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悠馬はあまりにも橋立教官が好き過ぎるのだ。

さっきも教官の名を出す時、悠馬の顔が怖かった。

しかし、輪島貴美子の死に関わるかもしれないので

言うしかなかった。

それも貴美子の父が言うように、犯人は明らか警官な気がする。

服を剥がし顔と手を切り刻んでいた。

「まあ、違うか!さすがに殺しまではしないか?」

携帯に同期から連絡が次々入る。

皆、色々聞かれているのだろう。

戸惑っているようだ。

「黙ってた方が良かったかなあ〜」なんか申し訳ない気持ちになった。

産休中の子まで連絡が、あったようだ。

中に気になるメールもあった。

同部屋だった、澤井だ。

輪島と同じくらいサバサバ女子だったが、アプリから結婚出産と怒涛のように変貌した。

自分も輪島貴美子に会いたいと言われてたと。


電話が入った。ちょうど澤井だ。

「こんな夜に大丈夫?

明日でも電話しょうと思ってたんだ。」エレベーターから降りて寮の自室に入りながら、育児中の澤井に気づかう。

「いいよ〜全然寝てくれないし〜もう、今夜も完徹だよ!」本当に大変そうだ。

「あの子からメール来た時、40℃の高熱出してね〜

もうそれどころじゃ無かったのよ!

結局、救急隊来たから電話切られたし!」澤井はよほど溜まってるのか弾丸のように話す。

「そうかあ〜大変だったね。

お子さん、熱は大丈夫?」春が聞く。

「病院行ったけど、結局赤ん坊ってそういうもんだと言われて解熱剤だけ渡されて帰されたよ!

次の日は朝から元気なの!嘘みたい!

本当もういや!

仕事の方が良いよ〜」澤井がまくし立てた。

本当に大変そうだ。

「じゃあ、貴美子がなんで殺されたか?なんて分からないよね?」と電話を切ろうとすると、

「えーっと、近々ヤバい事が起こるから止めようとか何とか?言ってたような?

とにかく救急車の中だから、救急隊の人にも怒られるしそれどころじゃなかったのよ〜」遠くで赤ん坊の泣き声がする。

電話はブツと切れた。

「警察より大変そうだな…育児って」春は彼氏もいないが戦慄した。


朝、組対の部屋入ると上がる悠馬があくびしながら書類を書いていた。

「どう?あれから尋問されたんじゃない?」春が声を掛ける。

「ふん、俺は宿直入るまで埼玉の三井の新居祝い行ってたんだよ!どうやって、どこで貴美子会うんだよ?」悠馬がむくれる。

「残念だったな。三井夫婦にも裏取れたよ。

コイツは三井家のBBQパーティー行って4時に戸田公園駅まで送ってもらったそうだ。

そこからゆりかもめの最寄り駅の国際クルーズターミナル駅まで1時間半だ。無理だろ?」山本が携帯見ながら示す。

「ふ〜ん、そうか。アリバイあったのね?」春が残念そうに言う。

「残念だったなあ〜」悠馬が春の肩に手を置いた。

顔がニヤけてる。

「イヤだわ〜その顔!じゃ、誰が貴美子殺したのよ?」

「知らね!それは強行の仕事だろ?関係ないし!」

悠馬がプイッと椅子の背広を持って部屋を出た。

ポケットの小銭の音をチャラチャラさせながら、

廊下の自販機でコーヒーを買って階段を登って行った。

組対は最上階の食堂階なので独身寮は1つ上なのだ。


「それより今日から警察庁から係長としてエリート君が来るから

お前ちゃんとサポートしろよ!

俺は上がるからなあ〜」山本もヒラヒラ手を振りながら出て行った。

「え~っ、私なの?何かあったら、どうするの?

失礼があったら?」春が慌てる。

「知らねっ。部長からのお達しだ。」

山本も出て行ってしまった。

警察庁からの新しい係長は現場研修みたいな形で組対に来るらしい。とは聞いてた。

将来の警視総監候補だ。失礼があれば名前を覚えられて一生うだつが上がらない警察人生だ!

「え~っ、なんで私なのよ〜っ!」春は泣いた。


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