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「なんで私まで…」春は目のやり場に困る。
貸し切り風呂に服のまま、結局入る事に。
男2人は裸だし、何なら前も隠してくれない。
「これは明らかなセクハラですよ〜絶対、言いつけます!」春は目を伏せて文句を言う。
「風呂が1番危険なんだよ?
丸腰なんだから。
これからも僕が風呂の間は必ず2人も一緒だから。」
鼻歌を歌いながら風呂から上がり身体を洗い出す。
「ヒエ〜ッ!」春は悲鳴を上げる。
「クククッ」悠馬が声を噛み殺して笑う。
「まさか、春にこんな弱点あるとはな!
お前、男兄弟ばっかなのに、なんでダメなんだよ?」
面白がって悠馬もワザと春の前を通って洗い場へ。
「弟達は小さかったの!子供だったから平気だったけど、成人男性のは無理だって~!!」
春が怯えたように頭を抱えて丸くなる。
何を隠そう春は◯◯なのだ。
この年で問題かもしれないが、仕事に邁進し男だらけの世界で生きてきたからこそ!
男を異性として認識したことは無かったのだ。
多分、悠馬も竜星も春より経験値はずっと高い。
だからこそ、春の反応がどれだけ男性経験が浅いか?
分かって面白くて仕方ないのだ。
「ダメですよ〜このままじゃ尼僧になっちゃいますよ?
どうですか?僕で勉強しませんか?」竜星が優しく誘う。
「俺、上手いぞ!◯◯が良いらしい…」まだ悠馬が話してる途中で風呂桶が飛んできた。
カーンと良い音が響く。
「なんで、オレには命中させんだよ!
係長は外すくせに!」悠馬が頭を抑えながら文句を言う。
「竜星さんは上司なの!
アンタは同期!私の給料を決める人間には当てられないのよ!」春が顔を隠しながらも、ちゃんと見ているのだろう。
「キャ〜ッ、痴女よ!お巡りさん!助けて〜!」
竜星が面白がって悪乗りする。
カーンと良い音がダブルで響いた。
「いい加減にしろ!バカ者共!」春の怒鳴り声が響く。
風呂桶が2個同時に転がった。
風呂も食事も終わると春のパソコンには部長から指示が入っていた。
「明日は発電所に行くのか。市街地に向かう道路で2台とも車が通った形跡がないと。
発電所はもうSATが入ってるのに…見つからない?」
春はこめかみに手を当てて悩む。
発電所の見取り図を見ながら考える。
「車ごと隠れる場所なんてあるんだろうか?」
両耳に息が掛かる。
「ヒエ〜ッ!!!」また春が悲鳴を上げる。
「なんで私のパソコン見るのよ!自分達ので確認してよ!」両手で竜星と悠馬の顔面を押し戻す。
「大体なんで私の部屋に居るの?
自分の部屋戻ってよ!」ホテルのパジャマの胸元を隠す。
「えっ、だって送られてくる内容同じだろ?
一緒に見た方が早いじゃん?」悠馬が当然とばかりに
春のベッドであぐらをかく。
「僕もノーパソには、春と悠馬くんと同じもの送って貰ってます。
本部携帯で大事な話しはするし〜
あっ、寝る時はパンツの中なんで、春は欲しかったらめくって良いよ。
悠馬くんはダメ。
僕、男とは経験無いんで。」竜星は実はオチャメさんのようだ。
「いや!結構です!」春と悠馬は同時に断る。