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「起爆スイッチを持ってるなら、そんなに橋立さん離れてないかもなあ〜神奈川?静岡?
どこ居るんだろ?」悠馬は竜星の護衛だけなので暇なのか?
各セクションの捜査員と竜星が対策室で話してる間は、組対に戻ってゴロゴロしてる。
「マイ◯ラで本人に聞いてみたら?」山本は乗っ取られてる話を聞いてないので
悠馬に振る。
「もうさ、誰も来ないんだよ。
何か橋立さんらしくない暗号ばっかりで面白く無いから過疎ってんだよね〜
だいたい、建物の屋上に暗号あるの知ってる奴も少ないし。」
悠馬は自分のパソコンをカチカチ弄ってる。
山本が小声で聞く。
「そこに居た奴らって、やっぱりテロの加担者なのか?
なんか逮捕されてる様子も無いけど」小声で悠馬に聞く。
「ううん、俺が勝手に橋立さん消える前にやらせてただけだしな。
橋立教官に年賀状送ってる奴、全員にアドレス送っといたけど。」悠馬が昼ごはん後の爪楊枝を口にくわえたままどう森をやってる。
「おい、それスゴい数じゃね?」山本が驚く。
「うん、橋立さんマメだから600人くらいちゃんとパソコンに氏名住所携帯番号メルアド一覧あったから、一斉送信しといた、俺が♪」悠馬がヘラヘラ笑いながら言う。
「それじゃあ、誰が犯人なのか分かんないかあ〜
連絡ツールになんなかったなあ〜それじゃ」山本が苦笑した。
「それより、そっちの殺しはどうなの?」悠馬が聞く。
「娘は青海の護岸でヤラれて海に投げ込まれてた。
やっと血痕見つけた!
防犯カメラ2台しかないし、夜なんか全然映像悪くて分からんねえよ〜
父親は、会議で言ってた有明インターの下の整備遅れてる草ぼうの護岸に血痕あったよ。
それも血痕探すの大変だったあ〜」
山本が目をシボシボさせながらため息をつく。
「橋立さん追ってるチームに入れてもらえないかなあ〜?」悠馬がつまらなそうに言う。
「護衛つまんないのか?ん?」山本がチラッと斜め奥の春の机の方を見る。
春はいつもと変わらないようだが、この頃マスクをしてる。
花粉には早い気がするが、たまにメンタム塗り直したりしてる。
「アイツが保湿気にしてるのは、確かに珍しいよな。
いつもガサガサで平気なのに。」山本が気付く。
「ケッ!」悠馬が本当につまらなそうだ。
「?」イマイチ分からない山本は、不思議そうな顔をした。
対策室では竜星と数人が暗い顔をしている。
「すみません。晴海埠頭にスリップ跡が見つかりましたが、スゴい◯◯で…」なぜか伏せて話す。
「いや、そんな気はしてました。
なのでロボットとトラックの追跡は公安にお願いしました。」竜星も深刻そうな表情だ。
「晴海ターミナルはもう閉鎖してるんですよね?」竜星が聞く。
「はい、2年前に閉鎖してます。」
「では、より厳重に立ち入りが出来ないように封鎖して下さい。お願いします。」竜星が重い表情で頼んだ。