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第24話 転送
「…今回もしくじったか」
さっきまで女性を見ていた男がが、疲れたように言った。
その男に杖を向けながら、先ほどまで死闘を繰り広げていた相手方が、ゆっくりと近づきながら言った。
「もう終わりだ。あきらめろ」
「…いや、まだ終わりではない」
その男は、何かを思いついたように、顔を向け、何かを叫んだ。
途端、俺は姉と妹と共にシャボン玉のような薄くてふわふわしている膜に包まれた。
そして、足場が崩れるのがしっかりと見えてから、どこか知らない場所へ、その場にいたほぼ全員が転送された。