1.「本当にパニックになった時は落ち着けと言われても落ち着かない」
一部追記
「わっはっはっは」
これは笑ってしまうよな
何が起こったのかわからないけど全裸。今、全裸。
裸一貫で公園に突っ立ってます。
気分転換がてらの公園散歩の最中、急に体の内側がキュウっとしたんだ。キュウだけに。
そのあとにクルクルとね。体全体で回転した感覚。洗濯機で回された感覚。されたことないけど。
んで、気づいたら全裸。
しかし、まずいな…これはいわゆる「わいせつ物陳列罪」に該当すると見た。
人様に目撃される前になんとかしないとやばい
警察にご厄介になるのは勘弁だからね。うん、今すぐ服を探さないとやばい。
落ち着け、焦るな、状況を確認しよう。
周囲を見渡すが何か違和感を感じる。
「あれ、ここは公園じゃない、というより知らない場所だぞ。ここ」
公園散歩は習慣になっていたので風景は鮮明に覚えている。最近のオキニと全く違う風景。
というより、今いる場所は公園とは言えない。どこまでも続く平原だ。少し先に森林のようなものがある。
更に遠くを注目すると山がある。川もあるようだ。妙に視力が上がった気がする。そして、まだ謎の違和感は消えない。
日本にこんな平原があったか?森林公園?
あ、北海道か。昔旅行した時にこんな場所にあるデッカイ木を見に行ったことがある。
うん、北海道だ。ここ。
問題解決、さあ本州に戻ろう!ってそんなわけあるか!
まだ自分パニック状態だなコレ
一回座って落ち着こう。全裸だけど
…よし
誰の、どんな意図でこの状況になったのか不明。
まずは現在地の把握をしたいところ。見た感じ公園マニアの俺が断言する日本の公園にこんな場所はない。やはり北海道か?北海道好きだからそれだと嬉しい。
今度こそ落ち着いて周囲を見渡した。座ってるのもあって足元の方に視点がいった。
なんかちっちゃいものがたくさん動いている。変な形をした虫だな。いや・・・人型だ。
目を細める。
注視したその姿は茶色の肌、長い耳、尖った鼻、赤い瞳。
空想上の生物【ゴブリン】がそこにいた。
四大精霊
レウラ
ラウラ
モウラ
コウラ
何故か崇められている存在。精霊たちもその理由を覚えていない。
レウラが縄張り争い繋がりで人族の国を承認したことがきっかけで他の精霊らも負けじと自らの承認国を作る。
実は四大精霊は仲が悪いわけではなく縄張り争いは暇つぶしの一貫である。しかし人族はそれを知らずに四大精霊に対して忖度した争いを繰り返している。