ダンジョン19話 死体と現れる男達
「……着いたのじゃな? どこの階層もこの部屋は共通して、景色が変わらないから着いたのかわからないのう」
「そうだな。結構ショートカットして来たがここが最上階層だから、十分に警戒しながらボス部屋を目指そう」
相変わらず真っ白な神殿が神秘的な雰囲気を醸し出している。一回イグリス王国の城内に入ったことがあるけどそっちはそっちで風格があったな。
「なぁクロロ、適当に壁壊しちゃっていいのか?」
「恐らくはここも隠し部屋に間違いないからどこからしからに繋がる扉みたいのがあるのじゃろう。その特定の場所を狙えば壊せるはずじゃ」
「うーん。繋がっている壁の場所は分かるか?俺にはさっぱり分からん」
「……あそこかのぅ?ほら、あの壁だけ妙に不自然な付け加えた感のある壁あるじゃろ?」
「あぁ、あれか。一回やってみる」
クロロに指摘された場所に手を翳して標準を合わせる。
手で目安程度に定めておくと、魔法の打つ方向コントロールを制御しやすいのだ。
「『土偶の巨人』、その壁ごと腹で突き刺せ!」
「ゴゴゴッッ……バタンッ」
どうやら当たりみたいだな。
指示した通りに土偶の巨人は壁を破壊した。
この魔法で作った土偶の巨人は襲ってきたモンスターゴーレム達と違い、全身が土で形成されていて、地面に半分身体が埋まっている。
つまり、動く事が出来ないのが弱点ってだけであり、力などの総合的な部分ではカミトが作った土偶の巨人の方が実用的である。
「凄いな。一瞬で正確に繋がっている場所を見つけられるなんて。意外な所でクロロは使えるよな」
「意外ってなんじゃ、意外って! 我はこう見えても有能なじいさんなんじゃわい」
「そうだなー。クロロは有能だぁー!」
「棒読みで白々しいのじゃ!」
ノリツッコミしてくるクロロについ苦笑が漏れる。まぁクロロは唯一のパートナーだしこれ以上傷付けるのも良くないな、と思って口を慎む
「さて、ボス部屋に繋がっていたらいきなり戦闘が始まるから覚悟しといてくれよ」
「うむ。我は準備出来ておるぞ」
了解、と振り向く事なく答えて壁を越える。
繋がっていた先は、上品な真紅色のカーペットが床中央にびっしりと、暗闇へ続く奥先まで広がっている、その途中通路に出た
上にはこの場を照り輝かせるシャンデリア、壁には立て付けてあるロウソクが火を灯し、それら一つ一つが気品を張り詰めるこの空間を醸しださせる。
そして俺は、何となく同じような光景を一度目にした事があった。
「……城の内部?それも王様、『リンネ』に謁見した時の部屋に似ている感じがする」
「ということは、じゃ。この奥に間違いなくボスが待ち構えているって事じゃよな?それも王様気取りを名乗っているボスがじゃ」
「あぁ恐らくな。そいつを倒せば今回の件は一件落着……でも無いよな。結構このダンジョンは謎ばかりだったよな」
地面に備え付けられている赤い布の上を奥へ向かって足を動かす。
る←削除
「うむ。そういえば謎って言ったら一つ不自然な点があるのじゃが……」
「どうしたんだクロロ?」
「いや、主人も気付いておるかもしれんがこのダンジョンになぜ来たかは覚えておるか?」
「なんでそんな事をまた突然聞くんだ?
確か、『リンネ』から直接お願いされたんだよな。このダンジョンから生存して帰ってくる冒険者が一人も居ないって」
「うむ。主人から前聞かされた話と一緒じゃな。では、一人も生き残って無いのならここへ攻略しにきた者達の死体は、いくつ見たおったかのぅ?」
「それは、最初罠で転移されて来た場所に倒れていた数人だが……?」
ん?それだと何かがおかしく無いか?
だが、『その何か』がカミトにはあと一歩な所で分からなかった。
「それはおかしくは無いか?このダンジョンに挑んだのが数人だとしたら話はつくが、何十人と挑んでも帰ってこないから主人に王は依頼したのじゃろ?」
「確かに。俺達は五十階層まで難なく攻略してワープして今の最上階層にいるが、ほとんどの冒険者は十階層のゴーレム辺りで倒されていてもおかしくは無い……」
「じゃろ?つまり、残り数十人の死体はどこにあるのじゃ?我らは少なくとも十階層は階段を見つけられなくて、くまなく歩き回ったのじゃよ?」
「いや待て、モンスターに倒されて死体事飲み込まれたって言う可能性は無いのか?」
「無論あるのじゃが、そこまで下の階層に冒険者を殺せるほどのモンスターがいたかのう?」
ダンジョンへ来た時の事を一生懸命自分の頭から捻り絞って思い出してみる。
確かに、苦戦は強いられる可能性はあるが殺せるほど強いかと言われると……
「おいおい、じゃあどういうことーー」
そこまで言い放つと、背後から不意に声が返ってくる。
自分自身でも良く分からないが、カミトはなんとも言い表せない恐怖を感じ、すぐさま声が聞こえた方向を振り向く
「それは俺達がやったからだぜ?ガキと犬さんよぅ」
「ッッ!シルフィーッ!」
「おっと、この子に近づこうとすれば今すぐに『死ね』と命令する事も出来るのですよ?」
「お前達はッ……!」
目の前にはどこかで見た顔の三人組が不気味な笑みを溢しながら、不気味に唇の端をを釣り上げてニヤニヤとしている。
俺は相手の強さを再び確認するため、魔眼を発動させた
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名前 アゼル 男 人間 二十四歳
状態異常:敵意
レベル:31
称号:盗賊 人殺し
HP:430/430
MP:260/260
筋力:152
耐久:110
素早さ:203
魔力:90
幸運:190
スキル
俊足(一時的に素早さ3倍)
気配切断
使用可能魔法
風属性
闇属性
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名前 ガゼル 男 人間 二十四歳
状態異常:敵意
レベル:30
称号:盗賊 人殺し
HP:450/450
MP:210/210
筋力:214
耐久:130
素早さ:120
魔力:100
幸運:190
スキル
剛力(一時的に筋力3倍)
気配切断
使用可能魔法
火属性
闇属性
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「クククッ。俺達の顔覚えてくれてたか?まぁ全員ある意味で人気だからなぁ」
「あら、私の顔も覚えてくださってたのかしら?
うふふ。可愛いボーイは好みよ。食べちゃおうかしら?」
確か、そう。かなり遡ることになる。
イグリス王国のモンスター防衛戦を終えて、ギルド内の保健室的な部屋から目を覚まし、ギルドの二階から一階に降りてくる際に魔眼が突然発動して『敵意』を確認した二人組。
まさに盗賊って感じの言葉遣いで話していて、先程からニヤニヤと、ずっとしているのが『アゼル』。
オネェ口調で気持ち悪いツルピカハゲダルマの方が『ガゼル』。
そして………
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アゼルとガゼルは『第二章 初依頼3話』で、出て来ています




