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キリストの生まれ代わり65
「僕は長年ドラマーをやっていますが、そこに夢や希望を託し、日々研削する事は立派な祈りだと思うのですが?」とドラマーは言った。
ドラマーが尋ねた。
「何故偶像崇拝はいけないのですか?」
キリストが答える。
「偶像を盲信的に崇拝し、拝んだり祈ったりする事は安直であり、愛の成就への道筋とは言えないわけです」
ドラマーが再度尋ねた。
「愛を成就する事は全身全霊を以って行う命懸けの所作である事に対して、拝む事は命懸けではないという事ですか?」
キリストが間を置き答えた。
「ニュアンスとしてはあらかたそうなりますね…」
ドラマーが反論する。
「僕は長年ドラマーをやっていますが、そこに夢や希望を託し、日々研削する事は立派な祈りだと思うのですが?」
キリストが肯定した。
「そうですね。それは確かに愛の成就としての祈りの一環だと思います」