ダンジョン3話 謁見その2
「シルフィー、王様に迷惑のないようにな?」
面談室に向かってる最中、暇なのでシルフィーに話を振った
「はい!それぐらいは分かっていますよ?
全く、私はもう大人なんですからね」
いや、シルフィーはまだ俺から見たら子供だよ。
身長的にも、年齢的にも
「……、今失礼な事考えてませんでしたか?」
「か、考えてないです。」
とてつもなく鋭い目線を俺に向けて来たので、俺は目線を逸らす。
「カミト様、シルフィー様。
こちらが面談室です。国王様は中にいらっしゃられます。」
ちょうど良いタイミングで案内役の人が声をかけてくれた。ナイスタイミング!
失礼します、といって案内役の人が中へと入っていく。俺達もそれに続いて入った
「ふふ。よく来たのう。冒険者、カミトよ。
妾は、お主と少し話がしたくてな。その隣の娘も一緒にじゃが。急に大丈夫だったかのう?」
席に勧められたので、シルフィーと共にゆっくりと腰を下ろした
「それで、どうして私とカミトが呼ばれ……、呼んだのですか?」
「ここは公式の場じゃ無いのだから、堅苦しく敬語はお互い辞めて欲しいのだ。妾もお主達も気が疲れるじゃろ?」
そう言って肩をすがめるポーズをした。
「そうですね。では、何故俺達が呼ばれたんだ?」
「うむ。本題に入る前に、自己紹介を改めてさせてもいいかの?」
はい、と俺達が答えたら、満足気な顔で頷いてた
「妾は『リンネ』。そう呼んで欲しい。まぁ、見ての通り、この若さでこの国の国王を務めておる。歴代最小年齢じゃ。」
確かに、おそらく二十歳前後で王様になる人なんてそうそう居ないよな。色々な苦労もあるんだろう
「まだまだ未熟者だから、あまり政治に関しては上手く無いがのう。」
「い、いえいえ!国王、リンネ様は最小年齢の若さでなったのですから、仕方ないですよ」
「お主は優しいのう。まぁ、若さなんて国相手だと言い訳にもならんがのう。」
リンネは笑いながら、どこか上の空の目をしていた
「少しは場を温められたかのう?」
「ああ、俺達の自己紹介も必要かな?」
「じゃあ、一応してくれるかのう。」
その後、俺達二人は自己紹介をし、雑談をし終わってから、リンネが切り出した
「そろそろ本題に入るとするかのう。
実はお主達に妾個人から、依頼というか、頼み事を受けてもらいたくてのう。」
ほう。リンネ、王様が直々に俺に依頼とは。
どんな内容だろう
「と、いうと?」
「うむ。お主達は噂に聞いてはおるか?
1ヶ月くらい前か、突如としてここから三時間程度の場所に位置する森林に、ダンジョンが現れた事を」
ああ。確かギルドで一回アリシャさんとそんな話をしたな。緊急依頼ってやつだっけ?危険な依頼って事は覚えてるぞ
「はい。私覚えています。三日前くらいにカミトと一緒に聞きました」
「なら話が早いのう。率直にいうが、そのダンジョンを攻略して欲しいのじゃ」
「ん?何故その話を俺達にするんだ?
ケルガさんとか、Aランクの人に頼めば良いのでは?」
「ふむ。もちろんしたのじゃが、みな、そのダンジョンから一人も帰って来てる者が居ないのが、怖いらしくて誰も引き受けてくれないのじゃ。だから、今回お主達に押し付けると言ったらあれじゃが、まぁこうして妾が頼みこんでるのじゃ」
なるほどな。一人も生きて帰ってくる人が居なければ、そりゃ、誰もダンジョンに入ろうなんてするわけないわな。
「なら、Sランク冒険者達に頼んでみるのは?」
「論外じゃ。まず、彼らは巨額の金を払わんと動かん。しかも、奴らとの関わりすらこの国には無いのじゃ。」
半端、泣き寝入りってところか。
しかしな、ダンジョンは危険と言ってたし、俺以外の三人に危険な目を合わせたく無いからな……
「俺一人でなら報酬内容によっては受けれる。ただし、シルフィーはダメだ。」
「え?私も一緒について行きますよ
その気ですし」
「シルフィー、危険な目に女の子が自ら飛び込む必要は無いぞ」
「まぁまぁ。二人とも、落ち着くのじゃ。
とりあえず、報酬内容を決めないと進まんじゃろう」
「確か一理あるな。
それで、どうなんだ?」
これで報酬が金貨一枚とかならリスクに合ってないし、冗談にもならないからな
「うむ。妾的には、お主達には決めて欲しいと思っておる。妾じゃと、何が良いのか分からんでな。
欲しい物を報酬にすれば、より受けやすいじゃろ」
要は餌釣りって事か……。欲しい物ね〜。
俺はとりあえず保留として
「シルフィーは何かあるか?」
「私はカミトに一任しますよ。
女の子は欲しいものが沢山あるので、逆に選ぶことが出来ないんです」
こっちはその逆に欲しい物がないんだよな〜
あ、
「武器、とか防具とかちゃんとしたのを四人分欲しい、かな。」
フィーナとヒーナの依頼で、防具は特にちゃんとしたのが必要になりそうだからな。
何せ、エルフの里は遠そうだし
「なるほどのう。承知した。
この国の職人総出で最高級の武器と防具を見繕おうかの。じゃが、本当に良いのか?言い出した方がいのうもなんじゃが、このダンジョンは危険じゃぞ?」
「まぁ、一回はダンジョンってところに入ってお宝とか、探してみたいし、それに武器と防具も欲しいからね。引き受けよう」
「そうかそうか。よきかなよきかな。
ありがとうのう。では、詳しい話をするかのう。」
リンネは重い方が下がったかのように、話を進めていった
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