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只今、異世界で自己改造中  作者: 獅子露
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その後いろいろあって‥‥‥

メチャクチャストーリーが動きますっ!!


あれからなんかいろいろあった。

森で遭難してキャンプすることになったり、不法な奴隷売買の現場に遭遇したり、エルフと出会ったり、コネ作りに学校行くとそこで友人が何人もできたり、ちょっとした事で修羅場に巻き込まれたり。

モテる友人と女友達の三角関係に気づいた時は、めちゃくちゃ興奮して、友人を主人公とした親友キャラという位置付けを獲得する為に東奔西走したものだ。


とまぁ俺も15歳になり、子供だからという言い訳が効かなくなった頃には好奇心も鳴りを潜めていた。

だが、抑圧されるとどうしてもやりたくなってしまうのが人間というものだ。

度々、学校を抜け出して魔獣を狩ったりしていた。

と、そんな感じでワチャワチャしていた俺のところに久し振りにルミアが城へとやって来た。


「お久しぶりです。リオル様。」


久し振りに会ったルミアは髪も伸びて、大人っぽくなっていて王族に連なる者としての気品のような何かを感じられた。

その上、他者の意識を引きつけてやまない豊満な身体とそれに合った青色で統一された衣装のおかげか相乗効果でより綺麗に見える。


一方俺は、やんちゃばかりして自然と引き締められたなかなかにパーフェクトな肉体と、強魔親王(きょうましんおう)とよく分からない称号を付けられるくらいの多彩な魔法を使っていろんな意味で一目置かれている。


「久しぶり!!」


駆け寄って来たルミアを抱き留める。

10歳までは頻繁に国を渡って遊びに行ったり来たりしていたが、それ以降は文通でお互いの近況を教えあっていた。

公式には残っていないが、暇になった時にコッソリ遊びに行った事もあり、かなり仲が良い。

やはり多少悪い事でも共犯になると仲は深まるものだ。と俺が勝手に納得していると


「あら〜お熱い二人には私達のことが見えてないようですね?」


と茶々を入れる言葉がルミアの後ろから聞こえてきた。

後ろを見てみるとメアリさんが微笑ましげな笑みを浮かべてニヤニヤとしていた。


「いえ、けしてメアリさんを蔑ろにしていた訳ではなく‥‥‥」

「 分かってるわよそんなこと全然気にしてないわ。えぇ、全然気にしてないわ本当にね。」

「あ〜はいはい。スイマセンでしたー。お詫びに今日は父様達と一緒にピクニックにでも行くので許して下さい。」


拗ねている様なので前々から行きたそうな仕草をしていたピクニックを提案する。

王族という身分があると、どこかへ遊びに行くのにも護衛達が付いて回る上、きっちり時間が決められている為、俺はなかなか好きになれずに断っていた。

なのでピクニックを譲歩するとメアリさんは満面の笑みを浮かべて何処かへと走り去って行った。


「‥‥‥何だったんだ?」


あまりにも急な出来事だったので吃驚したが、メアリさんの行動力は驚くべきものだと知っていたので疑問は無い。

多分ピクニックするのに必要な物の準備とか護衛の手配を済ませているんだろう。


「ピクニック楽しみですね!」

「あぁ‥‥‥そうだな。」


そこはかとなく不安だが、ルミアに合わせて頷くのだった。




メアリさんはピクニックと言った2時間後にあらゆる予定をゴリ押しで詰めてピクニックの時間を空けてきた。

父の仕事机には国の重要書類が大量に束になって置いてあったのにどうやって説得したのかは不明だが、何も問題無さそうに父がいた。


「フハハハハ!!ピクニックなど何時ぶりの事か!!」


内政ばかりしていて気が滅入っていたのか、興奮した様子で身体を伸ばしていた。

父の背後には武装を固めた護衛と豪華な馬車が待機している。


「リオル兄様以外のお兄様方はいらっしゃらないのですか?」


俺の隣にいた妹のメアが首を傾げながらそう言った。

メアは10歳になって結構成長した‥‥‥とは言っても俺も成長しているので身長の比率的にはさほど変わっていない。

それでも少し女らしさが出てきたせいか、小悪魔的な面も備わってきていて、日々いろんな人が困らされているようだ。


「えぇ、今回はリオル様と婚約者のルミアの個人的な催しだからその他の方々がいたら駄目なのよ。

ちなみに王様が参加してるのは私の仕業よ。」


メアリさんがメアに諭している間に、ピクニックの為の準備を整えた護衛がやって来た。

男を誑し込むとか、合法的に追い詰めるだとか断片的に聞こえるが、俺は何も知らない。


「よっしゃぁっ!!もう行くか!!」


俺がそう宣言したにも関わらず、出発するのに1時間も掛かった。

何故だ‥‥‥。



心地良い風が頬を撫でて、息を吸うと新鮮な空気が肺いっぱいに広がる。

天からはポカポカと温かい日差しが、いい感じに身体を照らし、心地良さに眠気に負けそうになる中、ドタドタと雰囲気ぶち壊して走る一頭の巨大サイが血の海に沈んだ。


「ふむ、なかなか良い汗をかいた。」


父がサイの首を両断する程の長い剣に付いた血を、活き活きとしながら振って飛ばす。

辺りに濃厚な血の匂いが充満して、その血の匂いが更に新しい魔獣を呼ぶというサイクルが展開されていた。


「平和だなぁ‥‥‥。」


嬉々として魔獣を惨殺している父を見るとそう思わずにはいられない。

書類仕事に辟易としていた父は、プライベートで発散しきれない分のストレスをここで一気に発散するつもりだろう。

とはいえ、俺もちょっと価値観がおかしくなっていると言っても流石に血が溢れるこの惨劇を見て言ったのではない。


「いい?この花は媚薬に似た効果があってね‥‥‥」

「へぇーそんな効果がねぇ。」

「お母様っ!?メアちゃんになんて知識を教えてるんですか!?」


なんて言ってるのかは分からないが、3人とも花を摘んだり追いかけっこしたり、何かを投げ合ったりしている。

そういう俺は何しているかというと、草原に寝転がって日向ぼっこをしていた。

これが気持ちいの何のっ!!

日頃のストレスが緩和されていくようだ。


「おや?」


ドドドドッという音が聞こえ、身体を起こして周りを見回してみると、暴走している馬車が目に入った。

馬はひどく興奮し、口から泡を吹きだして死に物狂いで走っているように見える。

ガタガタと上下左右に揺れまくる馬車には人が乗っているようには思えない。


「今だ!!殺せぇ!!!」


馬車に気を取られた隙に森に潜んでいた集団が、魔法を飛ばしながら走って来る。

髪を銀色にしたままだと、こういった無駄なトラブルに巻き込まれるという事も、俺がピクニック等を嫌う理由の1つである。


「憂鬱そうに寝っ転がってんじゃねペげっ!?」


襲って来た刺客の顎が頭ごと吹き飛ぶ。

護衛が頭に剣をたたきつけた結果だ。

ここにいるのは王国の騎士の中でも王族の護衛に就けるほどの最精鋭だけ。

冒険者などよりも安定した収入で、危険な場所に行く時には特別手当もでるというかなりの候待遇なので、あらゆる職の中でも一番実力者が揃っているのだ。

そんな彼等の一撃は簡単に頭蓋骨を破壊する威力だったというだけだ。


「クソがぁっ!!」

「グぁがぁっ!!」


何も喋らずに、護衛たちは淡々と賊を切り捨てていく。

すると暴れていた馬が急に方向転換して、父の方へと突っ込んでいった。

すぐさま護衛が馬と車輪を同時に壊す。

グシャッと痛々しい音を立てて馬車が10回転もしながら潰れる。


「ぐはっ!?」


馬車に近づいた精鋭の護衛が血を吐いて倒れ伏す。

その横には不気味な雰囲気が漂う黒い外套の男が立っていた。まるで男が立つその場が異界へと繋がっているような、不安を感じさせる独特の何かがあった。


ユラリとその男が、また一人の護衛を倒す。

俺は護衛達が守りやすいようにルミア達の近くに移動する。

それを見て、男がゴソリと懐から取り出した石に、俺の勘が最大級の警鐘を鳴らす。

確実に俺達にとって良くない物だと、根拠もなしに確信できた。


「サァ!シネッ!!」


ガラガラに枯れた声は正体を知らせないためなのだろうが、抑えきれない愉悦の感情が透けて見えた。

無造作に放られた石を勘に任せて避けようとするが、避けると後ろにいるルミア達に当たってしまう。何があるか分からないが、当たったら不味いのは分かる。

異変に気付いた父が猛スピードで駆けて来るが、間に合わない。


「ファイアーランス!!」


タイムラグも無く手から飛んだ魔法が石へと当たる。

しかし、その石は魔力を多量に込めた魔法を飲み込んだと思うと、突然平衡感覚が無くなり、凄まじい目の前の景色が揺らいでいた。


気が付くと揺らぎが消えて、目の前の景色が一変していた。

視界に映る鬱蒼と茂る木々を見て、俺は転移()ばされた事を理解した。

次話に期待っ!!!!

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