第12話 脱出路のヒント
俺が姉妹と光の発信場所についたのは、1時間以上歩き続けてからだった。
巨大な懐中電灯と鏡と歯車がコンセントにつながっている。
コンセントは砂漠の下から延びてくるコードにつながっていて、それから先は見えない。
「歯車の歯が、懐中電灯から照らされた光を遮って、それを鏡で反射させていたのね」
姉が俺たちが見てわかることを説明する。
「見りゃわかるさ。それよりも、なんでこんな砂漠のど真ん中に、こんな装置があるんだ?」
「私たちに聞かれてもわからないわよ」
妹が俺がつぶやいた言葉に反応した。
「この歯車は、どこから始まってるんだろうね」
姉が、懐中電灯の周りをぐるぐる回りながら言った。
「どういうこと?」
妹が聞く。
「これって、モールス信号でしょ。一つ一つの間に一定の間隔で隙間があいてるし、それで文字を分けるんでしょ」
「それが基本だけど…とりあえず、メモ帳とかあるか」
「ええ、ここに」
運よく妹がメモ帳とシャーペンをもっていた。
それを使って、トンツーを写していく。
「-*- *- --* ** **** *- *** **- *** *- -* --- *-- ---」
「何を言っているんだろう」
「さあ、どこかに暗号表でもあればいいんだけどね」
俺はそう言って、周りを見回す。
すると、遠くの方から、大太鼓のような音が聞こえてくる。
最初はうっすらとしていたものが、はっきりと方角がわかるほどの大きさになってきた。
「聞こえる?」
俺は姉妹に聞く。
ふたりとも、何も答えなかったが、はっきりと顔を音がしている方向に向けていた。
「行ってみよう」
姉が俺たちに言うと、そのまま走り出しそうな勢いで歩き出した。