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キリストの生まれ代わり25
「狂気の沙汰とおっしゃいましたが、狡猾さやずる賢さ計算高さをものする事が可能な所謂常識人というか、世間一般の正常な人間よりも、頭真っ白になり狂った人の方が救いはあるのですか?」と私は尋ねた。
キリストが続ける。
「完全なる自我の崩壊が無ければ、狂気の沙汰の万歳アタックなどしませんから、そこにはエゴに根差した狡猾さやずる賢さなど入り込む余地すらないでしょうし。それは正に真っ白な心の美、無我の境地であり、救済の手は、まるで子を助ける親の如くあると思います」
私はすかさず尋ねた。
「狂気の沙汰とおっしゃいましたが、狡猾さやずる賢さ計算高さをものする事が可能な所謂常識人というか、世間一般の正常な人間よりも、頭真っ白になり狂った人の方が救いはあるのですか?」
キリストが答える。
「それも又可能性論の域になりますがずる賢さや裏の無い所謂精神を病んだ人の方が、より一層子供心に近く、神の慈愛の手は差し伸ばされる可能性は高いでしょうね」