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うっひょー!?ヘルプミー!

うはうはっ!

ストップ・ストップ・かなりストップ!


もちろん、口が動かない柚木にそんなことが言えるワケが無く・・・。


残念。である。



「ふぬ〜〜〜〜〜!?ふぬふぬふぬふぬ〜〜〜!!」


そんなことも、無視して、ティイズは続ける。


「ほぉっほぉ、ほぉっほぉ〜〜〜〜!(ちょっと、まった〜〜〜〜!)」


「・・・・・・・・・・・あん?何だよ。サンタクロースの真似か?」


全然ちが――――――――――――――――うッッッッッ!!


オマエ、あたしが拒否してんのに、気づかないのか――――――!

もちろん、気づくワケが無い。

チクショ――・・・。

なぜだかしらないが、柚木はティイズを恨む。

だが、今まで拒否するため、持ち上げていた腕が、がくんっ、と落ちた。


「・・・・・・っ・・」


ヤバイ。力が入らなくなった。

このままじゃ、まず、拒否できない。

さぁ、どうする?


「ふぅっ、体力回復!」


「えっ?お・・終わった?」


「あぁ、まぁ。つーか、これ以上食ったら、まず、5週間は食べないで生きていけるな」


もっと、食って5週間生きろ。


そうすれば、拒否することも無いしな。


「んじゃ、帰るぞ〜」


「うん。と言いたいんだけど、無理。力が入んない」


「そか、じゃあ」


「うん、じゃあね・・・・・・・・・・・・・・・・んじゃねーよッッ!!置いてくな!!」


「冗談冗談。ゴメンゴメン」


ティイズは、苦笑しながら言った。


「ほれ、後30秒で0:00だ」


「ホントだ。じゃあ、あと少しだね」


「おうよ」


その後。

二人は喋ることなく、30秒間を過ごしたのだ。


そして、30秒後。



ぽぉっ・・・・・



柚木の体を、淡い赤色で包まれた。


「ふわぁっ・・・」


「おぉ・・・」


二人は、始めてみる明るく綺麗な光に見とれた。


その瞬間。



ドバアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!



「ギャアアァアァァァァアァァァァァァアァァァァァアァアッッッッ!!!?」


二人を突然、さっきの赤とは違う、血色みたいな赤で包まれた。


「なななななななななななななななな・・・・・何――――――――――!!?」


柚木は叫んだ。

もちろん、叫ぶ他に、なにがあるのだろう。


「おぉっっ!」


「か ん ど う す る な ッ ッ ッ!」


柚木は、思いっきり、ティイズの腹を手刀で叩いた。


「むがおっ!?」


ティイズは意味不明な言葉を発し、倒れた。


「な・・・なにを・・・する・・・んだ・・・!?」


「ふんっ!知るか、んなこと!」


柚木は、倒れたティイズをもう一回、蹴っ飛ばした。


「おむおむっっっ!」


「はぁぁ?」


「い・・・・今の言葉がわからんのか!?」


「当たり前。あっ、ドア発見!んじゃ、先に帰るよ」


「ま・・・・・・・待て!おれを置いていくな!」


「んじゃ、連れてってあげる♪」


「・・・・・・・・・・・ぐはぁっ!?」


柚木は、ティイズの首を掴むと、ずるずると引っ張っていった。


「お・・・・・おいっ!くるじ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜・・・・・」


とうとう、ティイズは気を失った。


「あり?倒れちった。まぁいっか」


よくない。

はっきり言ってよくない。



「あの頃と、同じ」



柚木は薄く笑うと、ずるずると引っ張り、ドアに向かった。





「わ――――――――――――――――!!!?」


「ティイズぅ!?」


ミルイズとゼルーは涙目で駆け寄る。


「ゆ・・柚木、何したの!?」


「首、引っ張った」


「うひょ――――――――――!」


二人はすぐさま、ティイズをソファに寝かせる。


「ふぅ・・・・・・・・あれ?そーいや、アオリは?」


「さぁ?悪魔業じゃん?」


「ふ〜ん。まっ、いっか」




たららんっ たららんっ たららんっ たららんっ


たたたらんっ たたたらんっ たたたらんっ たたたらんっ


たららんっ たららんっ たららんっ たらら〜んっ



陽気なリズムが、柚木の携帯から鳴った。


「・・・・・・・・誰?」


たららんっ たららんっ たららんっ たららんっ


たららら〜んっ たららら〜んっ たららら〜んっ


たたらんっ たたらんっ たたらんっ たたらんっ


その間にも、音楽は鳴る。


「この曲、いいね〜」


ミルイズが眼を閉じてしあわせそうに言う。


「この曲、なんていうの?」


ゼルーもミルイズと同じ格好をして言う。


「これは、「ゆずりんのマーチ」っていうの」


「「ゆずりんのマーチ」?変わってるね」


「うん・・・・・・・・まあね、じゃなくて誰だ?」


柚木は携帯を手に取る。



――チャクシン・柚璃。



「はい?」


柚木はもう一度、携帯を見る。

いくら見ても、変わらない。

いやいやいや。

お兄ちゃんはもう、いないって。

なんで、着信が?


『あっ、もしもし?柚木?オレ、アオリ』


「オマエか―――――――――――――――――ッッッ!!」


『うわっ、なんだよ。何か問題でも?』


「大アリだよ、大アリ!」


『そうか?まぁいいや、はい。柚璃』


「えっ?」

 

『あ〜〜〜〜〜〜〜・・・・通じてる?』


ちょっと待て。


お兄ちゃんって死んでるよね?


ばっちり、見ましたよ。


『あ〜、元気か?』


オマエはどうなんだ。死んでるやつに、元気か?なんて聞かれたくない。


『オレは、まぁ、元気だ』


死んでんのに?


『いま、オレは・・・・・・・・・・・・・・ゲーム中さ。ファ○ナルファンタジー中』


さようなら。


プツッ。


柚木は電源を切った。


「オイッ!何すんだ!国際電話より高いんだぞ!」


アオリが天上から現れ、言う。


そりゃそうだ。


天と地上の電話なんて、本来ありえないんだから。


天地電話ってやつか?


「せっかく、柚璃と話せる機会だったのに!」


話せるなら、直接会わせろよ。


「そういうと、思ったので、連れてきました★」


「そっか、ありがとう。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?えっ?」


「だから、連れてきた」


『どーも、柚璃です。久しぶり、柚木』


「えっ?えっ?えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?」


その場は、一気に寒気に覆われた。

と思ったのは、柚木だけであったが。

ちょっと待て! in柚木

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