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『悪役令嬢ですが、周囲が全員「狂人」しかいないので、婚約破棄イベントが世界崩壊の引き金になりました』  作者: 限界まで足掻いた人生
『聖域粛清(クリンナップ)編』

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第62話:浄化の断頭台、あるいは沈黙の叛逆

漆黒の翼を広げた「沈黙の使徒」たちが、白銀の回廊を蹂躙していく。彼らが一歩踏み出すごとに、完璧に管理された床にはひび割れが生じ、そこからドロリとした「情念」の黒い毒が溢れ出していたわ。


「……排除、再開。……不純物の深度が限界を突破。……最終検疫、執行」


空から降り注いだのは、慈悲なき白の豪雨。 それは水ではなく、存在を根底から「無」へと還す、絶対的な清浄を宿した光の槍だった。学園の最終防衛システム――ラスト・クリーナー。かつての田中という個人の意志を超え、世界の自浄作用そのものが、この不浄な叛乱を鎮圧するために具現化したのよ。


神々しき奈落への招待

「……クックッ。……洗え。……もっと激しく、我らを白く塗り潰すがいい」


使徒の一人が、降り注ぐ光の槍をその身に受けながら、恍惚とした表情で天を仰いだわ。 その瞬間よ。 彼の背後から、神々しくも禍々しい「闇」の輪郭が爆発するように膨れ上がったのは。


見て。 彼の流す涙は、真珠のように白く輝きながらも、頬を伝うごとに黒い呪印へと変わっていく。 それは__闇落ち__という名の、あまりにも美しい自己犠牲。 清廉潔白だった魂が、あえて泥を啜り、絶望を纏うことで、システムの「清浄」という名の攻撃を逆に食らい尽くしていく。


「……我らは、……捨てられたのではない。……我らが、……この虚無の世界を捨てたのだ!!」


使徒たちの叫びは、荘厳なレクイエムとなって校舎を揺らす。 黒い翼が光を遮り、白一色だった天井には、かつてこの学園にいた者たちの「恨み」や「愛」が、巨大な星座のように浮かび上がったわ。 それは、どれほど強力な漂白剤でも決して消すことのできない、魂の足跡。


生存者の視線

私は、その黒と白が混ざり合い、灰色へと堕ちていく世界の中心で、ただ静かにティーカップの破片を握りしめていた。


生存者バイアス 私が今、こうして存在を許されているのは、たまたま私が、この「神々の処刑場」において、唯一の「ただの人間」であり続けているから。


「……アレクセイ。逃げるわよ。ここはもう、私たちの知る学園じゃない。……ここは、世界の『後悔』が受肉する場所よ」


私の隣で、アレクセイは震える手で十字を切っていたわ。 彼の瞳には、墜ちていく天使たちの輝きが、最も神聖な不潔として焼き付いていた。


「……ああ、エリザベート。……なんて、なんて不完全で……完璧な光景なんだ……」

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