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自己紹介
世の中には、「主役」と「脇役」がいる。
それは、性別のようにはっきりと分かれている。産まれたときから、死ぬまでずっと変わることはない。
その中でも、いくつかのランクがある。
私は、その最底辺。「主役」に認識されることはなく、「脇役」にさえ存在を感じられないこともある。
モブ、観察者、等々呼び方は様々だが、私達は、一貫して「傍観者」であリ続ける。
傍観者A、とでも呼んでもらおうか。
私達は、基本、感情が薄い。
腸が煮えくりかえるような怒り、死にたくなるほどの絶望、心の底が凍り付くような孤独、我を忘れて舞い踊るほどの喜び、理性を消す酩酊、命をも投げ打てる愛。
少なくとも私はそれらを体験したことはない。
これは、そんな私が「脇役」達から聞いた、いくつかの煩わし……面白い噺だ。
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