第二章 初依頼5
「ガチャ」と、目の前にある部屋の扉を開ける。
中は狭くも大っぴらでもない、まぁ生活には困らない程度の広さだった。
ただ、部屋自体は綺麗に手入れされていたのでアリシャさんの言ったことは、確かだったみたいだな
「よし、みんな。それじゃあ早速だけど、モンスター襲来時に聞いた質問の答えを教えてくれるかな?」
質問とは、モンスター襲来時の奴隷少女達を助けた時、カミトについていくって言ったのを先延ばしにして考えてくれって言った事だ
「私は前と変わりません。
カミトさんに迷惑でなければついていきたいです。」
そう言ったのは数秒遅ければ死んでいた奴隷の少女だった。
「残りの2人は里に帰るそうです。
元々、2人は里に帰る途中でした。運悪く奴隷商人達に襲われたので、帰れずのままだったそうです」
静かに後の2人はうなずいた
「そうか…分かった。
君達の答えを俺は尊重するよ。」
俺はそう答えて3人に笑みを見せた
「ありがとうございますっ!
あ、そういえばまだ名前を教えていませんでしたね。」
俺についていくと言った少女がハッとした顔になり、改めて口を開く
「まず私から。
私はシルフィーと言います。」
そして、シルフィーは残りの2人も紹介してくれた
「次にこちらの背が大きい方がフィーナと言います。
そして、背の低い方がヒーナといいます。
2人は姉妹なんです。」
そして、フィーナと呼ばれた少女とヒーナと呼ばれた少女達はお辞儀をした。
「そうか、シルフィー、フィーナ、ヒーナだね。
俺は知ってるかもだけど、カミトって言うんだ
よろしくね」
俺はそれぞれ3人の目を見て言った
シルフィーは、奴隷少女と言っても見た目は18歳くらいの女の子だ。美人系というよりも可愛い系だ。
髪は金髪で、種族はエルフ。その影響で耳は長い。
フィーナはお姉さんの方で見た目は15歳、
ヒーナは妹の方で見た目は12歳の小学生くらい。
2人とも髪は金髪で、シルフィーと同じエルフだ。
そして、幼い歳にも関わらず2人ともしっかり者だ
「はい!よろしくお願いしますね、カミトさん!
それで、いきなりの頼みで悪いんですが……」
シルフィーもじもじとしながらフィーナとヒーナの方を一度向いて、俺を真剣な眼差しで見直す
「さっき言った通り、フィーナとヒーナは里に帰る途中で奴隷商人に捕まりました。」
フィーナとヒーナは俯いた
おそらく、あんまり思い出したくないんだろう
「そして、今回もまた奴隷商人達に捕まらないとも限りません。
エルフ族は自分で言うのもあれですが、見た目が他の種族と比べて顔立ちが整っているので、奴隷商人以外の人間や種族に襲われる心配もあります」
シルフィーは一つの間を開けて、ゆっくりと口を開く
「なので、2度も助けて頂いた恩人のカミトさんには言いにくいのですが、里までの帰りを護衛して欲しいんです。」
なるほど、確かにまた捕まったら大変だもんな
俺は考える仕草をする
「私からもお願いします。
どうか、フィーナとヒーナの護衛をしてくれませんか?お礼は、私達が差し出せるものなら何でも出します」
シルフィーはそういうと同時に頭を下げた。
残りの2人も同じ様に下げて来た
「そうか……。
まぁ、これもなんかの縁だし、依頼を受け持ってもいい。」
俺が了承の言葉を伝えると、3人はまるで目の前に何百万とお金があるかのような目をした
「ただし、今すぐという訳には行かないよ?
俺はこの国の国王陛下に3日後謁見があるからね」
3人は凄い勢いでうなずいた
「そして、お礼の件だけど…
俺は田舎から出てきたからこの世界の常識について疎いんだ。
だから、その辺について少しずつでいいから教えて欲しい。特に読み書きを……」
そうなんだ。俺は女神アトラ様に会話程度ならば地球にいた時と同様に問題無く出来る。が、読み書きになると別だ。
今までは、魔眼の未来予知を応用して何とか読み書きをしていた。
が、未来予知は精神力という減り具合が分からないものをコストとする為、不安なのだ。
「それならば、承知しました。
各々がカミトさんにお教えしていきますね!」
と、シルフィーは嬉しそうに声を弾ませて言った。
ああでも、と俺は人差し指を立てた
「カミトさんはやめてくれ。これから里に帰るといっても、お金や道のりなど準備期間が必要だ。その間、さん付けだと何かと不便だしね」
それに、俺だけ3人を呼び捨てにするのもなんだかおかしいしね、と心の中で付け加えとく
「はい!では、カミト、で。
2人も言ってごらん!」
シルフィーは少し顔を赤くしながら言ったと思うと、残りの2人の方に振り向いて言わせようとしてきた
「カ、カミト。」
フィーナは人見知りなんだな
それと対照的に
「カーミトお兄ちゃん!よろしくね!」
ヒーナの方は誰とでも仲良くできそうなタイプだな
「おう!よろしくな!
それじゃあ、今後の活動方針を決めるぞ……」
それから計画を立てる為、紅い日が照りつけるまで話し合った。
「では、まとめるぞ
まず、最初の2週間から1ヶ月にかけてはギルドで依頼をこなしながら里に帰るお金を稼ぎ、それからはお金が足りるまで手に入れ次第、里へ帰る準備を、
で、いいよな?」
俺は3人にまとめたことを発表した
「はい、問題無いです。
フィーナとヒーナも問題ありませんか?」
シルフィーは残りの2人なら確認を取った
「問題ない、です」
「だいじょ〜ぶ〜だよ!」
と、それぞれ返事が返ってきた
「よし、じゃあこれで決定だな。
今日はもう夕方だし…って、
部屋……」
俺はハッとして呟いた
「あ、わ、私たちは野宿でもしますので、
気にせずに……」
と、シルフィーは言った。
が、男として、それは格好がつかない。
「いいや、俺が野宿で3人でこの部屋を使ってくれ。
俺が出て行った方がいいだろ?異性だし…」
配慮をして俺は申し出た
が、
「い、いえ!
私達は、いえ、私はカミトと一緒の部屋で構いません!!」
と、シルフィーが手を挙げて前のめりになりながら言って来た
俺はその謎の勢いに負けて、
「わ、分かった。けど、
残りの2人がな、、
じゃあ、もう一部屋取ることにしようか。」
俺が案をだした
「しかし、私達はお金を持っていませんが……」
なるほどな、まぁ奴隷だったんだし仕方ないな
ここは俺が格好つけるべきだな
「俺が払うよ
案を言い出したのも俺だしね。
それで構わない?」
と、俺は残りの2人に確認した
「は、はい。
申し訳ありません…」
「うん!お兄ちゃんありがとう〜」
と、OKを貰ったので、早速女将さんの元へといった
「女将さん〜」
俺は女将さんを呼んだ
「ん?あ、カミトさんじゃないか!
どうしたんだい?食事はまだだよ?」
と、不思議そうに聞いてきた
「いや、食事じゃなくて、もう一部屋貸してくれませんか?」
俺は女将さんにそう言った
「そうかい。いいよ
ほい、鍵はこれね、カミトさんの隣の部屋だよ。
お金は、また明日にでも払ってくれればいいよ。
今日は休みな休みな〜」
と、言ってくれた。
俺的にも今日はシルフィー達と話したいので助かる
「ありがとうございます。
では、食事の時間にまた来ますね。」
俺は女将さんにそう言って貰った鍵の部屋へ向けて歩いた
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