キリストの生まれ代わり36
「貴方はキリストの生まれ代わりとして、どのようにして大勢の人々を救済するつもりなのですか?」と私は切り出した。
もうそれ以上この問題について語っても埒外が開かないと私は判断し、核心部分に向けての論陣を張るべく話題を変えた。
「貴方はキリストの生まれ代わりとして、どのようにして大勢の人々を救済するつもりなのですか?」
キリストが答える。
「メッセンジャーとして愛を伝導するのです」
私は畳み掛けた。
「そんな当たり前の言葉ではなく、もっと具体的に言って下さい?」
「広汎なる心の問題に怖じけづかず怯まず、一人一人の心の問題、愛の成就度合いをつぶさに検証整理し、今貴方と話しているように愛の成就を軸にして天へと導くのです。そしてここにいる信者達も私のメッセージに賛同してくれた方々なのです」
私はため息をつき言った。
「でもそれを一々していたら、余りにも膨大なる時間がかかりますよね。メディアを使った方が効率が良いのではありませんか?」
「私がキリストだと名乗り出ても誰も信用しないだろうし、既存の腐った各宗教教団のエセ教義に利用され、ゴミのように葬られて行くだけですから。それよりは古来キリストが行った伝導に倣い、一人づつ愛の成就に向けての心の検証、整理整合を履行して行くしかありません。それが私の責務ですから」