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第4話

 ガラガラ・・・。

 わわわ、なんだ?!

「おい、大島、大丈夫か?」

「えっと・・・?ああ、逢沢か!」

一気にいろいろな変化が起きて混乱しだす頭の中。だが僕の目の前にいる彼は、当時親友だった逢沢だった。なんと懐かしく感じることだろう。彼が今、僕の目の前にいる。そして、これはもう2年も前のことなのだ。僕は彼からすると、2年後の僕なのだ。こんな不思議なことが、本当に、起こってもいいのだろうか。僕は彼の顔を見て、ぼーっとしてしまった。

「・・・なんだよ、いままで一緒にしゃべってたじゃんかよ?大丈夫か?自転車も倒しちまって。直すの大変だぞ?」

「え?」

ふと下を見ると、僕のものらしき自転車が倒れ、そこから左十数台がドミノ倒しのように重なって倒れていた。かろうじて、柱によってそれ以上のドミノ倒しは止まっている。

「嘘だろ!?」

「いや、おめーがやったんだからな?俺は知らねえぞ?じゃあ、先行っとくかんな?がんばれ!」

「ちょ、えー!?」

僕は困ってしまった。こんなの直してたら、彼女は行ってしまう。確か、僕が自転車を難なく止めて靴箱に行った時には、彼女はすでにタイツ姿で・・・。じゃあもうすでに靴箱にはいない可能性が・・・。やべえ、やらかした。

 そうだ。一旦戻って、また時間をちょっと前に戻せばいいんだ!いっそ、家を出る頃にしよう。いきなり自転車に乗っている時に戻ったら危ない。僕はこのことで学んだ。よし、そうしよう。そして、逢沢には会わないようにしよう。一人じゃないと、自由に行動できない。逢沢との再開という懐かしい思いも束の間、僕は時計を探した。あった。倒れた自転車のカゴの中。なんとか起こして、それを手に取る。壊れてないよね?大丈夫だよね?僕は時計の裏にある、今の時間に戻るボタンを押した。


ポチ。


 テレビの音。僕は再び今にいる。でも、本当に、戻ったな、これ・・・。やっぱり、本物なんだな。思いがけなく自分の手元にやってきたが、思う存分、使うか。よし、今度は、7時50分だ。セットして、確認して、ボタンを押す。もうこの操作には慣れた。

ポチ。



つづく


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