獣たちのあるく道
めかぶぅ٩(๑•ㅂ•)۶
とある森のお話。
ニンゲンも知らないような森の奥の奥、そこに獣達は住んでいた。
機械こそ無いものの、心を持ち言葉を話す、賢い一族だった。
寒けりゃ火を、暑いなら水を。当たり前のことを、彼らは知っている。
そんな森の防空壕みたいな洞穴に、狼のアイは住んでいた。
つまらない日常に、アイは嫌気がさしていた。
「あーあ、楽しい事無いかなぁ・・・」
外は眩しい程の晴天。でもアイは外に出る気も起きなかった。
なぜなら今は梅雨の時期。今日はたまたま晴れていたものの、何時雨に降られるかも分かったものじゃない。
濡れれば風邪を引いてしまう。そうなれば余計選択肢が無くなるので、大人しく洞穴に居るのだった。
「なにか面白そうなもの無いかな〜。」
もそもそと寝床から這い出てきたアイは、棚を模索し始めた。
古びた本に何かの羽、多分龍のものであろう鱗。目を惹く物は何も無い。
「気味悪いくらい何も無い・・・」
ココアブラウンの毛並みの尻尾がばたばたと動く。
膨れていると、手に冷たい感覚が伝わった。
「なにこれ?宝石・・・?」
持ってよく見ると、銀で縁取られた瞳のような赤い宝石。
後ろには恐ろしい目をした孔雀のような模様が彫られていた。
「模様・・・?って、うわあっ!」
模様に触った途端、アイは眩しい光に包まれた。
最後にコトンという宝石が床に落ちる音が空気を揺らし、辺りには静寂が訪れた。
わかーめー(゜∀。)