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キリストの生まれ代わり38

私はその言葉を聞き、又してもナンパ目的で近寄った女性に対する後ろめたさが脳裏に浮かび、己の悪魔性をひた隠しながら礼を述べた。

私は友人たるドラマーに「イエスキリストの生まれ代わりだと言っている奴に会ったぞ!」と伝えると、そのドラマーも興味津々の呈で、私達は最寄りの駅で落ち合い、二人でキリストがいる喫茶店へと赴いた。




私が友人たるドラマーをキリストに紹介すると、芸術をこよなく愛するキリストは喜び、ドラマーが挨拶代わりに披露したスティック捌きを見て拍手を贈った。





続いて私も文学界に送って見向きもされなかった妄想変態幻惑狂人短編小説を読んで貰い、キリストは足を苛立たしく痙攣させるように読み終え(この頃私の小説を読んだ人はノートにびっしりと書かれた文章を読むのに、皆読み辛さに苛立たしく、一律にこの仕種をした)感想を述べた。




「薄暗く妄想の塊のような小説ですね…」





私は生唾を飲み下し尋ねた。





「どうでしょう、救いはありますか?」




キリストが答えた。





「この小説自体に救いはありませんが、貴方はもう天に行けますね」




私はその言葉を聞き、又してもナンパ目的で近寄った女性に対する後ろめたさが脳裏に浮かび、己の悪魔性をひた隠しながら微笑み礼を述べた。





「有り難うございます」

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