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柳内警備保障秘書課別室  作者: JUN
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研修(1)再会

 警備員をしようと思ったら、研修を受ける事が義務付けられている。正社員でもアルバイトでも同じだ。

 まずは、新任研修。基礎的な事を学ぶ研修で、大体4日間。柳内警備保障では、これは、新入社員は新入社員研修の合宿で受ける事になっていた。

 次は業務別研修で、4種類ある。常駐警備研修、交通誘導警備研修、貴重品運搬警備研修、身辺警備研修。これは配属先によって受けたり受けなかったりで、15時間以上を義務付けられており、その内の8時間は実地に当てられる。

 その次は現任研修で、半年毎に、基礎3時間以上と業務別5時間以上を、年に2回受ける事が義務付けられている。

 そういうわけで、何かと受けるべき研修が多い。

 全員入社時に新任研修は受けているが、今までデスクワークだった雅美と悠花、入社したての湊と涼真は、立て続けに研修を受けていた。

「何か、大変だわ……。覚える事もいっぱいで……」

 悠花が虚ろな目で言えば、雅美も、

「甘い物でも補給しましょ。脳に栄養よ、悠花ちゃん」

と力なく笑う。

「湊は余裕だな。何でだよ。ちゃんと聴いてるのか?」

 文句を付けるのは涼真だ。

 湊は涼しい顔で、小さく笑みを浮かべた。

「バイトした事があるから、知ってるんだ。変更点さえなければ、次からはお前らもこんなもんだぞ」

「余裕ぶりやがって、くそっ」

「ああ?解説、手伝ってやらなくていいのか?」

「お願いします」

 別室のメンバーはかたまって座りながら、休み時間に復習をしようとしていた。

 周りのほかの受講者達も、各々、復習したり伸びをしたりしている。

 その時、近くの席のグループが、雑談しているのが聞こえた。

「木賊って別室だろ?まあ、別室って何でも屋みたいなものらしいし、受講できるだけ受講して、備えるんだろうな」

「でも、実技とかできるのか?まあ、元男だから実はできるのか?」

「今も男なんですかねえ」

「お前知らないのか?付き合ってたんだろ?」

「女と思ってたんですよ。それも、映画とか食事とかしか行ってません。手術したかどうかは知りませんよ。

 あ」

 中に、雅美の元カレがいた。雅美と目が合い、向こうのグループと雅美は、お互いに気まずく黙り込む。湊は完全に知らん顔で資料を見ているが、涼真と悠花も、気まずい思いで、焦った。

「あの、雅美さん。護身術なんですけど」

 涼真は笑顔を浮かべて雅美に話しかけ、元カレのグループも関係のない話題に変えて話し始めた。

 雅美は何も無かったような顔をしながら、昔の事を思い出していた。






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