第二章 初依頼8
少し長くなっています
俺は食事が終わった後、シルフィーと共に部屋へ向かった
「フィーナ達にあんな過去があったとは……」
「私も詳しくは知らなかったので驚きました」
そして少しの沈黙が流れる
「……ベッドはシルフィーが使っていいよ
俺は下で寝るからさ」
「い、いえ!私が下で寝ますから、
無料で泊まらせて貰ってる身なので大丈夫です!」
頑固として譲ろうとしない
これは押し通せないな
「じゃあ二人で……って、女の子だからダメだよな
やっぱり俺が……」
「そ、そんな事ないです。
カ、カミトは何にもしませんよね?」
怪しむ目を俺に向けてきた
「もちろんもちろん!
そもそも、そんな事する勇気が無いです……。」
慌てて手を前に違う違う、と説明した
「ふふっ。カミトって優しいんですね
じゃあ、二人で寝ましょうね」
果たして俺は夜眠る事が出来るのか……
その夜、案の定見事に眠る事が出来ず、布切れをどかして立ち上がった。ちなみにシルフィーは熟睡してる
寝顔を少しみてみたが、まるで天使のような可愛いさで、ずっと見てたい気持ちに駆られたが、理性が何とか働いた
「夜風でも浴びるか」
気分転換にでもと外へ出た。静寂が夜を支配して、
まるで俺を出迎えるの如く月が照らしてくる
「やる事ないし、スキルの使用実験してみるか
昼間だと誰かに見られて面倒だしな」
俺はあまり目立つ事をしたくはない。
モンスター襲来では仕方なくしてしまったが、
今この世界の情報が乏しい時には目立つと言う事は得策ではない
人気のない路地に移動した
「さて、まず一つ目のスキル、『魔法範囲拡大』から試そうか」
ウィンド、と唱えるのと同時にスキルも発動させる
「ほう、3倍くらいまで広がるのか」
魔法陣が拡大され、風の吹く範囲が大きくなった
「任意で調整も可能か。使い勝手良いな。
よし、次に能力『一時的限界突破』だ」
スキルを発動させ、ステータスを確認してみる
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名前 カミト 男 人間 20歳
状態異常:能力一時的上昇
レベル:150
称号:魔眼賢者 異世界人
HP:22500/22500
MP:45000/45000
筋力:870
耐久:780
素早さ:2175
魔力:3600
幸運:1300
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大体3倍くらいステータスが増幅されるのか。
後に試してみて分かった事が、特攻鳥弾と土偶の巨人は100mp消費、火の竜は300mp消費。
聖なる神の裁き、らは3000mp消費だ。
一般的なこの世界の人々のステータスと比べて10倍以上は差がある
「このスキル、地味にチートスキルだよな……」
効果時間の少なさがネックだが、このステータスの伸び具合なら納得物だな
「後は、『魔神化』スキルか。
名前からして変身系か?」
少し期待出来るスキル名なので、ワクワクしながらスキルを発動するが……。
「?何にも変わらない
ステータスも……、変化無し?
詳細を見てみるか」
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→魔神化
神の一柱が裏切り、地獄へと堕ちてなった姿の具現化。『獄炎』というスキルを一時的に取得し、『獄炎』属性を使用可能。しかし、それ以外の魔法またスキルの使用を不可能にする。
また、能力も一時的に大アップさせる。
このスキルは神に近き力を持つため、種族の壁を越えた者にしか使用できない。
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種族の壁……?
なんか、やばそうなスキルを複製してしまったようだな。しかし、こんなスキルを持ってる黒フードを被っていたあの人はますます何者か分からない……。
「とりあえず、種族の壁についても、明日の朝調べるとするか」
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今は朝の六時頃、洗い立ての太陽が空に上がっている。
朝食前に調べたい事が沢山ある為、街の図書館を目指した。
道順は前日アリシャさんに聞いている
「うぉ。大分大きいな」
目の前にして改めて図書館のデカさに驚く。
おそらく、この街の中で城に次いで2番目に大きいんじゃないかこれ、
中に入ると、まだ朝なのに結構の数の人達が本を読んでいた。
俺はこの世界の事について調べる為、歴史の本について見つけて行く。
三メートル位ある本棚の中を、歩いて手当たり次第取ってみる。
そんな事をして、一時間くらいが経った。
そして、大体の基礎情報を調べられた。
まず、この世界のお金についてだ。日本円にして
銅貨が一円、大銅貨が十円、銀貨が百円、大銀貨が千円、金貨が一万円、大金貨十万円、白金貨が百万円と、なっている。つまり俺は今、約百万円ギルドに預けている事になる。
そして次に、昨日の種族の壁を越えるという意味だが、恐らく進化の事だろう。
進化とは、全ての種族に共通する事で、特定のレベルに到達したら、その種族の力の限界を越えて更に別次元の強さを持つ種族になる事を言うらしい。
そして、特定のレベルというのは全種族共通で三百レベルらしい。
豆知識だが、人間以外の種族はレベル上限がどうやらとても高いか、そもそも無いらしい。
ちなみに人間のレベル上限は百レベルだ
その為、人間は最弱の種族らしい。
でも、俺は上限突破スキルがあるからその点はどうなんだろうな。
ちなみにこの世界の分布についてだが、
今居る国は最東に位置している国らしい。
まぁ、国といっても小国から大国家まである。それらの5割が人間国となっている。3割が人間と魔族以外の種族(これからは亜人と略)の国、そして2割魔族の国となっている。
なぜ、人間は最弱の種族なのにこんなに国家を持っているかというと、それは「奴隷隷属化」スキルを人間だけが持てるからだそうだ。逆らう者全て奴隷隷属化しちゃえば、早い話人間の国家は作れるもんな。
人間国の大国は、富国強兵(王様すら強さで決める)のカズロック帝国、奴隷の数が国民を上回ってる、スレイブ王国、女神アトラを国教としている、マーキュリー神国、そして四国で一番平和のイグリス王国となっている。
そして、ここからが重要だが、魔族は人間そしてそれ以外の亜族と敵対している。魔族は魔法のステータスが異常に強く、最強種族と言っても過言ではない。そして、自らの種族以外の種族を見下す為、高圧的な態度を取る。
以前に人間と亜人対魔族の戦争があったくらいだからな。
最後に魔王と勇者、そして賢者についてだ……。
これがおそらく一番興味深い話だろう
世界観を具体的に書きました
国名考えるのが一番時間掛かりました
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