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生物に会う

なんかいつもと違う。なんだか寝苦しいような。でも何かわからない。


「あー! もう!」


目が覚めて起きあがるが、こんなに寝起きが悪いのは久しぶりだ。ただでさえ疲れてるのに寝起きまで最悪とか余計にストレスが溜まる。


「まったくなんでこんな寝苦しかったん……だ……」


どこ、ここ?

えーと、昨日は自分の部屋のベッドの上で寝たよな?

俺実は徘徊癖とかあるのか? ないよな。


「いつのまに外で寝たんだ? だれかのイタズラか?」


足元には緑が眩しいほど草が生い茂っている。どこかで牧畜でもやっててもおかしくない。遠くを見ると真っ平らなので平原だろう。


「えー、どういうことなの……」


なにがなんだかさっぱりわからない。昨日部屋で寝てたのに今は外。しかも周りには誰もいない。人が隠れられそうなところはない。石とか小さめの岩ならあるけど。


ここで惚けててもしょうがないので、とにかく移動して、水と食料と人を探そう。ここがどこなのかとか、色々聞かないことにははじまらない。


「とりあえず、水と寝られるとこが大事だよな」


人を探してもいなかった場合どうしようもない。しかも、この見渡す限りの平原に人のいる気配はない。

なのでまず水を探そう。寝るとこはさっきまで地面で寝てても問題なかったので、どうにかなるだろ。


しばらく歩いていると、川を見つけた。橋も掛かっている。水は透き通るほど綺麗だ。


「適当に歩いてたけど水も見つけたし、こっちでよかったかな」


結構移動したので、喉が渇いてる。冷たい水を浴びるように飲み干す。


しばらく休憩してると、音が聞こえてくる。

ポヨポヨ……。

なんの音だ?

音のする方を見るとピンクの物体が移動してる。


「ピンクのスライム?」


スライムと言ってもドロドロのではなく、ゼリーぐらいの硬さの半固形のだ。

小さいから恐怖はなく、逆に可愛らしい形をしてるので、女性が見れば喜びそうだ。


モンスターなのか? 昔やってたゲームのモンスターそっくりだな。俺はゲームの世界にいるのだろうか? ゲームどおりなら放っておいても何も起こらないはずだ。


「とりあえずここに川があるのはわかったし、もう少し探索してみるか」


橋の向こうに行けば人がいるかもしれない。もしくは村や、町などがあるかもしれない。なるべくなら野宿よりは温かい布団の上で寝たいし、暖かいご飯も食べたい。

動物などおらず、見つけたのはさっきのピンクスライムだけだ。1日ぐらい食わなくても死にはしないが、空腹を感じるとまたストレスが溜まる。


「橋から歩いてきたけど、特に何もないな」


あれからまた探索を開始したが、何も見つけられなかった。同じような景色が続くだけだ。川のある方角は覚えているけど、あそこで留まっていた方がよかったかな。


そんな事を考えてると、またポヨポヨと聞こえてくる。さっきと見た目が同じピンクスライムだ。まさか付いてきた? でも川の近くにいたのは、反対方向に行ったはずだ。


段々近づいてきて、俺の足元で止まる。こいつはアクティブモンスターじゃなかった気がするが、一応身構える。


しばらく俺を見ていたピンクスライムは、ポヨポヨしながら移動しだした。少し移動したところで、こちらに振り返り、俺を見てくる。

なんだ? なんで俺を見るんだ? もしかして付いてこいってことなのか?

試しにピンクスライムに近づいてみると俺が動いたのを確認した後、また移動しだした。


「こいつはどこかに連れてってくれるみたいだな」


離されない距離でついて行くと、9人ぐらい乗れそうな大きさの、渦巻き状の淡く光っているものが地面にある。これはゲームどおりなら……。


その上にピンクスライムが乗っかるが何も起きない


「おかしいな。これに乗ると転移するはずだが」


そう思いながら自分も渦巻き状のものに乗った瞬間、目の前が暗くなった。

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