ダンジョン18話 古代文明の謎
「クリカエシマスーー。
……。タダイマヲモッテサクセンシュウリョウトシマス」
「うお、なんじゃ!いきなりでビックリしたわい」
「どうや一応ここでの戦いに終止付を打てたようだな」
部屋に入った時と同じ機械者の声が中に響き渡る。 どこからこの声聞こえてくるのだろうか、と頭に質問が湧くが考えても仕方ないので打ち切る。
「改めて神殿らしき建物に向うとするか」
「うむ。こんな隠し部屋を用意するのじゃから絶体何かはあるはずじゃのう。財宝とかならうれしいわい」
「意外とその可能性もありえるよな。俺的には罠で無いことを祈るばかりだな」
ゲームとかでも宝箱を開くと中からモンスターが出てくるやつ、あれだけは勘弁願いたい。
ドラ⚪︎エから出てくるモンスターがまた強くてやられた思い出……。
地面が茶色から白のタイルへと変わった。中に入るとまるで一歩前進しただけで、ガラッと空気が入れ変わったかのように神聖な雰囲気がただよってくる
「おぉー。写真で見たことあるバレスチナ宮殿みたいだな」
「うむ……。この建物の存在自体が芸術的じゃな」
辺りを見渡しながら足を進めさせる。どこを見ても真っ白な空間が二人を取り囲むかのように広がっていて、どこかしこと同じ光景を見ているかのようだった。
「ここらが中心だと思うんだけど…… あの地面にかかれている文字列模様はまさか」
「魔法陣じゃな。しかし、我らが使っている魔法とは少し違うみたいじゃのう。文字列が微妙に異なっておる」
「ならますます怪しく無いな。ほっといて帰らないか?」
白タイルの上に紫色で書かれている幾何学模様。どのからどう見ても罠だとは分かるが、逆に罠に見えすぎて罠じゃないとも捉えられる
「どちらにせよ分からないのなら、試してみるのみじゃ!」
「あっお、おい!クロロッ!」
「善は急げじゃっ!……。ふむ?なにも起こらないのう」
「起動しない?壊れてるんじゃ無いか、その魔法陣」
勢いよく魔法陣内に入ったクロロだったが、魔法陣は何ら反動しなかった。
「そ、そんな話は聞いた事ないのじゃっ。なら主人が乗ってみるが良い!」
「あぁいいぞ」
クロロの挑発に返事を返すと今度は俺がその魔法陣の上へ行った。
先程と同じで何にも発動しないか。
「ほらなんにも作動しないのじゃ!主人が……」
「『ケンジャ』ノショウゴウヲカクニン。
サイキドウシマス……。ケンジャサマ、ナンカイニイカレマスカ?」
「わぉ。何か分からないけど発動したっぽいな。やはりクロロの体重は関係あったな」
「無いわい!今『賢者』とかのワードが聞こえたぞ?!恐らくは主人にしか発動出来ないのじゃ!」
必死に弁解するクロロを一度ほっといて地面の魔法陣に目をやる。『賢者』か、なぜその単語が今出てくるのかは謎だが、とりあえず階層を適当に選べってことか?
感情の無い声に従って、十階層を選ぶ。
と、またもや同じ声が響き返ってくる
「リョウカイイタシマシタ。十カイソウ二ワープシマス」
「ぬ?!主人よっ!!」
「うわッッ!」
魔法陣が頭の上から足元まで何重にも展開して広がりカミトを覆う。そして、光ったと思ったら目の前に走って方いたクロロの姿が電灯のようにフッと消えた
「な、何が起こってるんだ?」
「テンイカンリョウイタシマシタ。マタワープシマスカ?ケンジャサマ」
「してくれ!元の位置に戻してくれ!」
「リョウカイイタシマシタ。コレヨリ五十カイソウヘワープシマス」
先程魔法陣が発動した時同様、体を全体に魔法陣が包み込まれたと思ったら、ピカピカと同鳴するかのように全て魔法陣が光る。
一瞬視界が眩しく真っ白に塗りつぶされたと思ったら、クロロが足元に半べそになりながらも足元に座っていた
「あ、主人よ!どこへ行ってあったのじゃ!
我はいきなり視界から姿が見えなくなるから心配してたのじゃよ」
「すまないすまない。ただおそらくこの魔法陣はワープ装置だと思う。俺が十階層と行ったら十階層へ、元の階層へと言ったらここへ戻ってきたからな」
「罠では無く、主人が故意にワープをする事が出来る装置ってことかのぅ……」
俺に魔法陣が発動した時のキーワード『賢者』がやはり気にはなるが、考えても分からないので今はこの装置をダンジョン攻略に使うことだけを考えようと思う。
「なぁ、一度クロロもこの魔法陣の中には入ってワープしてみよう。もしかしたら一緒に移動出来るかもしれない」
「ううむ。確かにそうすればここのダンジョンの階層攻略を大幅にスキップ出来るかもしれないからのう」
クロロが魔法陣内に入ったのを確認して俺はまた十階層にワープするよう指示した
「リョウカイイタシマシタ。『2メイサマ』、コレヨリ十カイソウヘワープシマス」
「お。クロロにもしっかり魔法陣が発動されているな。これなら問題無い。最上階へ一気に向かおう」
「うむ!しかし、なんだかかなりズルいチート的な事をして背徳感があるのぅ……」
「じゃあ、クロロだけ全ての階層攻略するか?
その時に俺は既にダンジョンを攻略し切ってると思うけどな」
「い、いやじゃ!主人に着いていくのじゃ」
魔法越しに談話していたが、それも途中で話が止まる。どうやらワープ成功のようだな
隣のクロロの様子を確認する。
クロロはこちらち目も暮れず、素っ頓狂な声を出す
「す、凄いのじゃ……。本当にワープするとはのう。これは恐らく古代文明の遺産じゃな」
「古代文明?一千年前とかのってことか?」
「うむ。古代文明の魔法は今我らが使っている魔法と比にならないくらい強力な魔法だったようじゃ。こんなところで体験することになるとはのぅ」
「古代文明……か」
それならなおさら謎が深まるばかりだな。そんな千年も前の文明がなぜ『賢者』なんて単語を知っているんだ?しかもよりにもよってこの魔法陣に……。
まるで俺が来るのを分かっていても仕込んでいたような感じがして、頭の中で妙な引っ掛かりを覚える
「あぁっー!良く分からないっ!もう考えるのやめた」
「ど、どうしたのじゃ主人よ?頭が痛いのか?」
「違う違う。まぁとりあえずダンジョン最上階へ行こう。魔法陣よ、ダンジョン最上階へ行ってくれ!」
「リョウカイイタシマシタ。『2メイサマ』ヲダンジョンサイジョウカイソウヘワープシマス」
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