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只今、異世界で自己改造中  作者: 獅子露
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各国の戦力分布

リオルとルミアの日常は次に移します。


これで、リオルの強さに疑問を持っていた人は、リオルは別に国単位で見ても、そこまで強くないってことを分かってくれると嬉しいです。

ルミアと婚約者になって、もう3ヶ月が過ぎた。

俺は彼女とすごく仲良くなっていた。


と言うのも、彼女は生まれた時から城の中で育てられて、都市外に出るのは今回が初めてのようだった。

なので、主に好奇心や冒険心が強い俺が、自らの体験談や人から聞いた英雄譚を面白可笑しく、時には魔法による実演まで加えて説明した。


彼女が何故か魔法にすごく興味を示すので聞いてみたところ、どうやらイルタニアはファイアーランスの様な遠距離から狙い撃つ魔法が発達していないらしい。

その代わりと言っては何だが、身体を強化する系統の魔法に重きを置いていて、極めることが出来れば素手で鉄を曲げ、山を真っ二つにする事も可能なのだとか。

そこまでの達人はいないものの、精鋭ならば一騎当千の化物らしい。

それに伴い武術も発展し、前世じゃ考えられないような武術が流行っており、数ある道場の師範代クラスでも普通の鉄剣を一撃で折ったりする猛者ばかりなのだ。


そんなのいるんだったら、この国ヤバくね?と考える人もいるだろうが、この国シルヴェリアとイルタニアがほぼ同盟関係を結んでいるのと同じ様に、イルタニアに敵対している国がある。

そこからも分かるように戦力差は開いていない。

まぁ、ここら辺の話は後々‥‥‥と言いたいが、この話を後回しにするといつ話せるか分からないので、一旦この世界の世界情勢について話して行こうと思う。


先に言ったイルタニアに敵対している国とは北のノスティルンと南のウェリントンだ。

周囲には点々と小さな国が存在するが、周辺国家の大国で言えば西の教国エルレミアを除けば、5つの大国の中で、この2つの国がイルタニアとは敵対している。

だが、イルタニアvsノスティルン&ウェリントンと言う訳ではなく、イルタニアvsノスティルンvsウェリントンという三つ巴の睨み合いが今尚続いている。

ぶっちゃけて言えば、この婚約もシルヴェリアと正式に同盟を結んで他国に優位を取る意味合いも含まれている。

正式に同盟を結べば、この国も多少の支援をしないといけなくなる。

それはそれで、他の国も何かしらの動きはあるだろう。


まずはノスティルンの話だが、ノスティルンは大国の中で1番人口が少ないと言われている。

しかし、戦争における被害はほぼ無いに等しい。

その理由は、ノスティルンは魔獣や魔物を使役していて、嘘か真か()()の庇護下にあると公言している。

神獣とは人間と同等以上の知能を持ち、且つ国を単機で滅ぼせる程の圧倒的な戦闘能力を有している魔獣の事だ。

神獣は圧倒的な力を持つ故に、自分以外の生物を下等生物と本気で思い込んでいるか、同じ様に他者には何の興味を示さない。

実際、今まで確認された神獣は、話の通じる相手では無かったと言われている。

そんな超越生物が庇護しているのならば、庇護する価値があると思わせた何かがあるのだろう。

だがそれでも、能力が使役能力に傾いているせいか、他国と比べると人としての強さは然程でも無いようだが、やっぱり常識を覆すような存在がいる。

噂では、魔獣の力を人へ移して人間の限界を越えた獣騎士と呼ばれる存在こそが、ノスティルンの切り札であり、神獣に認められる発端になったのだとか。


続いてウェリントンだが、彼らの情報はノスティルンよりも更に少ない。

と言うのも、ノスティルンが魔物を使役しているのに対し、ウェリントンはありとあらゆる小国の傭兵を雇っていて、ウェリントンの兵士は表に出てこない。

ウェリントンは大国の中でも一際広大な領土を持ち、数々の小国を侵略によって実質的に支配している。

そのおかげなのか、戦時中に傭兵達は妙に高性能な武器で、遠距離から魔法を正確に撃ってくる。

遠距離からの魔法を避けて、近距離に近付いたとしても、それは元々傭兵である彼らの得意とする距離、苦戦は免れない。

その上、あらゆる戦略でことごとく上を行かれてしまっていて、ウェリントン相手には戦略がほぼ介在しない総力戦が望ましいとさえ言われている。

(ちなみに傭兵の種族は猫、虎、人、ドワーフ、小人、巨人、のように様々だ。)

傭兵に貸し出していた武器をいつの間にか破片も残さず全て回収すると言った行動も相まって、大国の中で最も不気味な存在感がある。

ただ、ウェリントンの兵士が戦場へ姿を見せた事は一度だけあったが、相手国は無惨にも蹂躙され、他国の間者を含めても取りこぼし無く皆殺しにされた。

よほど秘匿性の高い切り札でも使ったのかは不明だが、少なくとも他の大国と渡り合うと確信できるほど、衝撃的な出来事だったらしい。


最後に三国の争いに唯一関わりのない教国、エルレミア。

教国と言われるだけあって、宗教国家だ。

そして胡散臭い話だが、神の力を借り受け行使するとかなんとか。

彼等は戦力を秘匿しておらず、むしろ積極的に公にすることで中立を宣言している。

そして、その実力は圧倒的で、昔あった資源的にも人材的にも不毛な戦争をエルレミアが派遣したたった一部隊で死人を一切出さずに両国を武力的に制圧して、戦争を収めた実績を持つ。

その時は、背中から天使のような羽根を羽ばたかせながら戦場を飛び回り、光り輝くエネルギーの塊のようなものを大量にばら撒き殲滅、魔法を食らっても傷一つなく、ピンピンしていたらしい。

その上で、負傷した者をこれまた光り輝くエネルギーで瞬く間に治療し、去って行ったそうだ。

地形に左右されない移動手段に、高い治癒能力、防御能力、それと魔法とは違う魔力を使わない未知の攻撃手段。

生き残る事にかなり長けた能力のようだ。

確かに他の大国からしたら、せっかくここまで徹底的に隠している情報をその一戦で暴かれるような愚かなことは、勝てるという確信か、知られても対処できない類の物がなければ出来ない。

そして未だ誰も仕掛けていかないのは、勝てる確信が持ててないからと言う事だ。


こんな感じで、この世界は妙に大国が戦力的に突出しまくってる。

説明が長くなったが、この国を除く大国の戦力情勢はこんな感じだ。

他にも悪魔が住んでる異界国(ディグナ)や、ノスティルンよりも北にある広大な魔の森などがあるが、それに関してはいつか話そう。

まぁ、シルヴェリアは非戦争国で比較的に平和なので、俺が直接争いごとに関わることも無いだろうが、出来れば全ての国に行って直に目にしたいものである。


そんな感じのことを言ったら、ルミアが無造作に落ちてる石を握り、えいっ!と可愛らしく力を込めると、ピキッと石にヒビが入った。

俺は冷や汗をかきながら、ルミアを怒らせないようにしようと、心から思った。

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