婚約
1000文字と少ししかありませんが、次話に期待を‥‥‥。
次話は世界情勢のちょっとした説明と、リオルとルミアのその後の日常を書きます。
‥‥‥多分。
「む?ルミア嬢は我が息子と面識があるのか?」
「は、はい。」
俺達の反応を見た父が、相手の美少女にそう尋ねる。
ってかルミアって名前にも確か聞き覚えが‥‥‥
「あぁ!ボア狩りに行った時に会った娘だ!!
こんな辺鄙な所で会うなんて奇遇だね。」
「え?えぇぇ〜?前合った時の髪は‥‥‥あれぇ?これってどういう‥‥‥?」
ルミアは状況がよく分かってないらしくオロオロと可愛らしく慌てた様子だった。
「一度落ち着くがよい。
して?何か説明はあるのか?リオルよ。」
「えっと実は三日前にボア狩りに行った時に―――――――――」
ルミアと会った状況を適当な解釈を加えながら語った。
説明し終えると、父は呆れながら深々とため息をついた。
「まさか我に報告してくる前にそんな事をしてたとは‥‥‥。」
「まぁ、良いではございませんか。シルヴェリア様。
私達もリオ‥‥‥いえ、リオル様のお蔭で私達も怪我なく、護衛を失う事なくこの場に居合わせる事ができたのですから。」
いつの間にかルミアの母であるメアリさんが、扉の前で微笑んでいた。
父は気づいていたのか、再び深々と溜息をついた。
「しかしそれは結果論でしか無かろう?メアリ=イルタニア夫人?」
「え?イルタニア?」
聞こえてきた父達の会話にちょっと気になる単語があった。
おそらくほとんどの人が忘れているだろうが、イルタニアとはこの国とは親密な関係で、この国から見れば丁度東側にある友好国なのだ。
そして俺と父のように国の名を自らの名に出来るのは――――――
「え!?もしかして二人はイルタニアの王族なの!?」
「え?そうだけど?」
ルミアは驚くようなことかなぁ?みたいな反応だが、俺は思わず叫び声を上げてしまった。
何かこの世界に転生してから一番驚いた気がする。
「ハハハッ!!これはまた珍しいものが見れたな。
リオルが声に出して驚くなんて一体何年ぶりだ?」
「まぁ!!なら私達は珍しいものを見れたということですね。」
ニコニコと楽しそうにメアリさんが笑う。
本っ当に楽しそうに笑ってるその姿は、とても上品で綺麗だった。
チラッと横にいるルミアを見る。
幼いながらも、母親の面影を色濃く受け継いでいて、成長すればメアリさんとよく似たとても可愛らしい美少女になること間違いないだろう。
「まぁ、とにかく。」
俺はルミアに身体ごと向き合って、視線を合わせる。
その瞳は社会の辛さや汚さを全く知らない純粋無垢な光―――――等ではなく、それすら全部を包み込もうとする慈愛と決意に溢れていた。
「今からルミアは僕の婚約者だ!よろしくね!!」
ニコッと最もイケメンに見えると(あるメイドが)言う角度で笑みを浮かべ、ちょっぴり気障な身振りを加えて手を彼女の前に差し出した。
「え?‥‥‥うん!!よろしくお願いします!!」
ちょっぴり彼女が引いてる気がしないでもなかったが、まぁ結果オーライと言うことで、俺とルミアは婚約者となった。