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転生少女は、謎の側近と出会いました。

王都に来てみたのは良いものの……。



「こんなに広いの!?え!?あの果物初めて見るよ!こっちの野菜も!」



「リオン〜、この果物はね、ドリームフルーツって言って食べると甘くて、幸せな夢が見られるんだよ。」



「うわぁ……!!幸せな夢かぁ……!でも、値段が高いのかな?」



「なんだい?お嬢ちゃん。珍しいな。このフルーツを知らないってことは、ここには住んでいないのか?」



「え?……今日越してきたところなので、知らないことばかりで…………」



「そうなのか?まぁ、ここは楽しいし、気楽に過ごすが良いさ!はっはっは!」



見た感じ、悪い人ではないっぽい。初対面でこんなに話しやすいのは、すごいコミュ力の持ち主…

私なら、ありえないけど。



「それに、お嬢ちゃん。髪色も服装も貴族なのか?」



「い、いえ、貴族ではないです。平凡人なもので……」



「まぁ、詐欺とかには気をつけろよ!」



「は、はい。」



「王都には、ああいうのもいれば、いないものもいるからねー」



「そういえば、あのおじさん。ククルのこと気にしてなかったね。なんでだろう?」



「あ、言ってなかったね!普通の人にはボクのことが見えないんだ。主様は見えるけど。

特に、見えるのは、王都でも、あの城にいる王子や兵士は、見えるよ。」



「え。あれがお城?お城に見えない……」



「立派すぎる城だよー!リオンはどんなのを想像してたの?」



「なんというか…………ほら、派手な装飾が飾ってあって、キラキラしてるイメージがあったんだけど」



「そうなんだ〜。でも、本当にあれがお城だよ。」



「ねぇ、ククル。私、あのお城に行ってみたい」



「うん!行こっか…………って、何言ってるの!?敵の城に行くの!?」



「うん。敵って言っても、どんな人なのか知らないと。それに、囚われたドラゴンや妖精、珍獣

達もどんなふうに囚われてるか見て、どう助けるか考えないといけないし」



「まぁ、良いよー!ボクはリオンのことならなんだってするから!でも、危険だと思ったらボクの魔法で

なんとかしてあげるからね!頼ってね!」



「頼りにしてるよ。じゃあ、一度家に帰らないと。」



「どうして?すぐ行くんじゃないの?」



「荷物を持って行ったら、邪魔なだけでしょ?なら、帰って置いたほうがいいよ」



「わかった!でも、主様には何て言って出かけるつもりなの?」



「もう少し、見たいものがあるって言えば大丈夫だよ」



「んー…………いいと思うよ」



今の間は何!?すぐバレるかもしれないけど、やるっきゃない!

怒られるかもしれないけど…………



「ん?なんか、家の方騒がしくない?」



「もしかして……!!」



「えっ、あっ、ちょっと、先に行かないでー!」



ククルどうしたんだろう?血相変えて飛んで行ったけど、何かあったの?

私も早く行かなきゃ!アクア様が心配だし…………ククルも心配だし。



「はぁっ…………はぁっ…………ククル?」




ガチャン!



『だから、お主達は帰れ!お前らがいる王都には行きたくもない!』



家の中から……?!一体なんの音なの!?窓ガラスも割れてるし、家具も…………アクア様!?

怪我がひどい……誰がこんなこと……!!



「主様に、何するんだ!」



「ククル……!?」



『!?』



「む。誰だ?俺様の邪魔をするのは」



あの人が王子様?今時、俺様なんていう人初めて聞いたけど、本当にいるんだ…………って感心してる

場合じゃない!それに、ククルを鷲掴みにしてる。許せない…!



「離して…………その手を離して!」



「へぇ……コイツ、こんな娘隠してたのか。上物だな。丁度いい、この娘も妖精も、ドラゴンも貰って

行こう。ふふふ」



「…………言ってる意味がわからないのですか?離してと、言ってるんですよ。」



「お前、俺様に惚れないとは、いい度胸だな。ますます、欲しくなった。」



そう言って、私の髪や顔を撫でてくる。誰が、撫でていいって言ったのよ。



『リオンに触るな!』



アクア様が口から火を吹いた。王子は、軽々と避け、アクア様を睨んだ。

すごい……アクア様が口から火を……。



「チッ…………大人しくしろよ。コイツがどうなってもいいのか?」



と、言いながら、ククルを握る力を強くする。ククルは、苦しそうに顔を歪め、声を上げている。

なんなの、この人…………これが王子様……?勝手で、生き物を大切にしてないじゃない。



「ククルを離して!!」



『リオン!この本の一番上に書いてある文字を読め!』



「うわっ!い、一番上!?」



「あれは、魔道書か?それを、離せ!」



「ウォーター・スプリンク!!!」



すごい!水の粒が氷になって王子様を攻撃してる!ククルも力が弱まった隙に逃げ出した。



「リオンと言ったか?俺様は王子ではない。側近だ」



『リオン。気を確かに持て。』



「リオンが固まってるよー。てか、帰れ!俺様やろう側近が!」



「今日のところは引き上げます。また、お伺いします。」



「ねぇ、アクア様。」



『なんだ?リオン?』



「あんな、側近見たことないんですけど。むしろ、側近が俺様ってなんなんですか!?いや、俺の物に

したいみたいなことおっしゃってましたよ!?側近が、そんなこといいますか!?」



『お、落ち着け。リオン。言ってない妾も悪いのだが、王都の王子は俺様ではなく、もっと行儀が良い。

だが、強引にてなづけてるのは本当だ。あいつは、ただの側近だ。』



「主様。リオンが、倒れてしまいましたー!」



『ククル!ベッドに寝かせろ!今すぐにだ!』



「あいあいさー!」







「例の、ドラゴンの家に行ってまいりました。」



「どうだった?」



「娘が一人、いました。」



「ゾール…………それは、知ってる。市場で見かけた。僕好みだよ。で?あの娘に、変なことしてないか?」



「私が、王子だと思い込んでいたようで」



「ゾール…………まさかだと思うけど、僕の印象を悪くしたんじゃないよな?」



「悪くしたかも…………しれません。」



「ゾール!何してるんだ!ゾール!!!いい!?僕の印象を悪くしないで!特に、その娘には!

どうせ、自分のことを俺様だとか言ったんだろ!しかも、最初に見たときに、挨拶もなしだろ!?

挨拶くらいしろって何回言えば、わかるんだよ!ああぁ……僕の印象がぁぁぁぁ」



「すみません…………以後気をつけます。」



「その言葉絶対に覚えとけよ!そう言って忘れてるじゃないか!」



「すみません」



「もういい。下がれ。」



「はい…………」



バタン



「ゾールには、振り回されてばっかだ……というか、王子が召使いに振り回されるってなんだ。

逆じゃないのか?………………………もういいや。ゾールのことは忘れよう。」



「あ。王子。言い忘れていたことが…………って何してるんですか?」



「ノックぐらいしろよ!なんでしないんだ!いつもいつも………!!

用は、なんだ?」



「娘の名前ですが、確か、リオンとドラゴンがおっしゃってました。」



「リオン…………か。また、改めて伺おう。僕の誤解を解くためにも。」



「それでは、失礼します。」



バタン



リオン。待ってて。僕が直々に会いに行くから。

ふふふふふ。楽しみだな。






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