キリストの生まれ代わり68
「美しい魂と言うか、純粋な命の燃え上がる発露と、偶像崇拝する拝みとしての貪欲さは全く別物だと私は思います」とキリストは言い放った。
ドラマーが言った。
「でも人間存在には来世どうなるか、言わば未来なんか分からないし、現世御利益を求めるのは仕方ない事だと思いますけど、どうでしょうか?」
キリストが自信満々に言って退ける。
「でも貪欲強欲のままにサタンに魂を売る事は来世滅ぶ事を意味しますから」
ドラマーが反論する。
「でもその来世の何たるかが人間存在には無明と言うか分からないのだから、遺憾ともし難いではありませんか?」
キリストが答える。
「いえ、サタン信仰は現世そのものを滅びの道に導くものなのです」
ドラマーが反論を重ねる。
「でも他宗教の現世御利益を求める拝みは、キリスト教の祈りとは一線を画するものでしょう。と言うか現世御利益を求めるその所作は命の発露であり、命の燃え上がる瞬間だと思いますが。現世御利益を求め、尚且つ天を望む事は欲張りなのでしょうか?」
キリストが言い放つ。
「美しい魂と言うか、純粋な命の燃え上がる発露と貪欲さは全く別物だと私は思います」