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キリストの生まれ代わり107
「いや、お前は孤立して寂しいから泣いているのだ。違うか?」と自問自答した。
バイクに乗って帰宅途中、私は悔し涙が止まらなかった。
何故泣くのだと自分に問い掛ける。
「キリストの予言、ひいては宿命に逆らえなかった悔しさなのか?」
「いや、違う」
「情けない話しではないか?」
「何が情けないのだ?」
「寂しいからか?」
「何を言っているんだ。寂しくなんかない」
「いや、お前は孤立して寂しいから泣いているのだ。違うのか?」
「俺は寂しくなんかない!」
「ならば何故泣くのだ?」
「俺は寂しくなんかない!」
「いや、お前は仲間外れにされたのが寂しくて泣いているのだ。そうだろう?」
「俺は寂しくなんかない!」
「寂しいんだろう?」
「寂しくなんかない!」