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魔眼賢者の異世界無双〜最強魔眼の力で全てを覆す  作者: 座闇 びゃく
第三章 エルフの里編

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エルフの里4話 家を作る!?

一触即発。空気が張り詰め出す。

カミトが腰の剣を抜き切った瞬間から戦闘は始まる。


「いや、今アクアと戦うのはよそう。ここで体力を使うのもあれだし、周りにいるみんながいるかな」


カミトにそう指摘され、ハッとなるアクア。


「配慮が足りなかった。ごめん」


「分かればいいんだ。人には誰でも間違いは起こすからな」


「ぬ? 主人も過ちをする時はあるのかのぅ……。

あ、ラッキースケベとかがそうじゃな」


「ん。おじさまそうなの? カミト、女の子下着見てくる……」


「誤解を解けクロロ……」


カミトが半端薄目でパートナーの狼を見つめる。

 クロロはここぞと言わんばかりの鼻歌を鳴らしながら、完全にシカトしていた。


「ん。カミト、変態」


「しないから……」


悪ノリだとは思うが、アクアがボソッと俺に向かって呟く。いや、変態は隣の狼さんの方です!

 





それからしばらく飛行した。

 空を見上げると、夕日無くなり夜を知らせる月が出て来ている。


「ここらで一旦今日の進捗を止めよう。あまり闇が暗くなる前に、一連の支度を行っちゃおうか」


「はい! では、私は夕食の準備を致しますね。

ヒーナ、フィーナ、手伝ってくれるかな?」


「うん、分かった」


「はーい! 手伝うよ」


シルフィーの求人に素早く答える二人。

 やっぱりフィーナは、俺の時と口調が違うんだよな。


「よし、こっちもこっちで何か一つでもしてくるか」


「うむ。ならば、少しやりたいことがあるのじゃが……」


「どうしたクロロ」


「実はじゃ……」


俺は良い提案だと思い、早速行動しようとこの場から離れようとした時、片目がある人物を写す。

 その場で立ち尽くしているアクアの姿だ。


彼女自体が人と打ち解けるのが苦手っぽい性格をしているからか、ただぼーっとしていた。

 そりゃ、今日出会ったばかりだしな、すぐに溶け込むのは無理だろうな。


「アクアも俺達と一緒に少し、ロマンを追求するための創作に付き合ってくれないか?」


「ぇ。あ、え、えっと、ん。分かった」


カミトがアクアの近くに行き声をかけてる。

 最初は戸惑った様子を見せたが、若干微笑みながら了承した。


「うむ、お主もいた方が間違い無く良い出来になるのじゃ。では、開始するぞい」


「おう」


「ん」




■□■□




シルフィー達が準備してくれた夕食を食べ終え、各々の時間を今は過ごしている。

一方のカミト達はひとまず作戦会議を行い、完成図を作成した。


「まずは土台の整備と形作りだな」


カミトは目の前の地面に手を(かざ)し、土属性の魔法を発動させる。


「ん。カミトは風属性だけじゃ無くて、土属性も使える?」


「我が主人は少しズルいのじゃ」


「そうなの」


「いや、それで納得するなよ!」


アクア達の会話にツッコミを入れつつ理想の形に、土を積み立てていく。


「……これくらいだろうな」


「中々な出来具合じゃのぅ」


「ん。カミト凄い」


目の前には、先程まで何も無かった土地から、魔法で形作った土の模型が存在していた。

 二階建てで、しっかり窓まで付けている。


そう、カミト達が作りたがっているものは、寝床にも出来る立派な家なのだ


「褒めるのはそこまでだ。今のままでは、砂場で作った城と同じ。この大きさだと安定もしないだろうし、

保ってせいぜい数時間。それじゃあダメだよな」


「そこでアクア殿の魔法じゃな」


「そうだ。俺も手伝うが一度水に濡らして、再度や風や火で固めると大分強度が違ってくるはずだ」


「ん。なら了解した」


アクアが足を踏み出し茶色をした家の目の前まで前進して来た。


「凍って」


「ぬ? 何をする気ぞぃ……」


「クロロ、アクアは理解している。その上で的確な答えを選んでいるから安心しろ」


狼が首を横に捻って疑問を口にした。

それもそうだ、何故ならアクアは家全体を氷で覆わせたからだ。


「溶けて」


「ほぉ……」


「な? 言っただろ」


アクアの一言で先程凍りついた土が水に浸される。

 普通にそのまま水をかけるよりも、氷を最初に密接させてから水にさせた方が、しっかり隅々まで固められる事を理解した上で彼女は実行していた。


「んじゃ、形崩れないうちに乾かすか。クロロの黒い手と俺の魔力障壁(マジックバリア)で形を固定するぞ」


「うむ!」


「僕は危ない部分を監視する」


クロロと俺の魔法陣が様々な場所から現れ、家全体を支える。

 次に、数個のスキルを併用しながら火属性と風属性を使用。





「……大体三十分くらい使い続けたし、一度中に入ってみるか」


「ん。楽しみ」


「こんなのを見ると、街へ帰ったら自分達の家が欲しくなるのぅ……」


クロロの呟きに確かになぁとも思いつつ、家中へと足を踏み入れた。


「帰ってもこれ使えるんじゃないかってくらいの出来だな」


「うむ。我専用の家にしたいくらいじゃ」


リビングにはキッチンと居間が連なっており、冷蔵庫まである。ちなみに、これは魔法を使えば本物と差し支えなく使用可能。

 イメージを詳細まで頭に入れる為に、ちゃんと図形を創作した甲斐があったな。


「次は個室……。おぉ、ホテルみたいな感じでいいな」


「ホテル? でも、貴族様の豪邸様柄」


「うむ。これは我も驚いたのじゃ……」


二人も完成度に満足してくれたようだ。

 この後、シルフィー達も中に入って貰った時の反応が……


「す、凄いですね! そんな家に住んでみたかったんです」


「こっ、これは、とても良いと、思います……」


「すこーい! わーいわーい」


全員が気に入ってくれて、ほっと胸を下ろす。


「一応この家外には障壁を張っておいたから、モンスターが近づいて来ても大丈夫だぞ」


「防犯性能もバッチリじゃな!」


旅では路上で寝る為、神経が常時使っている気がしてならない。その分、この中ならばいつもと同じように就寝出来るので、疲れをより取れる。

 

そんなこんなで、今晩は個別部屋で各自夜を明かした。

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