エルフの里18話 戦闘開始8 集合
クロロ視点
「グォォォォッッッッ!!」
「うむ……。一応やってみるかのぅ」
上空で羽ばたいている巨大な体に向けて、黒電球を放つ。
「グァンッ?」
「ぬ。面倒じゃな……」
「シュ〜」と当たった部分から肉の焦げた音が聞こえる。
が、直ぐに瘴気が舐めるように集まり、傷口を癒してしまった。
「グォッッッッォォ」
「何をッ!?」
尻尾を鞭代わりに飛ばして来た。
地面の入り込み、急いで避ける。
クロロが違う影から出てきた所を、払うように放たれる。
「バゴォンッ」
「グッ……、強いのぅ」
腹部を強打し、近くの家に叩きつけられた。
我が影から出てくる場所を把握出来ているのかのぅ。これは手強いぞぃ
「グォォォォッッッッッッッッッッッッ」
「あれは不味いのじゃッ」
モンスターの口元に、黒い瘴気が集まり出している。
キメラは目の前の狼とは別の方向に体を向けた。
そうはさせまいと、家の瓦礫を蹴飛ばしクロロごと空中に躍り出た。
「ブラックホールッ」
「グォォォォッッッッ!!」
「ゴォォォォ」
放たれる闇と吸収する闇。
撃たれた砲撃は、クロロが発動させた黒い球体により吸い込まれる。
うむ、なんとか間に合ったようじゃ
「あの方角には逃げ込んだエルフ達が、大勢いるからのぅ。ずる賢い獣もどきじゃな」
「グォォォォッッッッ!!」
クロロの挑発言葉に反応を見せたキメラ。
翼を激しく上下に羽ばたかせ、風の刃を飛ばして来た。
地面に足が着くと、再びブラックホールと唱え目の前に底闇のボールを出現させる。
「この魔法は、無闇やたらに周りを吸い込むから、普段の戦闘では使えぬのじゃが……」
刃を防ぐと共に、家の屋根やら木やらが荒れ狂う。
クロロの言った通り、この場はかなりカオスな状況である。
「……あまり使いすぎると、我がこの里を破壊してしまうわぃ」
「クロロさんッ!」
「ぬ? シルフィー殿かっ」
はぁはぁ、と息を荒げながらこちらへと向かって来たシルフィー。
その後ろには、アクアの姿が見える
「ん。久しぶりおじ様」
「う、うむ……。アクア殿もいらっしゃるのじゃな。して、経緯は後でとして今は我に手を貸してくれるかのぅ」
「もちろん。僕はそのために駆けつけた」
「アクア、先程の事もありますし無理はしないで下さいね?」
「ん。シルフィーありがとう。でも、今はあのモンスター」
三人は真上を向き、浮かんでいるキメラに視線を当てる。
アクアは一人、考える仕草をした
「あれだと近づけない。翼を切り落とす」
「うむ、そうなんじゃが……」
クロロは傷が治ることを二人に説明する。
「それは厄介ですね、私の弓矢じゃ通用しませんし……」
「ん。あれは?」
「突然何を言うのじゃーー」
瞬間。何十ものままゆい光の柱が、空から突然現れる。
雲を突き破り、そのままのスピードでモンスターの体中を穴だらけに。
これにはキメラも流石の再生力を持ってしても限界があるそうで、地面に激突する。
「グォォォォッッッッッッッッ」
「あれは、カミトですっ!」
「ん。そうなの。カミト、来てくれた?」
「して、主人の姿が見えぬが……」
そうこうしている内にも、体の再生は始まっている。
先に目の前の敵を倒そうと、探すのを諦め正面を向く。
「ん。あれは何?」
「え、わ、私も分かりません……」
「何がどうなっているのじゃ?」
墜落したキメラ。その周囲には、土の上から刺々しい植物が生えてきた。
それらは絡めるようにして、巨大な体を拘束していく。
「グォォォォッッッッ!?」
「ッチ、再生の方がまだ早いか」
「カミトッ!」
「ん。来たね」
「遅い登場じゃな、主人」
空中に浮きながら、三人へと近づいて来たカミト。
よく見ると、片腕が無い上に所々に血が付いている。
「話は後だ。とりあえず、俺が押さえている内に倒してくれ」
「分かったのじゃ」
「ん」
「はい!」
なんとか抜き出そうと鋭い爪で暴れ回るキメラ。
三人は一斉に魔法を発動し、トドメを刺そうとした。
「グォォォォッッッッッッッッォォォォッッッ」
「無駄な抵抗をッ」
モンスターは体を瘴気で包む。
更に一回り巨大化にし、無理矢理拘束を剥がした。
翼を素早く動かし、地上を離れ向かって来た魔法を回避する。
「ボスは第二形態まであるって、まんまゲームってか?」
「ん。でも、カミトがいたら勝てる」
「うむ。主人は我らのリーダーじゃ」
「そうですね! カミトがいたらあんなモンスターは余裕ですッ」
「グォォォォッッッッ」
激しい咆哮。
溜まった怒りを露わにするキメラ。
「あぁ、第二グラウンドへと行こうじゃないか」
投稿遅れて申し訳ありません
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