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黒歴史

素直になれない私

作者: クノン

私の名前は小野霞。

どこにでもいる中学校2年生。

部活動には入っていなくて、学校ではなぜか美人だって言われることがある。

そんな私は恋をしている。

相手は狛江海斗君…。

運動ができるわけでも何かに優れていることもない。

いつも、小説を読んでいる人。

そんな人を好きになったのにはちゃんとした理由がある。

昔、小学校3年生の頃、私はいじめにあっていた。

いじめといってもちょっとしたことで1ヶ月もせずいじめは終わった。

その時に彼と始めてであった。

私は公園で一人遊んでいた時、大事にしていたネックレスを取られてどこかに隠された。

私は夕方になるまで公園でネックレス探した。お母さんが誕生日プレゼントで買ってくれたおもちゃのネックレス。

今でも大切にしている物です。

やっとの思いで見つけたネックレスは木の高いとこに掛かっていた。

私は木を登ろうとするが、登ったこともなく、全然ネックレスにたどり着けなかった。

泣きそうになっている時、木の影に彼がいた。

「どうしたの?」

泣きそうになっている私を見ながら彼は言った。

「ぐず…。木の上にネックレスが乗っかっちゃって…ぐず」

涙を流しながら彼に伝えた。

「解った。静かにしていてね」

彼はなぜかネックレスのある場所から逆方向から登り始め。どんどん上に上がって行き。

ネックレスと同じ高さまで行って、木の逆側(ネックレスがある方)に回り手を伸ばして、ネックレスを掴んだ。

そして、ネックレスをしっかり握り彼は簡単に降りてきた。

「はぃ」

ネックレスを私に渡す。

「あ、ありがとう」

泣きながら私は答えた。

「えいとみーつけた」

その時、私の後ろから声がした。

「わぁ!」

驚いてそんな声を出したのは私。

「もぅ、えいとじゃなくて、狛江海斗だよ。かいと」

「どっちでも良いじゃん。ほら次、圭助が見つけるばんだぞ」

私はその場に取り残された。

彼はかくれんぼの最中だったみたいだった。

私は静かに帰ろうとした。

「あ、これからは気をつけてね」

彼、狛江君が私に笑顔で手を振った。

「うん」

私も手を振った。

これが彼との出会いだ。

そんなことだけで人を好きになるのだろうかっと考えると私も不思議です。

それでも、ふとしたとき、彼のことを考えます。


片思いのままでいた。中学校に入学した時。

中学校で彼と再び出会った。

向こうは何も覚えていないようだ。

ちょっと、嫌に思えた。3年間も私は思い続けていたのに…。

そして、1年間何のかかわりもなく、終わってしまった…。

「はぁ…」

2年の1学期中頃。

昼休み。隣のクラスの森ちゃんとご飯を食べてる時ため息がでた。

「もぅ、狛江君がそんなに好きなの?」

「うん…」

真っ赤な私は小さな声で答えた。

森ちゃんは狛江君関係の事を気軽に話せる唯一の友達。

「4年間も良く片思いで入れるね…」

「だって、好きになっちゃったもん…」

真っ赤な私が言う。

「運が悪かったね…。クラスが同じだったらね…」

「言わないで…。悲しくなるから…」

2年生になった時からずっと思っていることだ…。

1年生の時は狛江君のクラスと一番離れているクラスだったり、2年生で隣のクラスだったり…。

「同じクラスだったら色んな機会あるのにね…」

「そうだね…」

その時、

「そういや、大将」

狛江君の方で声が聞こえた。

いつも思うことがなぜ大将と呼ばれているかだ…。

「大将、小説をネットのコンクール出したのってどうなっただ?」

(小説なんて書いてるんだ…)

「あぁ、大賞もなにも取れなくてその他の作品に入ってたよ」

「『ありがとう』だっけ?共感できるような内容だったけどな」

(『ありがとう』…覚えておこう)

「暗いがな…」

「ははは」

「まぁ、遊び半分で出したもんだし、当然な結果だよ」

そんな会話を聞いた私に森ちゃんが

「聞いた?小説読んで、その会話ができるかもよ」

「でも…。読むの悪いんじゃ?っというより、小説どこにあるかしらないし…」

「言っていたサイト知ってるから大丈夫だよ」

そして、小説のサイトを教えてもらった。


その夜、勝手に見るのは悪い気がしたが小説を読んだ。

感想としては共感できるものがあった。

ありがとうの意味が大切に思えるような…。

でも…。暗い…。

(明るい作品を書けば良いのに…)

そう思いながら私は眠った。

(どうにかして狛江君とコンタクトを取れないだろうか…)

なんて考えながら。


それから数日後の放課後、私は勇気をだして手紙を狛江君下駄箱に入れた。

『お話があります。放課後、屋上にて待ってます』

っと書かれているのを見れば着てくれる…。

そう信じて。

次の日の放課後、屋上に行く。

夏に屋上で待つのは流石に熱かった…。

じっと待つ。


少しすると扉が開かれた。


そして、初恋の彼が屋上に現れる…。

「こんにちは」

平然を保っているつもりではあるが正直不安だった。

「こ、こんにちは」

彼は緊張気味に言った。

そして、後は告白をするだけである…。

だが、さっきまで心の中で何度もつぶやいていた言葉が思い出せない。

「あのね。私、君にお願いがあるの」

とっさに出た言葉がこんなものだった。

(いや、まだ、告白につなげれる…)

「君に明るい話を書いて欲しいの」

そんな気持ちと裏腹に出せた言葉はそんなもの。

言ってしまったからには後には戻れない。

(あぁ…どうしよう!?)

「え?」

狛江君も困っている。

「な、何言ってるの?話を書くって…?」

狛江君の反応は当然のものである。

「私、小説に興味があってね。たまに見てるんだ」

緊張するとどうしてこうなるのだろう。

彼の顔が赤くなる。

「で、でも、僕があの小説を書いたなんて…」

誰も知らないっといいたかったのだろうが先日の昼休みの事を思い出したのだろう。

「私ね。仲の良い友達が君のクラスにいるから、たまに君のクラスで食べてるんだ」

さりげなく、相手の疑問を答える。

「理由はわかったけどさ…。なんで、翼なの?小羽って人もいるんじゃないの?」

小羽って言葉に聞き覚えを感じたがそんなことを気にせず続ける。

「ううん。君じゃないとダメなの」

とっさの言葉で色々と違和感がある。

「どうして?別に作品を書くのは誰でも良いだろ?」

「誰でも良いわけなんかない!」

すこし私が怒鳴ってしまった…。

「あ、ごめんなさい…。でも、君の作品には共感できる部分があるの、それを明るい方に持っていけたら良い作品になると思うから…」

「でも、ごめん。自分でも明るい作品は書こうとしても自然と暗くなるんだ…」

「そう、君は自分のペースで書いてくれればいいから…」

「まぁ、がんばってみるよ」

狛江君が頭をかきながら言った。

「うん。応援してる」

自然と笑顔が作れた。

「それじゃ、僕はこれで」

狛江君は屋上から出ようとした。

「待って」

とっさに彼の腕をつかんで引き止めた。

「え?」

彼も驚いている。

正直な話、私も驚いている。

「あ、あの…。迷惑じゃなかったらでいいんだけど…。私と友達になろ…」

「え?」

(いきなり過ぎないかな…)

「よ、喜んで…」

その後、私達はメールアドレスや電話番号を交換し帰った。

(うぅ…。よかった。本当に)

手違いがありすぎたが結果的に狛江君とメールアドレスを交換したりできた。



「あれ、狛江君?」

私が図書室で本を読んでいると狛江君が来た。

「こんにちは。小野さんもよく読むんだ」

「えぇ、小説とか物語を読むのが好きなの」

(昨日のことがあったからなんだか話しづらい)

「だから、僕の小説とかも?」

「うん。そうよ」

「共感できる物語だってば。だから、難しい顔しないで」

狛江君は自分の小説の話をあまり好まない。

「そういや、なんで僕に明るい作品を書いて欲しいって言ったんだ?」

「え?えぇっと、それは…」

(か、考えて無かったよ)

心の中でなみだ目になる。

「いいよ。話したくないなら…」

「あ、うん」

(理由も考えないと…)


時たま狛江君と話すようになり幸せな時間が過ぎていく。

(このまま時間が過ぎていけば良いのにな…)


ある日、再び図書室であった

狛江君の言葉が聞きたくないものだった。

「もうすぐ書き終わるよ」

「え…」

驚いていた。

「は、早いんだね」

「まぁ、部活動もしてないからね」

「うまくいきそう?」

「うん。明日には完成すると思う…」

「それはよかった…」

(どうしよう…。つながりが無くなる…)

「小説できたら読ませてね…」

「もちろんだよ」

元気一杯のその笑顔がつらかった。

そして、狛江君はすぐに帰った。


狛江君からメールがきた。

書いた小説を添付されている。

それをじっくりと読んだ。

感想を書いたメールを送る。

『件名 ありがとう

とても、良い文章でした。私のわがままを聞いてくれてありがとう。

明日、渡したい物がありますのであってもらえませんか?』

(渡したい物があると言ってまた合う約束しちゃった…)

渡す物は決まっているが渡せるか自信がない…。

悩んでいても仕方がないのっと感じ始めて明日の準備をする。

(な、何を着ていこう…)


着ていく服を考えるのに1時間かかったのは余談である。


日曜日、狛江君との待ち合わせ場所に向った。

プレゼントを持って…。

「あ、狛江くん」

「小野さん、おはよう」

「おはよう」

私服姿の狛江君はいつもと違うように思えた。

「改めて、わがままを聞いてくれてありがとう」

「わがままって…。僕も書こうと思ってたし…」

「良い作品だったよ。コンクールに出していたら結果は変わっていたと思うよ…」

正直な気持ちを言った。

「変わらないよ。良い作品はもっとあるから…」

「私はそうは思わないよ」

「それは、ありがとう」

(ちょっと、大きな声で言っちゃったかな…)

言ってから後悔する。

「それで、がんばってくれた狛江君にこれを…」

(ちょっと、恥ずかしい…)

「え、うん」

渡したのは1本の花。

だけど、この花には私の気持ちがこもっている。

残念ながら育てたわけじゃないけど…。

「わ、私の気持ちだから…」

「あ、ありがとう。何て花なの?僕は全く知らないや…」

「ライラックって言うの…」

「へー、ありがとう」

「そ、それじゃ、私すこし用事あるから!」

恥ずかしくてその場から離れた…。

(気づいてくれて…ないよね…)

私が狛江君でも気づけないと思う。

ライラックの花言葉。

『初恋』

そう、私の気持ちを渡したのだ…。

(気づいてくれたら良いな…)

今でも持っているおもちゃのネックレスを大事に握って、彼のことを思う。

お気づきの方もたくさんいらっしゃるでしょうが、この物語は『繋がった物』の視点が変わった作品です。

いやー、5ヶ月前なんだな…。繋がった物を投稿したの…。

覚えてくれてるかな?心配です。

これで明るい作品を書こう第一弾の完成です。

感想、アドバイス募集してます。明るかったなど聞かせてもらいたいです。

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