表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/62

45

竜星はニヤニヤが止まらない。

春の「行きます。泊まります。」と決心した表情がたまらない。

鉄処女アイアン・メイデンと呼ばれた春が、エロ話なるとゴミを見るような目で竜星と悠馬を見てたあの春が!

覚悟した顔が…可愛い!

「ういなぁ〜ういっ!」

竜星は小さい頃女顔のせいで、男にイタズラされそうになったり同級生にもちょっかいを掛けられてた。

私立の男子校で姫も嫌々やらされてた。

そんな時、通りかかった女性が同級生をぶっ飛ばし助けてくれたのだ。

「嫌なら断って良いんだ。無理して姫やらなくて良い!」と。

多感な時期のその出会いが、竜星の性癖を決定してしまった。

各ある省庁の中で警察庁に入ったのも、王子のようなヒロインに会いたかったからだ。

そして誰より強いヒロインに出会った。

その彼女が自分を頼ってくれたのだ。

命を掛けて使命を全うすると決めた。

苦難も多い。

いや、ほとんど苦難と絶望しか感じない仕事だ。

だが、今夜やっと苦労が実を結ぶ!


シャワーから出てきた春にはバスローブも用意しておいた。

小柄な春が着るとピ◯チューみたいだ。

「可愛い…」でも最強なのだ。


「ありがとうございました。こんな良い匂いのバスローブまでお借りしてしまって。」春がバスローブのフードで髪を拭く。

「ああ〜それじゃ髪が傷みますよ。」大理石の洗面台の前に座らせて濡れた髪にマッサージクリームを塗り込み

◯ファのドライヤーでゆっくり乾かす。

「あの…そんな事まで竜星さんにしていただくのは…あの…」春が萎縮している。

「させて下さい。これがすでに…なので。」言葉はあえて飲み込んだ。

春が鏡の中の自分と竜星を見ながら、覚悟を決めたように話す。

「あの…竜星さんにこの大事な時期にケガをさせたくないので…

私を縛って頂けないでしょうか?」春が真顔で後ろの竜星に両手を差し出す。

「…???」意味が分からず竜星が首を傾げる。


「会社の健診の任意の婦人科健診で医師に大怪我をさせて出禁になったんです。

自分では我慢してたつもりだったんですが…

気がついたら看護婦さんが脳しんとう起こして倒れていて、

医師は肋骨の骨を折る重傷で…内臓に刺さっていたら死んでいたと…」春が言いにくそうに話す。

「両手両足ガッチリ縛って下さい!

看護婦さんは頭突きで倒したみたいなんで、出来れば

頭も固定して下さい!」春が本気で真剣に頼む。


「………」竜星は言葉を失う。

「でも、でもキスとハグは大丈夫だったし…」竜星が何とか反論する。

「あれは何とか理性で歯止めが効いたんだと思います。

しかし、下は…」春が不安そうに顔を伏せる。

「医者がクスコ(内視鏡)を入れた瞬間に意識が飛んでしまって…気がついたら壁にクスコが突き刺さってました…すみません!」

春が申し訳なさそうに頭を下げた。


竜星は目眩に襲われると共に、春が怯えて震えていたのは怖かったからじゃなかったんだと悟る。

竜星にケガをさせないか?心配してくれていたのだ。

「縛って下さい!」春が両手を出す。

「ごめんなさい…イヤです。」竜星が断る。

何とか膝から崩れ落ちないように体勢を立て直して、春に背を向ける。

「僕はそういうの嫌いなんです。

嫌がる女性にするのを好きな男性もいると思うんですが、

僕は嫌いなんです。」竜星がそこだけは強く強調する。

いやいや男子校の姫をさせられ、先輩達に嫌だと言ってるのに

ハグや膝抱っことかさせられてた。

本当に嫌だった。

だから!

嫌がる女性に強制するようなのは、大嫌いなのだ!

悠馬と見てた動画でも、そういうのはサクサク削除していた。

もう、全然そんな気分じゃなくなるのだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ