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魔眼賢者の異世界無双〜最強魔眼の力で全てを覆す  作者: 座闇 びゃく
第四章 Sランク冒険者編 

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Sランク冒険者3話 祝祭2 若い少女の気持ち

太陽が丁度真ん中に差し掛かったところ。

 何やら街の様子が騒がしい。

すれ違う人々の会話を盗み聞きし、城から国王リンネの姿が消えた、ということが分かった


「なんか、不気味ですね……」


「ん。本当に国王が居なくなったら一大事」


「所詮は噂話。あまり信用しすぎるのも良く無いぞ」


アクアとシルフィーの二人に言い放つカミトであったが、背中には冷や汗。

 なぜだろう、この噂は本当な気がする


「誘拐目的ならばローブかスキル系統で身を隠し、行動をするはずだよな」


「え、えぇ。急にどうしたんですか?」


「ん。カミトはいつも何考えているか分からない」


散々な言われようだが仕方無い。

 彼女ら俺の右目の秘密を知らないのだから。

魔眼を発動し、ステータス鑑定を常時展開させる


「これが噂で済めば良いんだが……世の中、そうは上手くいかないらしいな」


「あれ? カミトは何処に行ったんでしょう?」


「……僕も分からなかった。気配、感じられない」


左手側の路地を通りがかった時、ローブを被ってはいるが目的の人物である名前を視界に捉えた。

 それと同時。咄嗟に向こうに走り出そうと思ったが、寸前でブレーキを掛ける。


これでもリンネは一国の王。

 ここで騒ぎ立てると面倒なことになると思い、【気配切断】で慎重に行動することに決めた


「こんな所で一人何やっているんだ? リンーー」


「光よ塗り潰せ!ッ」


周囲に誰もいないことを確認し、歩み寄って行くと突然目の前に激しい光が視界を遮断した。

 ここで取り逃がせば向こうは警戒し、見つける難易度が高まる。


「厄介だな」


刹那、背後に殺気を感じ取った。

 背中越しまで近づくまで気配すら感じさせなかったのは、流石とでも言おうか。


 王族はその身を狙われることも少なくない。

もしもの時のため、護身用の武術は心得てる


「俺はカミトだ、別に攫いに来たわけじゃない」


「っ!?」


勢いよく飛んできたナイフをほんの少し頭をずらして避ける。

 そして、本命であろう彼女自身が放ってきた拳を指一本で止めた


「こんな所で何をしてるんだ? リンネ」


「……カミトじゃったか。突然現れたものだからてっきり暗殺者かと思うとてな」


そう言うと、彼女は撃ち込んだ手を元に戻した。

 とりあえず状況を聞かなければ。


「で、城を抜け出して何をしてるんだ?」


「……妾も祭りに参加したいのじゃが、どうにも家臣の者達が連れ出してくれなくてのぅ……」


「そうか……」


まるで子供みたいだな、と茶化そうとしたが口に出す寸前で言葉を飲み込む。

 今目の前にいるリンネはいつもの威厳を感じさなく、ただの少女に過ぎない。


「ま、折角抜けてきたんだ。俺と今日一日楽しまないか? 国王としてじゃない、一人の女の子として」


「……う、ん」


弱々しく言葉を発したリンネ。

 そこには何も着飾っていない、普通の少女がいた。




■□■□

リンネ視点



妾、いや私は幼い時から王族としてまるで宝石のように育てられた。


 それが悪いことだとは言わない。


 望む物は全て手に入ったし、勉強面に関しても国で一番の教師の下で教わることができた。

 しかし、そんな中で成長していけばいくほど、私の心には穴が広がっていばかり。


それはなぜか? 答えは単純。()()のことができなかったからだ。




「馬鹿みたい」


ある日、城の窓から街を眺めてた時、同い年の男女が何かの遊びをしていた。

 私はその様子をみて、心底見下していたのだ。


しかし、今思うとそれは違う。

 ただの嫉妬だった。

幼い頃の私は、外で泥だらけになりながらもふざけあっている子供達に嫉妬していたのだ。


この歳の女の子ならば友達を作って遊び、勉強をしたり恋をしたり。

 でも、私は普通の子供とはかけ離れている。

誰もが羨むであろう王族ながら、私は自由である同世代の子供達に憧れていたのだ。



そんな中、ある日突然父である元国王が倒れる。

 確か私が十二歳の頃だったかな。

原因は食事に塗られた毒、つまり暗殺されたのだ。いや、されただと語弊がある。

 

奇跡的に父は一命を取り留めたが、脳の障害が残ったため国王から一線を引いた。 

 この後、誰が次代の王となるか争われることとなるが母は父の件で精神病に。


 そして、この時幼いながらも王族の血を引く一人娘の私が国の王として選出された訳だ。


……今日はこのぐらいにしとこう。

 今は目の前にある幸せな一時を過ごしたい。




■□■□




現実に引き戻される。

 回想に浸っていた間、私達はたくさんの屋台を巡り食べて遊んでを繰り返していた。

 おかげで普段動かない分、身体の至る所で悲鳴をあげている。

 

「どうだリンネ、祭りってものはこんなに楽しいんだぞ」


空には太陽が姿を消した、代わりに月が出ている。

 初めて城から抜け出し、普通の少女として自由を謳歌した今日一日は人生で最高の時間だと言えた。


「これも貴方のお陰だよ」


「それは良かった」


聞きたいことは山ほどある筈なのに、私に一つも質問せずただ連れ回してくれた彼。

 このままずっと永遠に、君とこの時間を過ごしたい。


 空を見上げているカミトの横顔を間近で見つめる。唇を奪いたい。

 あぁ……私は今、恋をしているんだ。

そう自覚してしまった、いや、それ程までに今日一日過ごした時間が生きてきた中で一番の幸せだった。


「毎日執務や外渉追われる日々。私は自由に飢えていたのね」


「どうしんだ? 急に涙を流して」


「えっ?」


自分でも気付かない内に泣いていたようだ。

 視線を逸らし、崩れた顔を直して振り向こうとした瞬間。


「ヒュ〜ババンッ」


夜空に咲く花。

 次から次へと打ち上げられ、カミトとリンネは二人っきりで全てが終わるまで見届けた。


「さて、帰るとしようかな。私は一国の王。城には臣下達が探し回っているだろうし」


「少しは悩みが取れたようだ。俺も出来るだけ会いに行こう」


「ありがとう」


一拍わざと置き、再び口を開く


「イグリス王国、国王リンネ。妾は現時点を持って職務に戻るとするのじゃ」


「なら頑張れよ、国王様」


「今日のことは忘れない。胸はよく刻むとしようっ!」


いつもの威圧感あるリンネに戻り、この場を去ろうとするが……。

 何を思ったか、カミトの顔面を押さえて強引に自らの顔を近付ける。


「んっ」


暗闇の中、リンネは自らの唇を彼の口元に触れ合わせた。

 それはまるで恋人がするような、そんな濃いキスであった。


「えっ、?」


「では!」


辺りの闇の中へ消えるように姿を消すリンネ。

 カミトは自らに起こった出来事に、呆気を取られていた。



あの後、何事もないように城へ戻ってきたリンネは怒られながらも無事にことは収まった。

 いつの日か、彼女がカミト達と冒険する日が来るのかもしれない

リンネは果たして、仲間になるのでしょうか?

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