第4話 正しい英和辞典の使い方。
「ご主人様!どうして私をお使いにならないのですか!」
カレンが俺に言ってきた。俺は今勉強中だ。
「使うって、どう使うの?」
彼女は、英和辞典だ。今は、その面影が一切ないが。
「ご主人様が意味を知りたい単語を私にお伝えください。私が教えるので。」
「もし、その単語の発音がわからないときは?」
「私が教えます!」」
「カレンに、勉強まで見てもらうのはわるいよ。」」
俺が今まで使っていた英和辞典はカレンに変身した。なので、新しい英和辞典を買い、今はそれを使っている。
今使っている奴もまた美少女に変身するのかな?
「俺は、新しい英和辞典を買ったから、カレンはもう大丈夫だよ。」
「それって、私はもう用済みってことですか?」
「いや、俺はカレンにほかのことでお世話になっているから、カレンはもう大丈夫だよ。」
カレンはしゅんとしてしまった。
英和辞典が俺のメイドになってから俺の生活は一変した。洗濯をしなくていいし、ご飯も作ら
なくていい。かなり楽になった。俺の家の家事をすべてカレンにやってもらっているのは申し分けないが、
カレンが、”私にやらせてください!ご主人様!”と強く言うのでやってもらっている。でも・・・
「今日は、カレンにお願いしようかな。」
「本当ですか…?」
「だって、カレンは俺の英和辞典だろ?」
「はい!任せてくださいご主人様!」
カレンは元気を取り戻した。英和辞典を使い俺の勉強が再開した。
結論から言うと、カレンを使うのは翻訳機を使うような感覚だった。
「obtain」
「入手する」
「シ?カレン。このs i g n i f i c a n t ってどういう意味?」
「significantですね。重要という意味です。」
とこのように使う。翻訳機みたいな帰国子女の家庭教師みたいだった。当然、和英辞典のようにも使うことができる。
これからはカレンを本来の英和辞典としても使おう。今度は新しく買ったほうが用済みになってしまったけど。
カレンと一緒に生活して1週間が過ぎた。いまだに女の子と同棲することになれないが、とても楽しい。
ただ、カレンは女の子に変身してから、一度も俺の家の家から外に出ていない。住み込みのメイドさんみたいだ。
せっかく、女の子に変身できたのだから俺のことだけではなく、女の子として楽しんでほしい。
そう思った俺は、カレンに提案してみた。
「カレン。今度の休みに俺とどこかに遊びに行かないか?」
「ご主人様と… それってデートってことですか?」
「デ、デート・・・ まあ、そういうことになるかな?」
俺にとって女の子とデートなんて生れてはじめてのことだ。ギャルげーとかでは何回も行ったけど。
「私、うれしいです!ご主人様と一緒にデートに行けて!」
「いや、でも、俺も初めてだから・・・」
「つまり、初めての相手は私ってことですよね。」
俺の初めてのデートの相手は英和辞典だ。
「私は、ご主人様とのデートにふさわしい服を作りますね。」
カレンと出かければいいのだろうか?
デートプランを考えるのは、大変だが、楽しかった。