プロローグ
私が通う学園には『王子』と称される7人の人物が居る。
その人物達は生徒会長様であったり学年主席であったり、はたまた地域一帯の不良を統括する番長殿であったりとそれはもう個性豊かな面々だ。
まぁ、その程度のスペックだけならば「えらーい」「すごーい」「こわーい」位の感想で終わるだろう。
だがしかし、思い出して欲しい。
彼らは『王子』と呼ばれているのだ。
「えらーい」「すごーい」「こわーい」の一言で済む程度の存在が、果たして『王子』だなんて呼ばれるだろうか?いや呼ばれない。そして『王子』と呼ばれる理由は至ってシンプル。
顔だ。
正統派・チャラ男・ショタ・強面・おっとり…タイプは違うが、全員が全員顔が良いのだ。きっとアイドルに対して「きゃー!王子ー!!」と言うのと同じ感覚なのだろう。"イケメンに対して王子と呼称を付ける"。これは全世界どの種族にとっても共通の文化なのだと私は思っている。
とても素敵で素晴らしい、イケメンの王子様達。
しかしながらどんなに完璧に見えても、実際には欠点の一つや二つ存在するらしい。
「…だから!さっきから言ってんだろ!?俺達の前世は乙女ゲーの攻略対象でその時のお前は悪役!それでもって今世のお前はギャルゲーの攻略対象なんだよ!!!!!」
王子様達は、超ド級の電波ちゃんだったようです。