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運命  作者: 尚文産商堂
23/27

第23話 受け渡し

ボールは、第1、第2と順々に来た。

「よっしゃ、すぐだ」

第4階層の人たちが、俺の方へボールを回してくる。

それを受け取り、すぐに力を込める。

わずかにタッチする程度だが、それでいいそうだ。

「受け取って!」

姉が叫ぶと、ぴたりと第1階層の人がキャッチをした。

その途端に、割れていた地面から、粘液状のものがあふれだした。

それは、お湯が沸騰しているかのような、爆発的なものだった。


すぐにおさまったその沸騰は、箱の女性をすぐに引っ張り出せれる状態にさせた。

そのとき、俺のずっと前の方にいるライオンが一言つぶやく。

その途端に、箱はどろりと溶けて、中の女性が出てきた。

「あっちは、あれで終わりかな」

俺は姉と妹に言った。

「じゃあ次の問題は、私たちどうやって帰るのかって言うことよ」

姉が俺に言うが、手立ては見当たらない。

その時、起き上っていく女性をみながら、つぶやいている人が一人いた。

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