キリストの生まれ代わり12
「そうですね。各自の心を全的な意味でのアガペーと捉えれば、それは三位一体説に言及しなければならず、霊的な意味での足りない補足項目が冷酷さであるならば、その冷酷さを補いに来ているという論法になるわけです」とキリストは言った。
私は疑問符を投げ掛けた。
「しかしその足りないものが愛という曖昧な概念になるならば、正に話しは暗中模索、姜として分からなくなりますね?」
キリストが髭を軽く撫でるような仕種をしてから答えた。
「そうですね。各自の心を全的な意味でのアガペーと捉えれば、それは三位一体説に言及しなければならず、霊的な意味での足りない補足項目が冷酷さであるならば、その冷酷さを補いに来ているという論法になるわけです」
私は眉をひそめ焦りの表情を作り言った。
「例を挙げれば、一個人の冷酷さの行使が彼にとっての愛という事なのですか?」
キリストが頷き言った。
「可能性論として、それも各自の心の問題の愛としての不足分となるわけです」
私は緊張を抜くように息を吐き出し、言った。
「善悪の概念を度外視して様々な可能性の本に愛の問題は各自の心に根差しているという事ですか?」
「そうですね」