと、少し考えてからトモエちゃんがこう尋ねてくる。

「そういえば、イズモちゃんの相方だったイズミちゃんも、この世界に転移してきているんだよね。」

「相方ではありませんが、確かにこの世界に来ていますね。それが何か?」

「どうせ、行き先不明の放浪生活なんだから、イズミちゃんに会いに行くのもいいかなっと思って。」

「じゃあ、次の目的は、イズミちゃんに会いに行くって事でいいかな?」

「俺は、それでいいぞ。」

「私も。」

「じゃあ、次の目的地は、世界の中心『シンガーハット王国王都ハーブルプレス』に決定だね。」

次の目的地が決定したことにより、放浪の旅が本格的に始まりました。


翌日。


朝早く、ホレストン村を旅だった僕たちは、ポータルには行かずに南へと延びる街道をトコトコと歩いています。昨日、行き先を決定した後にギルドの依頼を覗いたのだが、ハーブルプレスに持っていく荷物がないとのこと。それならばと、転移できるポータルの数を増やそうと3人で決め、ここいら一体で一番大きな町である『メイルトル』に向かおうと決まったのである。

どうせ、目的地があったないような放浪生活だし、少しぐらいの寄り道はバッチコイな状況である。

ほんで、現在目指している場所は、ホレストン村から南に約500㎞くらい進んだ場所にあるクランバイブルという町に向かっている。この街は、『クリンケル大森林』の中に点在する開拓村を束ねている町で、この町の各城門から延びる街道が、それぞれの開拓村へと繋がっている。唯一例外が、僕たちが今歩いているこの街道で、大陸最大の山脈ヒマリアス山脈を貫き、南北アトランシア大陸を縦断している世界最長の大街道でもある。


そんな大街道を歩き奈良が、僕たち3人は和気藹々と会話を楽しんでいる。

「ホレストン村からクランバイブルまでは約500㎞。途中に3つの開拓村を通るから、普通に歩いていくと約1ヶ月の道程かな?」

「という事は、何か別の手段があると?」

「そういう事。」

僕はここまで話し終わると、ストレージの中に初期装備として入っていたとある魔道具を取り出しました。

そう、キャンピングカーのような形状をした魔導馬車『可動式簡易住宅セット』です。

やっと日の目を視る時が来ましたね。


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